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「今日の詩」はエメリー・ディキンソンの「自然は他の色に比べて」である。内容は他愛もないし、眉唾であるが、英語には見える。ワードでスペル・チェックしてみたら、ワードの辞書にない言葉が出てきた。さらに、こんな用法があるのかとOEDで調べてみたらあった。したがってれっきとした英語である。 最近選者が送って来るエミリーの詩をパスすることがあるが、ちょっと変わったことに気付いたので、韻律を調べてみた。私には初めての体験であったが、英語の詩で一般的な弱強格(iambic)ではなく、強弱格(trochaic)の詩であった。強弱格の詩は解説には載っていたが、意識したことはなかった。最初の音節にアクセントがつき、次の音節にはアクセントがつかない形式である。この詩が話題になるほどの珍しい詩かどうかはまだ調べていない。いずれにしても部屋に一人閉じこもって詩を書いていた彼女の詩。内容はつまらなくても、なかなかできない「言葉遊び」が仕込まれているか、調べてみる必要がありそうである。 Nature Rarer Uses Yellow Nature rarer uses yellow Than another hue; Saves she all of that for sunsets,-- Prodigal of blue, Spending scarlet like a woman, Yellow she affords Only scantly and selectly, Like a lover's words. Emily Dickinson. 自然は他の色に比べて 自然は他の色に比べて あまり黄色を使わない。 自然は日没にとっておく − 青を無駄遣いし 紅色を女のように使う 自然には黄色が充分あるのに 恋人の言葉のように 惜しみ選んで使う。 エメリー・ディキンソン アクセントのあるシラブルは太字で表記することにした。 Nature rarer uses yellow Than another hue; Saves she all of that for sunsets,-- Prodigal of blue, Spending scarlet like a woman,
Yellow she affords Only scantly and selectly, Like a lover's words. |
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2007年07月30日
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今日のドイツの詩はトラークルの「夢見るセバスチャン」の第10部「春」である。なんともイライラする春である。トラークルはいつもの調子で「暗き」と「影」という単語が登場するが、なにはともあれ、スミレと新緑がちょっぴり顔をのぞかせた。でも彼は春の詩人であろうか? Sebastian im Traum 10 Im Frühling Leise sank von dunklen Schritten der Schnee, Im Schatten des Baums Heben die rosigen Lider Liebende. Immer folgt den dunklen Rufen der Schiffer Stern und Nacht; Und die Ruder schlagen leise im Takt. Balde an verfallener Mauer blühen Die Veilchen, Ergrünt so stille die Schläfe des Einsamen. Trakl 夢見るセバスチャン 10 春 雪の暗き足音は次第に消え 樹の影に 薔薇色の瞼が愛想良く上げるが いまだ船員の暗き叫び声に従う 星と夜。 オールは静かに拍子を打つ。 スミレが崩れた城壁に 咲くと 孤独な男の眠りは新緑となる。 トラークル
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84.エリーザベト・フォン・ヘルツォーゲンベルクからブラームスへ 〔ライプツィッヒ〕1881年3月6日 親愛なる友へ これはまるでクリスマス・プレゼントの入った籠でした。わたしは一寸先も見えない吹雪の中をこの小包を抱えてN__さん夫婦ところへ飛んで行きましたが、ご夫婦は最初、訳が分からなかったのですが、子供のようにはしゃぎだしました。今までは彼らはわが家の楽譜棚を頼りにして稽古を始めていたのです。たしかにあなたのト単調四重奏は6ヶ月間消えていました。彼らはいまや財産家になりましたから、わが家から楽譜が消えることもないでしょう。おわかりでしょうが、わたしたちはご夫婦にお渡したもので得したのですよ。あなたがお許しになったから、二重奏形式の六重奏曲、リナルド、セレナードを持っておくことにしましたが、その代わりにわたしたちが持っていたニ長調をお譲りしました。わたしたちは日曜日にわたしたちの流儀で集まり、大喜びでイ長調を弾きまくりました。しばらく見ていませんでしたので、懐かしいものに会えて感傷的でした。 天界のコンサートを聴いておられるご友人はこの宝物をこよなく愛しておられたでしょう。わたしは申し訳ないとは思いません。あなたの無頓着な手からわたしたちの愛情あふれる保護のもとに移されるのですもの。 モーツアルトとケルビーニのレクイエムが入っていましたが、うっかりされたのではないですか。この楽譜が頂けたら、それは嬉しいので、あなたからこんなご返事があるまでは、わたしたちの所有物に敢えてするつもりはありません。 「ハインリッヒや元気をお出し、 プレッツェルをお取り、お前のものだよ」(訳注1) ‘Sei guten Mut, O Heinrich mein, Nimm diese Bretzen, sie sei Dein’
ではN__(彼らからはお手紙があるはずです)とわたしたちの名前で再度お礼申し上げます。取られた労とお示しくださった雅量に感謝いたします。
明日には楽しみがあります。ビューローのベートーベン・コンサートの指揮を聴きにハレに行きます。ハインツは一度見たくて興奮していますし、彼のピアノ演奏ほどではないでしょうが、わたしにも関心はあります。 さようなら。やはりカノンも送ってください。わたしたちはどんなにささやかな物にでも席を譲ります。「ミス」はレクイエムに感謝しています。彼女はN__夫妻同様に結局ドイツ語版を受け取りました。彼女は――いつものように――英語版を軽蔑しています。 E.ヘルツォーゲンベルクより 1. ウィルヘルム・ブッシュ(Wilhelm Busch)の「ずるいハインリッヒ( Der hinterlistige Heinrich)」から。彼の詩は夏の風呂屋で紹介した。エリーザベトも読んでいたくらいだから相当人気があったのであろう。 |

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桜と日本人ですね。なぜか、三島由紀夫を思...



