ヘ短調作品34

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「今日の詩」はキーツの「ソネットに」というソネットである。シェイクスピアやスペンサー以来の伝統に梗塞感を抱いたのか、キーツはソネットの解放を訴える詩を書いたようだ。この詩自体は14行の詩であるから、ソネットの基本条件は満たしている。だが伝統的な形式美はないようである。ロマン派の若き旗手であるキーツが自ら実践した自由なソネットであろうか。当時の典型的な詩と比較してみなければわからない。


Sonnet: On The Sonnet

If by dull rhymes our English must be chain'd,
And, like Andromeda, the Sonnet sweet
Fetter'd, in spite of pained loveliness,
Let us find, if we must be constrain'd,
Sandals more interwoven and complete
To fit the naked foot of Poesy:
Let us inspect the Lyre, and weigh the stress
Of every chord, and see what may be gain'd
By ear industrious, and attention meet;
Misers of sound and syllable, no less
Than Midas of his coinage, let us be
Jealous of dead leaves in the bay wreath crown;
So, if we may not let the Muse be free,
She will be bound with garlands of her own.

John Keats


ソネット「ソネットに」

われらの英語が退屈な韻で繋がれ
アンドロメダのように美しいソネットが
美しくても足かせで苦しそうであり
もしわれらが拘束されるなら
上手に編み上げた上等なサンダルを見つけ
裸足の詩にぴったり合うようにしよう。
熱心に聴き、注意を集中させ
竪琴を調べ、弦の強さを測り
その効果を判断しよう。
音や音節をケチる者はまさに
金貨鋳造のミダス王、だから
月桂冠の枯れ葉をうらやもう。
ミューズが自由でなかったら
彼女の花輪で縛られてしまう。

キーツ

アフラ -- トラークル

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今日のドイツの詩はトラークルの詩集「孤独者の秋」の「アフラ」である。アフラというのは殉教した聖女の名前であるが、今日の詩には「修道士」が登場するのでテーマは「死」であろう。不気味な秋の詩である。

Afra

Ein Kind mit braunem Haar. Gebet und Amen
Verdunkeln still die abendliche Kühle
Und Afras Lächeln rot in gelbem Rahmen
Von Sonnenblumen, Angst und grauer Schwüle.

Gehüllt in blauen Mantel sah vor Zeiten
Der Mönch sie fromm gemalt an Kirchenfenstern;
Das will in Schmerzen freundlich noch geleiten,
Wenn ihre Sterne durch sein Blut gespenstern.

Herbstuntergang; und des Hollunders Schweigen.
Die Stirne rührt des Wassers blaue Regung,
Ein härnes Tuch gelegt auf eine Bahre.

Verfaulte Früchte fallen von den Zweigen;
Unsäglich ist der Vögel Flug, Begegnung
Mit Sterbenden; dem folgen dunkle Jahre

Trakl

アフラ

褐色の髪の毛の子供。祈りとアーメンが
静かに闇にする夕暮の冷気と
黄色の向日葵を縁にしたアフラの
赤き微笑と恐怖と蒸す暑気。

青きコートに身を包みて、修道士は眺める
以前教会の窓に描かれたる彼女を。
彼女の星が彼の血液に取りつきしとき
窓は親しげに苦痛へと連れ添う。

秋の凋落。ニワトコの沈黙
水の青き動きに眉が動く。
髪で織りたる布が架台におかれる。

腐朽した果実は枝より落ちる。
えもいえぬ鳥の飛行、死に瀕したる者との
出会い。これに続くは暗き年。

トラークル

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103.エリーザベト・フォン・ヘルツォーゲンベルクからブラームスへ

