ヘ短調作品34

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ブログは現代の日記であるから、イギリス17世紀の有能な官僚であり、日記魔であるサムエル・ピープス(Samuel Pepys)が今生きていたら、彼なりのブログを公開しただろう。事実彼の有名な日記は、ブログ形式で毎日下記のサイトで紹介されている。われわれは17世紀のピープスの「コメント有り難うございます」という応答はないものの、彼の「ブログ」でコメントし、議論することが出来る。また注釈がついているのもありがたい。日記は一日が終わり書くものであるのであるし、時差との関係で一日か二日遅れた日付のものを読むことになる。「今日」は1662年12月25日である。彼の「ブログ」が終わるのは彼が目を悪くして書けなくなった1669年までであるから、あと6年ばかり続くことになる。

ただ彼の日記がわれわれのブログと違う点は、彼は奥さんが読めない当時の速記で書かれていたことである。それだから彼の日記は面白いのである。読まれる可能性のある、読まれることを期待したブログとは比較にならないほど真実味があり、歴史的資料的価値がある。興味のある方は下記ををクリックされるとよい。

http://www.pepysdiary.com/

この速記された日記の解読は今世紀には完成し、The Diary of Samuel Pepys として出版された。私はある本で、彼のバレンタイン・デーの日記を読み、彼に関心を持ち始めた。もっとも有名な記事はロンドンの大火災であり、かならず参照される。大地震が危惧される昨今であるが、災害に直面したときの群衆の行動の記述は現代でも大いに参考になると私は思っている。私のブログも今後、彼の日記をおりおり採り上げていくことにしよう。

はたしてピューリタン革命から王政復古にいたる17世紀中葉のクリスマスやいかにとおもったが、1662年の12月25日に関するかぎり、あまりに宗教的であり、厳格なのにおどろいた。クリスマスには、ヤドリギの木の下にいる女性にキスをしたり、猪の頭を食し、焼きリンゴで味付けしたビールが飲めたものだが、ピューリタンが支配的な議会で、キリストの誕生、キリストの復活、聖霊降臨の聖なる祝祭日にお祭り騒ぎをしてはならぬと定められた。また12月24日は断食をして祈りの日を過ごすこととなった。

「プロテスタンティズムの倫理」は12月に関するかぎり、当時の「資本主義」にとって厳しいものだったようである。 サムエル・ピープスも教会に出かけ、「退屈な」説教を聞き、平凡な一日を過ごした。もっともこっそりお届け物があり、届けた男にチップをはらっているが。商業主義に毒された現代のわれわれからすると興味深い記事ではある。注釈によれば、法規違反に対する警察の取り締まりに一年後には大衆の暴動がおきたそうである。この宗教的に厳格なクリスマスが楽しいものになったのは19世紀後半だそうであるが、このピュアーな時代を生きたピープスの赤裸々な日記を期待することにしよう。

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