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今と届いたばかりの「今日の詩」はまたエミリーの詩だ。発表する気のなかった人の詩を発表する人もどうかと思うが、すぐに取り上げる私もどうかしている。意味はあの世で彼女にあって聞くほかはない。直訳しておいた。 I found the phrase to every thought I found the phrase to every thought I ever had, but one; And that defies me,--as a hand Did try to chalk the sun To races nurtured in the dark;-- How would your own begin? Can blaze be done in cochineal, Or noon in mazarine? Emily Dickinson 私は思いついたことはすべて 私は思いついたことはすべて 表現できたが、ただ一つ 途方もない事が − まるで 太陽が暗闇から出発して 走るのをチョークで描く − あなただったらどうする? 朝の炎はコチニール 真昼はマザリィーンにする? エメリー・ディキンソン すべてのデータ・ベースでは mazarin となっているが、現在では mazarine が正しいので修正しておいた。19世紀ではこう綴ったのかもしれないが、辞書にまったく載っていない言葉はどうかと思う。エミリーが間違えたのか、入力者が間違えたのか知らないが、コピー・ペイスト時代ではありがちである。 なおコチニールは鮮紅色、マザリィーンは濃い紺色である、バラッド形式と脚韻の関係でマザリィーンが選ばれたのであろう。
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2007年06月13日
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今日はフリードリヒ・リュッケルトの「棘のせいで(仮題)」である。リュッケルトは作曲家に愛好され、歌曲になったが、この詩は誰も作曲してないようである。 バラは棘があるから自身を守り、花を咲かせてられるというのでは面白くない。リュッケルトは一ひねりして、彼独特の生態系理論を展開した。棘のおかげでバラはナイチンゲールの歌が楽しめる。だからバラの花は咲くのだそうである。 Ursprung der Rose Den Rosenzweig benagt ein Lämmchen auf der Weide, Es tuts nur sich zur Lust, es tuts nicht ihm zuleide. Dafür hat Rosendorn dem Lämmchen abgezwackt Ein Flöckchen Wolle nur; es ward davon nicht nackt. Das Flöckchen hielt der Dorn in scharfen Fingern fest; Da kam die Nachtigall und wollte baun ihr Nest. Sie sprach: "Tu auf die Hand und gib das Flöckchen mir, Und ist mein Nest gebaut, sing ich zum Danke Dir. Er gab, sie nahm und baut, und als sie nun gesungen, Da ist am Rosendorn vor Lust die Ros entsprungen! Friedrich Rückert 棘のおかげ 牧場の子羊はバラの枝をかじるが 食べたいからで、苦しくはない。 バラの棘が子羊から得るものは 毛クズ。でも子羊は裸にならない。 棘は鋭い指で毛クズを握り締める。 ナイチンゲールはここで巣を作る。 鳥はいう。「手にしている手クズをくれたまえ 巣ができたら、君に感謝して歌うよ」 バラは与え、鳥は受け取り、歌う だからバラは喜んで棘から咲き出る! フリードリヒ・リュッケルト
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37.ヘルツォーゲンベルクからブラームスへ [ライプツィッヒ]、1878年4月9日 親愛なる友へ われらのホルシュタイン(1)の病状は急速に悪化しています。せいぜい二、三週間保てばよい方です。彼は絶え間ない苦しみにさいなまれております。医師は最初、胃の硬化、あとで癌と診断しました。しかし彼の精神は明晰です。周囲の人に対する心遣いを見ているのは苦痛です。彼は心の平安と勇気そのものです。私はこれほど感動的な最後を見たことはありません。遠くからであれ、近くからであれ、愛のしるしを感じたときに、この人の目が輝くのを知ったなら、あなたは彼に最後の言葉を贈りたくなるでしょう。彼はあなたに非常に忠実でした。親しい手紙を書いて頂けませんか。彼は仲間のうちで一番優れた人から哀悼の言葉を受けるべきです。 私たちはほとんど毎日見舞いに行って、数年前からその兆しがあった病気が恐るべき勢いで進行していくのを見続けました。彼の容貌は急に変化しました。昨日までは、話したがり、笑っては、いろんなことに興味を示しました。不幸な奥さん(2) は3週間前の診断の後ですっかり取り乱しました。彼の危篤が最初に確認されたそのときには、われわれが驚くほど気丈にしてみえたのに、彼の前では冷静さを失いました。今では、彼女は彼の感動的な態度ですっかり変容したみたいです。 家全体が休息するに相応しい美しい教会のようです。苦痛ははっきりと和らげられ、人の魂までつらぬく霊感のひらめきがあります。 私たちはあなたが彼のことが気がかりだと思いますので、またすぐにお知らせします。数日後には気が進まないのですが、私たちはライプツィッヒを離れます。別の所で用があるからですが、毎日知らせを受け取ることはできます。 私の妻からもあなたによろしくとのことです。 (2) ヘドウィク・フォン・ホルシュタイン旧姓ザロモン(Hedwig von Holstein geb. Salomon)(訳注2) 、彼女の素晴らしい人柄は、ヘレーネ・フォン・ヴェスケ(Helene von Vesque)は彼女をモデルにして小説「祝福された女(Eine Glückliche)」を書いた。 訳注: 1.フランツ・フォン・ホルシュタインは最終的にライプツィッヒに住みついた作曲家である。ライプツィッヒでは、メンデルスゾーンの呼びかけで、バッハ復活の運動がなされたが、彼もそれに努力した人物であり、ハインリッヒの盟友である。彼はバッハゆかりの聖トマス教会のカントールであったハルトマンの下で作曲技法を学び、バッハ協会やバッハ・フェラインの設立者の一人である。彼はこの書簡の後5月22日に他界している。当時の医師は胃腸病から最終的に癌と診断している。 2.彼女はエリーザベトの死後、彼女を追悼する会を催し、ハインリッヒに書簡を送っていることが、マックス・カルベックは序文eの最後で紹介している。彼女の人柄がしのばれる内容である。
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桜と日本人ですね。なぜか、三島由紀夫を思...

