ヘ短調作品34

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原文はThe Code

守るべきこと

牧草地の小川の辺りの三人
乾草を集め、干し草の山を積み上げていた
常に西の方に目をやる
不揃いの雲が太陽に縁どられ
表面にちらつく短剣を持ちながら
ひそかに進んだ。突然手伝いが
熊手を地面に突き刺し
牧草地から家に帰った。一人は残った。
町で育った農場主は理解できなかった。

「何が気に入らないのだろう?」

「何か言いなさったでしょう」

「私が何か言った?」

「わたしらの苦労について」

「干し草積みが? − 雨が降りそうだから?
半時間以上も前の話だし
君達だけではなく、私自身にも言ったことだ」

「ご存じないが、ジェームスは大馬鹿野郎です。
あなたが奴の仕事ぶりに不満があると思ったのです。
普通の人なら誰でも思いますがね。
ジェームスは行動までに時間がかかる
男です。ようやく行動したのです」

「そんな風に取るとは奴も馬鹿だ」

「考えてもしょうがない。すこし分かったでしょうが。
仕事がわかっている雇人なら言いませんぜ
もっと手際よくとか早くとか − この二つは
俺も他の人と同じように難しい人間だから。
おそらくわしも同じようにしたと思います。
でもわしらのやり方をご存知じゃない。
あなたは思っていることをそのまま話しますが
大抵はわしらの考えることと同じで、ヒントを出しません。
昔あったことをお話ししましょう。
ここへ来る前にセーラムで仕事をしていました
ボスはサンダースといい四、五人とで
干し草積みをしていました。この人は好かれてはいませんでした。
スポーツマンがクモと呼ぶたぐいで
針金のような手と足をして
筋肉はまるでビスケット・マットみたいに隆々としていました。
だが働く!この男は働けた。特に
働き出すと雇った手伝いを抜いて
もっと働いた。わしが見た限り
この男はいつも − 自分のためではなく
日光もランプの光も同じことでしたぜ。
一晩中小屋でゴソゴソ働くのを聞いたものです。
この男が得意なのは、自分は先頭には立たないで
連中を働かせる役ですよ。うしろからみんなを
追い立てました。草刈りで出来る方法で −
後から仲間の足を刈るようにするのです。
この男のブルのやり口をさんざん見ましたぜ
(これをブルと言います)。よく観察しましたぜ。
この男とわしが干し草畑で組になり
干し草を積むときでしたが、くずれそうでした。
わしは荷をへらして、上の方をへらそうとしました。サンダースは
熊手で上をすき落として「オーケー」と言いました。
すべて順調に行って、たくさん取って
草畑を空っぽにして納屋にもどりやした。
分かりやしたか?ようするに
上にいる男が干し草をおおざっぱに
投げてころがすのがかんたんなのでさ。
草刈で草を積むのが遅くても
こんな場合には、仲間がせかすことを
考えなくてもいいのでさ。
でも老いぼれの馬鹿は両手に熊手をもって
ほおひげ生やしおって下から見あげ
将校みたいに大声で『したに下ろせ!』叫びますぜ。
どう思います?『何をいったかね?』
まちがいないように大声でいいましたぜ。
『あんたは下ろせといったのかい?』『そうだ下ろせ』
あいつはくりかえしましたが、言葉はていねいでしたぜ。
決して男にそんな口をきいてはいけませんぜ
たとえ自分に自信がない奴でも。わしはあの男の
大事なものをうっかりして殺すとこでしたよ。
わしは干し草を積み、場所を知っていました。
考えながら、まわりから熊手にして二、三杯
つまみ上げ、それからガバッとすくい、ラック一杯
どさりと分あの男に投げてしまいました。
わしはホコリだらけの方を見ましたら
あの男が頭を出そうと立ち泳ぎのような格好
しているのを見たものです。『ワーあんたに!』
あの男は踏まれたねずみのような声を上げました。
あの男を見たのも聞いたのもあれが最後でした。
わしはラックを拭き、涼むために外に出かけた。
わしが首すじのゴミをふいて
聞かれるのを多少待っていましたがね
わかいものが一人大声で『あの人はどこ?』と言いました。
『納屋の干し草の下に置いてきた。
お前が会いたければ、行って掘り出したらいい』
わしがいつもより首すじをきれいに
拭いているので、連中は何かが起こったと感じました。
連中は納屋に向かいました。わしは残りました。
連中はあとで言いました。まず熊手で草をぜんぶ掘りおこし
納屋の床まで見ました。何もない。音一つない。
思いますのに、連中は、わしがあの男を
うめる前にさしたか、うまくやれなかったと思ったんでしょう。
連中はさらに掘りました。『カミさんを納屋に
入れるな』 窓に行き外を見たのもいました。
実はあの男は台所にいました。この夏一番暑い日に
だらりと両足をかまどに突き出していました。
でなければみなはわしを罵ったでしょう。
うしろから見ると、あの男はゾッとするほどきれいで
あの男を起こそうとか、会いにきたことを知らせよう
とかするものは誰もいませんでしたよ。これで
わしがあの男を草の中に埋めなかったことになりました。
(わしがあの男を打ちのめしたのでしょうが)
わしに埋められたことで傷ついたのでしょう。
わしとは会わないところに行ってしまいました。
午後には会おうとはしませんでした。
わしらはあの男の干し草を直しました。みな出て行くのを見ました。
しばらくして庭のエンドウを摘み
何かをしたいようでした」

