ヘ短調作品34

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カーリングについて

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私は流行の先端を行ったことがない。若い頃ジェームス・ディーンのファンになったかと思ったら、彼は自動車事故で急死し、ブルース・リーにいたっては彼が死んでからカンフー映画を見始め、遅ればせながら彼のファンの一人になった。世俗のことに疎いというと聞こえがよいが、ただ反応が鈍いだけのことである。人一倍先端を行きたいという気はあるのである。ただ流行は繰り返すものであるから、時代遅れであってもいつかは、流行の最先端を行くことがあるだろうとうそぶいている。

今回の冬季オリンピックで登場した競技も見知らぬのが多かった。同じ世代の老人でも実に良く新競技をフォロウしているのもいる。ただ一度だけ私が普通以上に知りうる可能性のあった競技がある。それは今回不振を極めた日本選手のなかで唯一日本人を慰めてくれたカーリングという競技である。

私は四半世紀前にカナダに滞在していた。休日に家族とひなびた景色を眺めながらドライブを楽しんでいたのだが、人気のない野原にポツンと立っていた不思議な建物を見かけた。長細い建物で、高くそびえる穀物の貯蔵庫ではないし、牛を飼うには狭すぎるし、密閉されている。臭いもない。一定容積を確保するにはもっとも不経済な建物である。不思議に思いながらもそこを通り過ぎた。

その後長野の冬季オリンピックで、体格的に劣る日本人選手が結構活躍したカーリングという競技を見て、長細い建物が村のカーリング場であったことを悟ったのである。もしカナダ滞在中にこの競技を知っていたら、得意げに講釈できたものをと思った次第である。またしても流行の先端を逃してしまった。さて次回流行の先端を行くには何がいいだろうか。

日本は、カナダのように人口を上回る数の湖水があるわけではなく、それほど寒くもなく、電気代がべらぼうに高い国である。でもその日本の選手が今回決勝進出はならなかったものの、常勝カナダに勝ったのである。この競技は囲碁のような知的競技であり、なによりも茶道のように姿勢が美しい。伝統はないが、日本選手の将来性を期待した次第である。


なお私のように衒学的で講釈趣味のある人は、カーリングの語源について気を付けた方がいいようである。ウェブでの解説ではほとんどが、カールする(曲がる)からカーリングと解説されている。「オッホン教養のない人はそう思っているようだが」というと座が白けるかもしれないが、専門家によればカール由来説は誤った俗説だそうである。

OEDも外見上はカールと関係があるようだがとお茶を濁している。Wikipedia もカールするからカーリングではないとしている。そういわれれば、ケルト系のスコットランドから発生した競技である。とすれば、「教養人」は気を付けなければいけない。どうでもいいや、語源なんて記憶術の一つだと割り切れば、「カールするからカーリング」という説は非常に記憶しやすい。


絵はブルーゲルによる「雪の上の狩人」の絵の一部に描かれてある湖上の遊技で、カーリングをしている人がいる。雪が降っていないので、ほうきのようなものを使っている人がいない。昔のカーリングでは雪のない時にはほうきを使わなかったのである。いつ頃から雪も降っていないのにほうきを使うようになったのであろう。それはともかく、全体は下をクリックされると良い。

http://sunsite.icm.edu.pl/cjackson/bruegel1/p-brueg1-5.htm

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