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Der Lindenbaum
Am Brunnen vor dem Tore
Da steht ein Lindenbaum;
Ich träumt in seinem Schatten
So manchen süßen Traum.
Ich schnitt in seine Rinde
So manches liebe Wort;
Es zog in Freud' und Leide
Zu ihm mich immer fort.
The Linden Tree
By the fountain, before the gate,
There stands a linden tree;
I have dreamt in its shade
So many sweet dreams.
How many loving words I cut
On the bark of that!
It brought me into relief
Either in joy or in grief.
冬休みの課題であった「冬の旅」の読解・英訳は遅々として進んでない。リンデンバウムというのは植物の分類学からは、lime tree とか basswood とかに英訳することが出来るそうだ。この植物はそれぞれの風土に適応して感じが違うそうであるし、民族的な思い入れも違うであろう。
リンデンバウムはドイツの文化であり、この文化は英訳不可能であるというのが、英語圏の人の感想である。下手な英訳はシューベルトそして「リンデンバウム」をこよなく愛するドイツ人に対する侮辱である。ここはシューベルトに敬意を払いリンデンの木(linden tree)とするのが妥当なようである。
第一詩節だけ一応ブログに載せることにした。この第一詩節が音痴の私がドイツ滞在中、居酒屋で「カラオケ!カラオケ!」とドイツ人に催促され歌えた限界であった。連中はさらに歌い続けた。日本で習った文部省唱歌が母国で知られているとは限らないが、この歌を歌えないのはドイツ人ではないことを確認した。
絵は Wikipedia ドイツ版のものである。オーストリアの絵はがきだそうである。彼は彼女の腰に手を回してリンデンバウムに愛の言葉を刻んでいる。彼は失恋して「冬の旅」に出る前の男である。とにかく泉のそばにあるリンデンバウムである。これ以上の絵はウェブ上には見つけられなかった。
木に刻んでいるのは私にはSとMに見えるのだが、どうだろうか。あちらには相合い傘はないだろうが。二人の愛を誓う印に詳しい方がいれば教えて欲しいものである。
私がこの絵から作り上げた「お話」は、彼女の名前は Sieglinde である。きわめてゲルマン的名前であり、ワグナーが人妻に産ませた子ではあるまいし、19世紀初頭にこんな名前を付ける親がどれだけいたろうかとおもうが。それはともかく後半が Linde になっており、彼のリンデンバウムへの強い愛着と語呂は合う。男は Mathias でも Markus でも何でも良い。少なくとも西欧の求愛行動から考えて、大きな字が彼女のイニシャルであり、その”S”に抱かれるような小さい文字が彼女にひざまずく男のイニシャルであるのは間違いないというのが私の先入観であるが。
後記:その後ひょっとしたら、”S”に見えていたのは、ハート・マークかもしれないとも思うようになった。するとMは女の名前となるが、いくらでもある。マリア、マルガレーテ、マグダレーナ、マルテ、マリーナでもよい。
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