「彼が死んでいなくてホッとしたかい?」

「いや!分かりません ― どういったらいいか。
わしは見事あの男を殺しかけたのですよ」

「きみはヘマをしたけど彼は許してくれたかい?」

「許したかって?わしがしたことをあの男はちゃんと理解していますよ」

フロスト

本 -- ヘッセ

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用のドイツの詩はヘルマン・ヘッセの「本」である。若いころ、神学校をドロップアウトしたヘッセは本屋の店員になったことがある。今日の詩は教養小説の本場ドイツの詩人ならではの内容である。形式は見事だが、内容は目新しくもなく、面白くない。内容に拍手を送ることはできない。ここは後にノーベル賞を受賞したヘッセの名声と権威に対して拍手を送ることにしよう。

Bücher

Alle Bücher dieser Welt
Bringen dir kein Glück,
Doch sie weisen dich geheim
In dich selbst zurück.

Dort ist alles, was du brauchst,
Sonne, Stern und Mond,
Denn das Licht, danach du frugst,
In dir selber wohnt.

Weisheit, die du lang gesucht
In den Bücherein,
Leuchtet jetzt aus jedem Blatt —
Denn nun ist sie dein.

Hesse




地球以上のいかなる本も
君に幸運をもたらさず
君自身に静かに
差し戻すのみである。

そこにこそ君が必要とする
全てがある、太陽、星、月
なぜなら君が求めてきた光は
君自身に存在するからである。

君が久しく文献に
探し求めた知識が
あらゆる文面に輝けば −
知識は君の物となる。

ヘッセ

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95.エリーザベト・フォン・ヘルツォーゲンベルクからブラームスへ

〔ライプツィッヒ、1881年11月14日〕

 ご報告しますが、わたしはこちらで一日中「ネーニー」を弾いていました。中断はありましたが、ひたすら退屈な日曜日を彼女のためにささげました。「ネーニー」は今わたしの一番の仲良しです。記憶と想像で弾いています。韻律に完全に合った音節に夢中になっています。あなたにお使えした6拍子のメトロノームに賛美の聖歌を唄い、あなたがさらに殖やしてくださった財産で大喜びしています。「ネーニー」はたんに聴いて、演奏したというだけではなく、体験といえるものです。あなたのくつろいだカールス・シュトラーセで最初に弾いてくださったのがよかったと思います。あの妙なる最初の印象はつぎつぎに聴いてもいつまでも残るでしょう。たとえ、ゲバントハウス(1)で演奏されなくても、わたしたち二人はそれをすでに聴いて知っているような気持ちになります。わたしたちが写して一、二度演奏したのがよかったのです。なんと生々しく記憶に残っているのでしょう。それぞれのパーツと見事に統一された全体。選ぶのに困ってしまいます。――でも、へ音の甘いアフロディテのパート、「猪が裂いた」のうっとりするような音節、女神が海から出るときの、波の三連音符、嬰へ音の素晴らしい変化、神々のシンコペイトされた嘆き、「美しきものが滅びることで(Dass das Schone vergehet )の歌詞での息もつかぬサスペンス。ここで静まります。いろいろ言いたくなりますが、とりわけ幸せな最後。ここはあらゆる賞賛を受けて当然です。違う声が登場するたびにぞくぞくします。見事に上り詰めて、ドミナントで留まります。
{楽譜挿入}
 「愛する者の口に(im Mund der Geliebten)」の歌詞のところで、さらに爽快な効果でニ短調に転じます。(みな間違っていると思います。わたしはこの場所をよく知りません。でもわたしの言っていることがお分りでしょう。これが素晴らしいことには賛成してくださるでしょう)。この低音部のへ音が勝利です。

 さようなら、親愛なる方。わたしたちの間違いがあってもこんな美しい曲になったとすれば、あなたはなんと素晴らしい方なのでしょう。

 このうんざりする世の中で、多くの人幸せをもたらされたなら、あなたの心は慰められるはずです。でも、わたしほどの幸せを受ける人はほとんどいないはずです。

 忠実で淑やかなあなたのヘルツォーゲンベルゲより



(1) 委員会はピアノ・コンチェルトの公演を決定し、ブラームスは1882年の1月1日に演奏した。

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