ヘ短調作品34

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これまでハーヴァード大学の教授で模範的な詩を書いていたロングフェローが家庭でも良き父であったことを示す、愉快な詩である。それでもなぜか教訓めいた所がある。愛妻のファニーの詩の前の幸福な時代の作品であろう。

ビンゲンの僧正の民話は聞いたことがある。今日の絵は「ビンゲンの僧正」の肖像画である。ロングフェローの真面目くさった肖像写真よりは、強欲で残忍な僧正が鼠に襲われる絵の方が面白い。過酷な税金の取立てを行い、一揆を起こした農民を上手く納屋に連れ込み、火を放ち焼き殺した。とんでもない奴だが、鼠が食い殺したことになっている。絵では気の毒なお坊さんに見える。ウィキペディアに「鼠の塔」ではロングフェローのこの詩が引用されている。


The Children's Hour

Between the dark and the daylight,
When the night is beginning to lower,
Comes a pause in the day's occupations,
That is known as the Children's Hour.

I hear in the chamber above me
The patter of little feet,
The sound of a door that is opened,
And voices soft and sweet.

From my study I see in the lamplight,
Descending the broad hall stair,
Grave Alice, and laughing Allegra,
And Edith with golden hair.

A whisper, and then a silence:
Yet I know by their merry eyes
They are plotting and planning together
To take me by surprise.

A sudden rush from the stairway,
A sudden raid from the hall!
By three doors left unguarded
They enter my castle wall!

They climb up into my turret
O'er the arms and back of my chair;
If I try to escape, they surround me;
They seem to be everywhere.

They almost devour me with kisses,
Their arms about me entwine,
Till I think of the Bishop of Bingen
In his Mouse-Tower on the Rhine!

Do you think, o blue-eyed banditti,
Because you have scaled the wall,
Such an old mustache as I am
Is not a match for you all!

I have you fast in my fortress,
And will not let you depart,
But put you down into the dungeon
In the round-tower of my heart.

And there will I keep you forever,
Yes, forever and a day,
Till the walls shall crumble to ruin,
And moulder in dust away!

Henry Wadsworth Longfellow (1807 – 1882)


子供の時間

昼の光と夜との間
夜が降り始めると
仕事からの休憩を
子供の時間という。

上の部屋の音を聞く
パタパタいう足音
ドアが開かれる音
静かなかわいい声

書斎の灯で見える
広間の階段を下る
真面目なアリスと
陽気なアレグラと
金髪のエディス。

ささやき、沈黙する。
陽気な目、分かるぞ
なにか企んでいるな
ビックリさせる気だ。

階段から駆け出して
広間から突然襲撃だ!
ドアは三つ入られる
私の城壁に侵入する。

回転塔によじ登って
肘かけや背もたれに
逃げるにも包囲され
そこら中いるようだ。

キスでむしゃぶり
腕をからませるは
思い付いたライン川の
鼠の塔のビンゲン僧正。

青い目の盗賊たちよ
お前たちは壁を登り
わしは髭の爺さんだ
お前達には敵わない!

要塞に閉じ込めて
外には出さないぞ。
私の心臓の円塔の
地下牢に入れるぞ。

永遠に閉じ込める
そう、永遠にだよ
壁がボロボロ崩れ
灰になる日までだ。

ロングフェロー

ライン川はフランスとドイツの間でいつも取り合いになったが、そのビンゲンの現在の様子である。

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今日のトム・トムスンの絵は “Canoe Lake” 「カヌー・レイク」である。雄大な湖の国カナダの一風景である。スケールの大きなカナダの景色を見事に表現している。

余談になるが、トムはカヌーの名人だったそうである。カヌーで写生に出掛け、一週間後に水死体で発見された。だからトムに事故死はありえない、自殺か他殺かであるという主張がある。近々結婚をあげる予定であったという話も読んだ記憶がある。彼を主人公にした小説も出たそうである。彼は以前にアメリカ人の女性とロマンスもあった。顔立ちも甘い。小説の題材を揃えた人物である。

今日のフランス語の詩は一番旗色鮮明なケベックの詩人。カナディアン・フランセーズに誇りを持てと叫ぶオクターブ・クレマジー(Octave CRÉMAZIE)の “Le Canada” である。ウィキペディアによれば、フランス・カナダの詩人の父と呼ばれている、彼はケベックを退去し、パリで亡命生活を送り、困窮の裡に死んだ人とある。


Le Canada

Il est sous le soleil une terre bénie,
Où le ciel a versé ses dons les plus brillants,
Où, répondant ses biens la nature agrandie
A ses vastes forêts mêle ses lacs géants.

