ヘ短調作品34

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「今日の詩」はトマス・ハーディーの”The Convergence of the Twain”である。「両者の出会い」を仮題にしておこう。1912年8月12日のタイタニック号事件を題材にしている。事件の原因について諸説あるが、私は過去に二本のハリウッド映画を見ているだけで詳しくはない。今回の詩は11詩節からなり、[a, a, a]の構成である。今回の訳詩はOEDまで動員したものの、いつも以上に自信がない。

ハーディーは豪華客船と氷山は双子の兄弟であり、衝突を兄弟の運命的な再会として捉えている。彼は晩年心霊主義に凝ったそうだが、この詩を読むとそうかなと思われる。

上の写真の氷山がおそらくタイタニック号と「出会った氷山」であろうとされている。


The Convergence of the Twain

I

In a solitude of the sea
Deep from human vanity,
And the Pride of Life that planned her, stilly couches she.

II

Steel chambers, late the pyres
Of her salamandrine fires,
Cold currents thrid, and turn to rhythmic tidal lyres.

III

Over the mirrors meant
To glass the opulent
The sea-worm crawls -- grotesque, slimed, dumb, indifferent.

IV

Jewels in joy designed
To ravish the sensuous mind
Lie lightless, all their sparkles bleared and black and blind.

V

Dim moon-eyed fishes near
Gaze at the gilded gear
And query: "What does this vaingloriousness down here?". . .

VI

Well: while was fashioning
This creature of cleaving wing,
The Immanent Will that stirs and urges everything

VII

Prepared a sinister mate
For her -- so gaily great --
A Shape of Ice, for the time fat and dissociate.

VIII

And as the smart ship grew
In stature, grace, and hue
In shadowy silent distance grew the Iceberg too.

IX

Alien they seemed to be:
No mortal eye could see
The intimate welding of their later history.

X

Or sign that they were bent
By paths coincident
On being anon twin halves of one August event,

XI

Till the Spinner of the Years
Said "Now!" And each one hears,
And consummation comes, and jars two hemispheres.

Thomas Hardy


両者の出会い

I

海に独り
高慢と虚飾から遠くに
船は横たわる。

II

鋼鉄の船室、嘗ては
サラマンダーの炎を防いだが
冷たい潮流をくぐり、潮の竪琴のリズムを聴く。

III

豪奢を写す
鏡の上を這う
海の虫 ― 無言で不活発、ぬるぬるして不気味。

IV

感性を虜にした
華やぐ意匠の宝石も沈み
光を失い、輝きは翳み、黒く、見えない。

V

魚が暗い目を光らせ
金色に輝く調度を眺め
訊く「なぜこんな偉そうなのが降りてきた?」

VI

波を切って進む船は
たしかに流行っていたが。
全てを駆り立てる内なる意思が

VII

かくも偉大なる船に
邪悪な仲間を作り
氷の姿で大きくなり、分離した。

VIII

この才気ある船は
姿整い、洗練され、成長したが
氷山もはるか遠くの影で黙って成長した。

IX

他人同士に見える。
凡俗の人の目には
後日の密接な結合が見抜けなかった。

X

それとも神のおしるしか
全く同じ航路でひたすら
双子が八月の事件に向かい

XI

ついに年の語り部が言った
「今だ!」そして全員が聞く
事の成就、それは二つの塊の発する不快音。

トマス・ハーディー

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今日はトムの暗い自然の絵である。” Early Spring” いかにも東部カナダの春である。彼の絵と組み合わせる詩はボーシュマンという人物。ケベックのお医者さんで詩を書いていた人。始めて彼の土地で詩を書いたローカルな人。仏語ウィキと英語ウィキに生没年の記述と医師を本業としていたとある。

内容が単純なせいもあるが、韻は綺麗である。イギリスの18世紀の偉い学者がフランス語に比べて何と英語のお粗末なことかと嘆いたそうである。イタリア人やフランス人の真似をしようとした人からすれば、英語は真に具合の悪い言語ではある。


Les corbeaux

Les noirs corbeaux au noir plumage,
Que chassa le vent automnal,
Revenus de leur long voyage,
Croassent dans le ciel vernal.