〔ライプツィッヒ〕1882年3月15日

 親愛なる友へ

 急いでお伝えしなければなりません。昨日はまことに見事でした。これほど見事に演奏されたあなたの曲を聴くのは初めてです。その本当の効果をかいま見たのはあなたが指揮された初演です。それ以降の演奏は気のない無表情な解釈でした。たとえあなたが来演されたとしても、あの短いリハーサルからどれだけを引き出せたでしょう。今回は感覚に訴える音の美があり、聴き所はすべて充分効果的でした。全体にわたって真の熱狂の輝きがあり、それが充分に伝わったのか、このゲバントハウスの聴衆ですらほっとさせました。ハ短調の最後では夢中になりました。騒ぎが大きく、これがいつもと同じ人たちが座っているゲバントハウスなのだろうかとは思いました。いつもは、とりすました嫌味な女とやっと十代をすぎた連中が優勢でしたが、今回は違いました。普通はゲバントハウスには来ない若い聴衆や年輩の人たちがあらたにいました。全員が楽章ごとに強い魔法にかけられていき、全身を緊張させ、ところどころで嬉しそうに微笑み、― ようするに、だれかとキスしたくなるぐらいに魅力的かつ感動的でした。変イ調のアレグレット(1)が比較的拍手が少なかったので、ビューローは早速繰り返しました。すると溢れんばかりの拍手でした。わたしたちはみな一緒にいて良かったのです。エセル(2)、わたしたち三人、熱狂的なロイス(3)、ベツォルトとエンゲルマン夫妻、ヴァッハ夫妻(4)、フラウ・ホルシュタイン(5)。わたしたちはまるで異教徒みたいに大騒ぎし、兄(6)は気が狂ったように大声でアンコールを叫び、全曲それとも最終楽章のアンコールが希望なのか聞いても答えませんでした。わたしたちはみな子供のようでした。全員がついに本物を手にしたと感じました。昨晩ほどビューローが印象的であったのは初めてです。ニ短調協奏曲の伴奏は文字通り完璧でした。私の好きな部分の多くがきちんと表現されました。ところが、第一楽章のへ長調の主題の解釈は単純性と広がりと熱意に欠けるものでした。同じ人物のピアノ・パートの演奏がこうも違うのかと記憶しています。いつもここのクレッセンドとディミヌエンドがはるか遠くにあるように感じました。オーケストラは全員が完全に自然な印象を与えました。彼のテクニックも精彩がありませんでした。彼の演奏した一連のオクターブ・トリルは音量も技巧もあなたの半分程度でした。アダージオが一番良かったと思います。全体として、彼が昨日わたしたちにアピールしたことはたしかです。わたしたちは大変満足しました。あなたの音楽にたいする彼の真正の限りない傾倒は明らかでした。でもここでは大変稀なことなので、見ず知らずの人たちと生活した後で友人たちと一緒になったような気がしました。ご存じのように、(何度も繰り返したくないのですが)あなたの音楽は空気や光や熱のようにわれわれの存在にとって不可欠なものです。考えられないでしょうが、生気のない音楽家に愛情と熱意を捧げる必要がなくなり、われわれの生活と労働に貢献してくれる人が、接近不可能でなくなり、無縁でなくなったとわたしたちは思いますが、これはなんと嬉しいことでしょう。昨日、最終楽章で、ホルンが初めて鳴ったとき、あなたが遠くから栄誉ある挨拶を送って来られたように思われました。はい、あなたは一聴衆ではありませんでした。本当に可哀想でした。

 拝見したところ、ビューローは上機嫌でしたが、あなたがいないのでぎょっとしていました。コンサートの前には彼を興奮させないように彼の手落ちだとは言えませんでしたし、後ではその機会がありませんでした。わたしたちは彼に礼を言いましたが、彼には客がいたのでそれ以上は言いませんでした。小さな個室で、キルヒナー夫妻、ヴァッハ夫妻、ふとっちょさんとエセルとで、あなたの健康を祝して乾杯しました。飛び回った批評から、あなたの音楽がわれわれの心に深く、深く根を下ろしたことを悟られたことでしょう。ヴァッハ夫妻も真の傾倒者です。ふとっちょさん、つまり私の兄からも伝言があります。Tonkunstlerverein(作曲家協会)であなたに挨拶できなかったのは、あなたが取り囲まれていて、割り込めなかったからだとのことです。よく喩えられるように、彼のサイズに反比例して、はにかみ屋で、可愛くて謙虚な人です。ではさようなら。ハインツはあなたのお許しがあれば、あなたを抱きしめたいとのことです。昨日彼は幸福そのものでした。

いつまでもあなたのE.H.より



 第一楽章(7)のコーダの可愛い嬰ロ短調の前に来るスタッカートの楽節は驚くほど効果的でした。鋭く、明快で、こんなのはここでは聞いたことありませんでした。第二主題のすぐ後に来るピッチカート{音符}も一級品でした(8)。エネルギッシュな楽節は最後まで見事に演奏されました。ただ難を言えば、最終楽章の導入部のストリンジェントに続くあの素晴らしい獅子のほえるような低音部です。あなたは壮大に演奏しましたが、彼はその半分も圧力をかけませんでした。ストリンジェント自体は素晴らしいものでした。アダージオでは自分のところのオーボエ奏者がいいと思いました。彼のサステインド嬰ト音(9)は違います。彼はもっと芸術的に演奏します。でもマイニンゲンのクラリネット奏者(10)は偉大でした。







(1)交響曲の第三楽章。

(2)エセル・スマイス。

(3) ハインリッヒ26世、ロイス・コステリッツ公。作曲家として知られ、ハインリッヒの弟子。

(4)アドルフ・ヴァッハ(1843−)、高名な法律家でメンデルスゾーンの娘婿。1875年以来ライプツィッヒ大学の教授。

(5)ヘドウィク・フォン・ホルシュタイン。

(6)エルンスト・フォン・シュトックハウゼン。

(7)ハ短調交響曲。

(8)これは誤りである。この楽節(総譜の11ページの第2小節)は次のようである。

{楽譜挿入}

col arco が付いてビオラが最初に来ている。一方他の弦はピッチカートで合わせている。

(9)総譜の29ページ。

(10)リヒアルト・ミュールフェルト、有名なクラリネット奏者。ブラームスは後にクラリネットの室内楽を彼のために作曲している。

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