Sur ces bords enchantés, notre mère, la France,
A laissé de sa gloire un immortel sillon,
Précipitant ses flots vers l'océan immense,
Le noble Saint-Laurent redit encor son nom.

Heureux qui la connaît, plus heureux qui l'habite,
Et, ne quittant jamais pour chercher d'autres cieux
Les rives du grand fleuve où le bonheur l'invite,
Sait vivre et sait mourir où dorment ses aïeux.

Octave CRÉMAZIE (1827-1879)


カナダ

太陽の光の下祝福された大地
天が輝かしき恵み与えし大地
恵みに応えて拡張した自然は
広大な森を巨大な湖と結んだ。

魅惑の岸に接して残した母国
フランス栄光の消えざる航跡。
無尽の大洋に流れ込み、貴い
サン・ローランと人々繰り返す。

幸いなる旅人、幸いなる住民
幸いなるかな、新天地求めず
大河を去らずに、幸福が誘う
先祖眠る地で生きて死す人々。

オクターブ・クレマジー

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今日のドイツ語の詩はヘルマン・ヘッセの最後の詩である。題名は「就寝」である。内容が単純であるせいか、無理なく、きれいな韻文を構成している。そろそろヘッセとお別れかと思うと寂しくなる。ドイツの著作権法はどうなっているのだろうか?ゲーテやシラーの国であるのに!


Beim Schlafengehen

Nun der Tag mich müd gemacht,
soll mein sehnliches Verlangen
freundlich die gestirnte Nacht
wie ein müdes Kind empfangen.

Hände, laßt von allem Tun,
Stirn, vergiß du alles Denken,
alle meine Sinne nun
wollen sich in Schlummer senken.

Und die Seele unbewacht
will in freien Flügen schweben,
um im Zauberkreis der Nacht
tief und tausendfach zu leben.

Hermann Hesse


就寝

今日は疲れ切った
僕の切なる願いは
疲れた子供のように
星の夜を迎えること。

手は仕事から解放され
頭は記憶から解放され
僕の全ての感覚は
眠りに沈み込みたい。

心は監視されず
自由に飛び回り
夜の魔法の領域で
千倍も生きたい。

ヘルマン・ヘッセ

Photo by Jay Allison @flickr

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169.エリーザベト・フォン・ヘルツォーゲンベルクからブラームスへ

ベルリン W.1885年9月31日

 同封した手紙の断章(1)は三週間前に荷物をまとめている最中にケーニヒゼーで書いたものですが、慎重にとっておきました。といいますのは、女の判断にかんする格言(2)を 思い出したこともあり、あの悲しい短期間の面識の後で交響曲の批評、とくにあの状況で適切な批評をする資格がないと信じたからです。わたしは生半可な印象 をしゃべらなくて非常に喜んでいます。わたしは今でははるかにそれ――ホ短調の楽章――が分かってきましたし、引っ越し作業の合間の時間を利用して、想像 しながらピアノで演奏しておりますので、この曲とはすっかり馴染みになり、他日言いましたことが不適切になってきました。それでも手紙を同封するのは、考えがあってのことです。凡人の精神作用を時間で追って辿ってみるのも、あなたにとって興味があることかもしれません。

 わたしは今では山も谷もたどることができますので、複雑に入り組んだ楽章(3)と いう印象はなくなりました。そこで読みとった複雑さをとにかく効果に害があるとは見なしてはいません。たかだか、偉大な名人が自分の技巧を贅沢に見せびら かしているかのように見える程度です。ホステルヴィッツで姉に弾いてあげたとき、こんなにも偉大な効果があったのかと思い喜びました。不適切な演奏ではあ りましたが、楽章の全般的な音と性格に心を奪われました。彼女は知的ではあるけれど、聴き手としては未経験な人の見本と言っていいと思います。彼女はわた したちが関心のあること――主題の巧みな結合、別々のリンクをまとめること――には気が付くことはありません。ただ聴いたままを楽しんでいます。さてそれ をきちんと吸収した今では、わたしも同様です。それはまったく率直な喜びであり、今やこれ(4)を聴くことを熱望しております。

  全体としても細部においても、実際の演奏からは驚嘆が期待できます。とくに展開部の終止で第一主題が全音符に入る一楽節がありますが、そこで驚異的な技巧と繊細さはいうまでもありませんが、わたしはそれが素晴らしく神秘的で美しく響くことを想像します。ハ長調のパートが八分音符の音形でなんと素晴らしくなるのでしょう。

{楽譜挿入}(5)

