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Le ciel est par dessus....
Le ciel est, par-dessus le toit,
Si beau, si calme!
Un arbre, par-dessus le toit,
Berce sa palme.
La cloche, dans le ciel qu'on voit,
Doucement tinte,
Un oiseau sur l'arbre qu'on voit,
Chante sa plainte.
Mon Dieu, mon Dieu, la vie est là,
Simple et tranquille.
Cette paisible rumeur-là
Vient de la ville.
-Qu'as-tu fait, ô toi que voilà
Pleurant sans cesse,
Dis, qu'as-tu fait, toi que voilà,
De ta jeunesse?
Verlaine
屋根の上に
屋根の上に 空があり
あんなにも青く あんなにも静かです!
屋根の上に 木があって
その枝をゆすっています。
主よ、主よ、彼方に生活があります
簡素で 穏やかな
その静かな物音は
町からやってきます
一体お前が何をしたのでしょう
彼方にいた時のお前は
たえず涙にむせびながら
言ってごらん お前は何をしたのでしょう
むこうにいたときのお前は
お前の青春に?
饗庭孝男訳 東京書籍
The sky, above the roof....
The sky, above the roof,
Is so fair, so calm!
A tree, above the roof,
Cradles its every palm.
The bell in the sky I watch
Sweetly rings
A bird on the tree I watch
Mournfully sings.
My Lord, my Lord, a life is there,
Simple and serene
The street murmurs out there
Mild, peaceful e’en..
What have you done there?
You’re tearfully sad.
Say! What have you done there?
You’re already a lad.
Verlaine
ヴェルレーヌがランボーを傷つけ2年ばかり獄中にいたことが関係しているというのがポピュラーな解釈らしい。一応獄中の作と解釈して訳し、絵を選んでみた。この詩多くの人が付曲している。有名なところではフォーレ、イギリス人のベンジャミン・ブリテンである。私はフォーレのメロディーのCDはもっていないに等しい。
ブリテンがヴェルレーヌの詩を好んで付曲するのは、同性愛者としての連帯感からというより、ヴェルレーヌの詩が音楽的で作曲家の挑戦意欲をかきたてるからであろう。作曲者は全部で10人を超える。その中にヴォーン・ウィリアムスもいるが、彼の場合は英訳詩の付曲である。一度この英訳をみてみたい。
饗庭孝男氏の見事な日本語訳を横目にみながら原詩を解読した。ドイツ語もフランス語も私には同程度に難しいが、フランス語の場合、とくに気をつけなければいけないことがある。ノルマン人のイギリス征服後、英語にはフランス語が多い。フランス語を英訳するとき連想が楽だから、ついフランス経由の言葉を使いたくなる。
大昔私が外国で英会話学校に通っていたとき、いい英語を心がけるならラテン起源の言葉を排除することだと言われた。これは他の人からもいわれた。たとえば invincible という言葉を使ったら、unconquerable というべきだと言われた。和歌に漢語をつかうようなものであろうか。よほど特別な効果をねらった場合のみに限られるのだろう。
フランス語の韻文を英語の韻文に直すだけでも大変なのに、語彙からラテン起源の言葉を排除しなければいけないとなるとこれまた難儀なことである。
なお最後の詩節は怒られても仕方がないだろう。私の限界である。
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