Les taillis, les buissons moroses
Attendent leurs joyeux oiseaux :
Mais, au lieu des gais virtuoses,
Arrivent premiers les corbeaux.

Pour charmer le bois qui s'ennuie,
Ces dilettantes sans rival,
Ce soir, par la neige et la pluie,
Donneront un grand festival.

Les rêveurs, dont l'extase est brève,
Attendent des vols d'oiseaux d'or ;
Mais, au lieu des oiseaux du rêve,
Arrive le sombre condor.

Mars pleure avant de nous sourire.
La grêle tombe en plein été.
L'homme, né pour les deuils, soupire
Et pleure avant d'avoir chanté.

Nérée BEAUCHEMIN (1850-1931)




黒い羽根の黒い烏
秋の風を追って行き
長い旅からもどり
春の空で鳴いている。

不機嫌な雑木林や藪が
陽気な鳥を待ち受けるが
陽気な名歌手に代わり
最初に到着したのは烏。

森を退屈させない点で
第一級の素人芸人たち
雪や雨の中、この晩は
一大演芸会となる。

興奮冷め、夢見る森は
黄金の鳥が待ち遠しい。
だが夢の鳥に代わり
到着する気味悪い禿鷹。

三月は泣いたり笑ったり。
雹は一夏中振り続く始末。
運の悪い男は嘆息ばかり
歌い終わって泣き止む。

ネレー・ボーシュマン

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ザビーネ・バルツアーという女性詩人はよく分かっていない。どうも俳句に関心を持ち、音節数が五・七・五になっている三行詩を書いたドイツの女流詩人、知る人ぞ知るのだろう。たしかイギリスでも俳句に凝った女流詩人がいたと記憶するが、彼女はそのドイツ版だろうか。短くてありがたいが、生年も定かでなく、著作権問題はないのだろうか。


Herbstzeitlose

Honiggelbes Laub
getupft vom Purpurrot
im bunten Gewand ein letztes Mal leben -
scheinbar mit freudiger Hingabe
vorm endgültigen Abschied
im Wechsel der Zeiten
ohne Wahrnehmen der Spuren
des schleichenden Sterbens ...

Sabine Balzer


クロッカス

蜂蜜色の葉
真紅の斑点
鮮色の装束で末期を生き ―
至福の耽溺は明らか
移行する季節
最後の別離に
忍び寄る死の
足跡も感じず。

ザビーネ・バルツアー

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163.エリーザベト・フォン・ヘルツォーゲンベルクからブラームスへ

リーズライ、[1885年]8月7日

 閣下

  度々のことで恐縮ではございますが、遅れないうちに思い出していただきとう存じます。閣下がご来訪の計画をいまだにお持ちでしたら、私共の都合もございまして、なにとぞお急ぎ願えればと存じます。さもなければ、私共には閣下にはお泊まり頂くことも、閣下のご来訪の栄に浴する時間も残されておりません。すでにお知らせしましたように、15日からわたしたちは親類縁者の軍隊に十重に二十重に包囲されることになります。わたしたちだけになる時間はなく、時間を惜しみたくない友人にはさらに皆無です。近くにいる友人がありながら、いっしょにお付き合いできないのは辛い試練です。こんな拷問を受けるぐらいなら「我脇腹を刺して自決せん。」(1)今から数日間親しく来て頂いて、羊と牛を友にして頂ければと思っています。その後はフラウ・シューマンの頂上(2)に惹かれることと思いますが、わたしたち以外の真のお友達にあなたを引き渡すことにします。フラウ・フランツはまだお見えになっていません。明らかにわたしたちとの付き合いを望んでおられません。

 葉書であなたの決定を知らせてください。あなたに忠実な者に嬉しい決定であることを希望します。

ヘルツォーゲンベルク夫妻より

 はい、マイニンゲン公ご夫妻はあなたの到着以前に去られることはたしかです。ケーニッヒゼー(3)の魅力もご夫妻ともに去ってしまうのでしょうか。



(1) Hoffmannの引用。

(2) ベルヒテスガーデン近くのヴォルデレク(Vordereck)。

(3) 公爵はケーニヒゼーに狩猟小屋を持っていた。

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