 さらにGの6度の調子にも。これは嬰ニと嬰ヘ(6)のアラベスク音形の基礎として、単に3度を利用したものです。その前に、展開部に美しい楽句はこのバーで美妙に準備されています。

{楽譜挿入}(7)

これにますます深い恋に落ちていきました。

{楽譜挿入}(8)

事実、わたしは男性的な簡明さと激しい感情的性格をもつ展開部の全体に魅了されました。
 愛らしい第二主題は優しく透明ですが、この旋律的性格がすばやく新しい音形の興奮の弾奏で切断されなければと思います。

{楽譜挿入}(9)

 コーダはたしかに称賛に値します。低音部の主題(10)、シンコペイトされた和音、半音階

{楽譜挿入}(11)

が盛り上がり

{楽譜挿入}(12)

その後に鋭い

{楽譜挿入}(13)

が弾みをつけて最後に向かって行き、楽章全体に第一主題の叙情的傾向からは予想もしなかった堂々としたものになっています。

 でもすべてを述べるとしたら、すべての頁を引用しなければなりません。それではいくら人が良いあなたでも緊張してしまいります。

  わたしが手紙に夢中になっていた今、ハインツ宛のよく分からない手紙――昨日書かれた――が到着しました。ずいぶん早く到着しますね。最後の攻撃の「完全な失敗」とはどういう意味ですか。交響曲と過ごした感激の日曜日、眠られぬ夜、スコアを抱え、マキントッシュの雨合羽を着て(そして心の中では未完成の手紙を書きながら)フラウ・シューマンの山に行った月曜日、聴くうちに紅潮した彼女の頬、不充分な準備での任務遂行による動揺――すべてがわたしの貴重な思い出になっていま す。そこへあなたがこんな恐ろしいことを言うのでしょう。ハインリッヒから伝言があります。こんな話好きの女と結婚していなかったら、彼が交響曲を送ってくれた礼状を喜んで出していたとのことです。彼はまた続きを乞い願っております。彼は広い音域に慣れており、わたしのように一部に神経質に集中する必要が ないのです。結果、彼は第二楽章のはじめにすっかり恋に落ち、もっと欲しいと騒いでいます。あなたは名前がブラームスですから、AといったらBといわなければいけません(14)。

 わたしはあなたの好意を途切れさせないでください。それは非常に、非常に重要なことです。とくにここでは、わたしたちは荒涼とした丘の斜面をさまよって草一本見つけられなくて鳴いている羊のようです。

  シュピッタが隣人であることは大いなる慰めであり財産です。彼は視野が広く自由になりました。彼は知性の真の自由を獲得しましたが、これは強い人間性の一 面性の論理的展開です。芸術に対する態度は厳しいのですが、彼は円熟してきました。要するにつきあって得をする人です。

 わたしは彼に二つの歌曲(15)を演奏しました。彼は飛び上がって歌い始めました。きわめて珍しい標本であるという考えではわたしたちと一致しました。あなたから送っていただいて本当に良かったと思いますし、大変感謝しています。

  今日のところはさようなら。もしわたしがすぐに書かなければ、それが不可能だからだと思ってください。なすべき仕事が山のようにあります。ありがたいこと に、わたしは元気で、それができます。夏がわたしの健康を回復してくれました。さようなら。ハインリッヒはわたしとともに交響曲を心待ちにしています。

リーズルより





(1) 9月9日付の追加の手紙。

(2) ゲーテ。女は愛と憎しみでは合理的だが、判断や意見では決してそうではない。

(3)ハンスリックも最初は同じ意見であった。ウィーンの数人の友人に聴かせるために、ブラームスがイグナッツ・ブリュルと2台のピアノで演奏したとき、同席したハンスリックが深くため息をついて、感想を述べた。「実をいうと、まるで才気のある二人が口論しているみたいだね」

(4)  総譜20ページ、第5小節。

(5)  第3小節の最初の嬰ト音はペンが滑ったか、記憶違いである。これはト音である。

(6)  総譜20ページ第14小節。

(7) 16ページ第11小節。

(8)  16ページ第15小節。この楽節は正確に引用されてはいない。

(9)  10ページ第10小節。

(10)  29ページ第4小節。

(11) 多分 29ページ第17小節。

(12)  30ページ第4、5小節。

(13)  30ページ第12小節。この不正確は記憶を辿っての引用だからである。

(14) ドイツの格言「Aといったら、Bといわなければいけない(Wer A sagte, mu?? auch B sagen)」乗りかかった船の意。

(15)  作品96第2曲と第4曲。

ヘルツォーゲンベルク夫妻の夏の家があったベルヒテスガーデンの風景

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