ヘ短調作品34

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薪の山 -- フロスト

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「今日の詩」は選者が送ってきたものではない。私が選んだフロストの詩集「ボストンの北」の「薪の山」である。雪の中沼地を散歩していた話者が、放置された「薪の山」を見つける。本来薮は暖炉にくべて家を温めるものである。この薪はその目的を果たすことなく腐食に任されているが、話者は、煙を出すことなく、寒い沼地を温めていたという感想を漏らす。フロストらしいエコロジカルな内容の詩である。この詩は脚韻にこだわっていた近代詩人フロストの散文詩である。一行十音節という制約を守ってはいる。


The Wood Piles

OUT walking in the frozen swamp one grey day
I paused and said, “I will turn back from here.
No, I will go on farther―and we shall see.”
The hard snow held me, save where now and then
One foot went down. The view was all in lines
Straight up and down of tall slim trees
Too much alike to mark or name a place by
So as to say for certain I was here
Or somewhere else: I was just far from home.
A small bird flew before me. He was careful
To put a tree between us when he lighted,
And say no word to tell me who he was
Who was so foolish as to think what he thought.
He thought that I was after him for a feather―
The white one in his tail; like one who takes
Everything said as personal to himself.
One flight out sideways would have undeceived him.
And then there was a pile of wood for which
I forgot him and let his little fear
Carry him off the way I might have gone,
Without so much as wishing him good-night.
He went behind it to make his last stand.
It was a cord of maple, cut and split
And piled―and measured, four by four by eight.
And not another like it could I see.
No runner tracks in this year’s snow looped near it.
And it was older sure than this year’s cutting,
Or even last year’s or the year’s before.
The wood was grey and the bark warping off it
And the pile somewhat sunken. Clematis
Had wound strings round and round it like a bundle.
What held it though on one side was a tree
Still growing, and on one a stake and prop,
These latter about to fall. I thought that only
Someone who lived in turning to fresh tasks
Could so forget his handiwork on which
He spent himself, the labour of his axe,
And leave it there far from a useful fireplace
To warm the frozen swamp as best it could
With the slow smokeless burning of decay.

Frost


薪の山

曇ったある日、凍った沼地を歩きながら
僕は立ち止まり、呟いた「ここで帰ろう。
いや、もう少し行こう − 会うことにしよう」
僕は雪にとらわれ、一フィート時折進むのが
やっとだった。あたりの光景を見ると
高くて細い木の列があちこちにあり
あまりにも似ていて、僕がここやあそこに
いたという証拠を残す印や名前を
刻むわけにはいかない。家からは遠かった。
小さな鳥は一羽前に飛んできた。用心深く
中間の木を選んで舞い降り、無言のまま
自分の正体を明らかにしなかったし
僕は馬鹿だから、鳥の考えを思いもしなかった。
鳥は僕が羽を取りにきたと思った −
しっぽの白い羽である。言われたことは何事も
自分の事だと思い込む人のようだ。
もう少し横に降りていたら疑いは晴れたはずだ。
材木が積んであり、僕は鳥に気を使うのを忘れ
それで鳥を怖がらせてしまい
お休みとなさいと言いたかったのに
僕が進んだかもしれない道から飛び去り
材木の後ろに隠れ、最後の陣地にした。
それはカエデの木で一コードに割られ
積んであった − 4×4×8フィートの寸法だった。
これ以外にこのようなのは見つからなかった。
今年の雪に足跡は周囲に残されていなかった。
今年より以前の切断であることは確かであり
昨年か、その前年であろう。
木は灰色で、樹皮はそり
積木は多少崩れていた。クレマチスの蔓が
束のようにぐるぐる巻きついていた。
材木の山を一方で支えていたのは樹で
まだ成長しており、もう一方は柵で
今にも崩れそうだった。僕は考えたが
誰かが新しい仕事に取り掛かり
この手間暇費やした手作業
斧の労力を忘れてしまい
暖炉から遠く離れた場所に放置し
腐食という煙の出ない緩慢な燃焼で
最善の方法で凍った沼地を温めたのだ。

フロスト

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今日のドイツの詩はトラークルの「夢見るセバスチャン」の第12部「メンヒスベルクにて」である。トラークルは生後18年間ザルツブルグで生活したので、ザルツブルグを見下ろす修道院の山メンヒスベルクに登ったはずである。おそらくそのときの記憶を指示したものと思われる。

Sebastian im Traum 12

Am Mönchsberg

Wo im Schatten herbstlicher Ulmen der verfallene Pfad hinabsinkt,
Ferne den Hütten von Laub, schlafenden Hirten,
Immer folgt dem Wandrer die dunkle Gestalt der Kühle

Über knöchernen Steg, die hyazinthene Stimme des Knaben,
Leise sagend die vergessene Legende des Walds,
Sanfter ein Krankes nun die wilde Klage des Bruders.

Also rührt ein spärliches Grün das Knie des Fremdlings,
Das versteinerte Haupt;
Näher rauscht der blaue Quell die Klage der Frauen.

Trakl


夢見るセバスティアン12

メンヒスベルクにて

秋のニレの木陰に崩れた小道が下るところ
葉の小屋から離れて眠る羊飼いたち
冷気の暗き姿がさらに放浪者を追う。

痩せた道に少年のヒヤシンスの声
静かに歌う森の忘れられし伝説。
穏やかに仲間の激しい悲歌を歌う病人。

わずかな緑が触る旅人の膝
硬き頭。
青き泉の囁きは女の悲鳴を想わせる。

トラークル

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86.ブラームスからヘルツォーゲンベルクへ

ローマ、1881年4月

 親愛なる友へ

 私はシシリーから戻ったところです。短いお手紙を差し上げなくてなりません。鉄のペン(1)では私の書く気がそがれます。勝手が分からなくて書けません。同封物をフリッチュに見せてくれましたか。回答は印刷されますから、いずれ送ることができます(2)。いうまでもなく、私はここで非常に愉快な日々を過ごしています。私の手紙はフリッチュが彼の新聞にのせると思います。同じ内容になったらすみません(3)。

  シエナではお手紙を受け取りました。ありがとうございました。帰る途中にまたそこに立ち寄るつもりです。しかし、なにもかも未決定ですので、――それが私の好みですが、――お手紙をお願いするわけにはいきません。私の動きは私の気まぐれと天気と呼び物しだいで決まります。

 さて今日のところはフリッチュ事件に決着をつけることでよしとしましょう。また、私がときどきあなた方のことを考えておりますし、長いお手紙も好きであることを保証しますので、安心していただきたいと思います。それはもちろんのことです。

いつまでもあなたのJ.Br.より



(1) ブラームスは自分で削った羽ペンを使っていた。

(2) Musikalisches Wochenblatt の編集者への新しいカノンの原稿。書簡81と書簡82。ブラームスの解は公表されることはなかった。

(3) これは額面どおりには受け取れない。彼は旅行記を送っていないし、手紙の転送も断っていたからである。

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