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「今日の詩」の選者はまたしてもコールリッジの「エオリアン・ハープ」を送ってきた。日本語では「風琴」というのであろうか。風によって弦が振動する「エオリアン・ハープ」はロマン派の時代に大流行したとウィキペディアにある。コールリッジの湖畔の小屋にもこの楽器が届いた。この楽器の演奏者は人間ではなく、自然すなわち神である。この楽器に魅せられて、コールリッジは延々と楽器に愛を語る。 私はコールリッジの「クブラ・カーン」は古今の名作であると信じている。彼は「真夜中の霜」で静寂を表現したし、「ナイチンゲール」の賛美でも成功したとは思う。だが、この「風琴」の冗長さには正直参った。少なくとも私のロマン派は行き詰った。当然訳も拙劣になるが、二度も送ってこられると片付けてしまいたい。資料的価値があるとすれば、上の絵 ぐらいであるが、投稿することにした。 The Aeolian Harp My pensive Sara ! thy soft cheek reclined Thus on mine arm, most soothing sweet it is To sit beside our Cot, our Cot o'ergrown With white-flower'd Jasmin, and the broad-leav'd Myrtle, (Meet emblems they of Innocence and Love !) And watch the clouds, that late were rich with light, Slow saddenning round, and mark the star of eve Serenely brilliant (such should Wisdom be) Shine opposite ! How exquisite the scents Snatch'd from yon bean-field ! and the world so hush'd ! The stilly murmur of the distant Sea Tells us of silence. And that simplest Lute, Plac'd length-ways in the clasping casement, hark ! How by the desultory breeze caress'd, Like some coy maid half-yielding to her lover, It pours such sweet upbraiding, as must needs Tempt to repeat the wrong ! And now, its strings Boldlier swept, the long sequacious notes Over delicious surges sink and rise, Such a soft floating witchery of sound As twilight Elfins make, when they at eve Voyage on gentle gales from Faery-Land, Where Melodies round honey-dropping flowers, Footless and wild, like birds of Paradise, Nor pause, nor perch, hovering on untam'd wing ! O ! the one Life within us and abroad, Which meets all motion and becomes its soul, A light in sound, a sound-like power in light, Rhythm in all thought, and joyance every where-- Methinks, it should have been impossible Not to love all things in a world so fill'd ; Where the breeze warbles, and the mute still air Is Music slumbering on her instrument. And thus, my Love ! as on the midway slope Of yonder hill I stretch my limbs at noon, Whilst thro' my half-clos'd eye-lids I behold The sunbeams dance, like diamonds, on the main, And tranquil muse upon tranquility ; Full many a thought uncall'd and undetain'd, And many idle flitting phantasies, Traverse my indolent and passive brain, As wild and various, as the random gales That swell and flutter on this subject Lute ! And what if all of animated nature Be but organic Harps diversly fram'd, That tremble into thought, as o'er them sweeps Plastic and vast, one intellectual breeze, At once the Soul of each, and God of all ? But thy more serious eye a mild reproof Darts, O belov??d Woman ! nor such thoughts Dim and unhallow'd dost thou not reject, And biddest me walk humbly with my God. Meek Daughter in the Family of Christ ! Well hast thou said and holily disprais'd These shapings of the unregenerate mind ; Bubbles that glitter as they rise and break On vain Philosophy's aye-babbling spring. For never guiltless may I speak of him, The Incomprehensible ! save when with awe I praise him, and with Faith that inly feels ; Who with his saving mercies heal??d me, A sinful and most miserable man, Wilder'd and dark, and gave me to possessiの Peace, and this Cot, and thee, heart-honour'd Maid ! Samuel Taylor Coleridge エオリアン・ハープ 悲しげな僕のサラ!お前の柔らかな頬は 僕の腕にもたれる。何という素晴らしさ! (純潔と愛の象徴になっている!) 白いジャスミンとミルテの葉で覆われた ベッドのそばに腰を下ろし、先ほどまで 光豊かに輝き、ゆっくり巡る雲を眺め 静かにして華麗なる(名言である) 雲に対抗して光る星を探す!豆畑から 洩れ来たる匂いの何と芳しき!世界は沈黙! 遠き海の微かな呟きが 静寂を物語る。 はるばる留め金のケースに入れられた いとも純粋なるリュート、聴け! 気まぐれな微風に愛撫される様を 陥落寸前のとりすました乙女のように リュートは優しく非難を浴びせ 是が非でも過ちを繰り返させようとする! さて弦は大胆に響き渡り、後に続く長い調べが 妙なる大海原に浮き沈みする。 この淡く浮遊する音の魔術は 黄昏に不思議の国から吹く風に乗り 船出をするときに使うもの。 蜜を垂らす花の周りの旋律は 激しく、詩脚もなく、天国の鳥のように 休みも止まりもせず、野生の舞いを続ける! ああ!われらの内と外にある生命 あらゆる運動に応え、その魂となり 音の光となり、光の中に響き渡る力となり あらゆる思考の律となり、いたる所で喜びとなる ― かくも充実した世界の全てを愛さないのは 不可能であるように私には思われる。 此処では、微風は歌い、沈黙と静寂の空気は この楽器の音楽が眠っているのだ。 私の恋人よ!真昼からあそこの丘の 坂道で私は全身を伸ばしては 半ば閉じた瞼から見つめると 太陽の光がダイヤのごとく大海原で 物静かなミューズが密やかに踊る。 呼ばれもせず、引き止めらもせずに 気ままに移り行く多くの幻想が過ぎ行く 怠惰で消極的な私の脳髄はまさに 激しく変わりやすい強風が気紛れに 従順なリュートを膨らませ揺する。 どうなるであろう?生命ある自然がすべて 様々の形で創られたハープであり 震えながら思考の中に入り込み 過ぎ行くのが創造的で広範な知的微風であり すべての精神であると同時に神であるとしたら。 君の真面目な目が投げかける穏やかな非難 ああ愛する君よ!君はこんな考えを いいい加減で邪悪であるとして否定し 神とともに慎ましく歩めと私に命ずる。 キリストの家族の従順な娘! 悔い改めることなき心の形成を 信仰心厚き君は批判して言った。 光る泡沫は哲学の忌々しい戯言の泉から 出ては消える度に光り輝くのだ。 私が神についてでたらめを言ってはいない 不可解!畏敬の念から、心から感ずる信仰から 神を賛美する時には助けてくれ。 君は神の救済の恵みで癒した 罪深き惨めな男である私を 迷って暗い男を、私に与えてくれた 平安と小屋と心から讃えるべき君を! コールリッジ
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2007年10月03日
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今日はウェッブで目に付いたスイスの作家フォン・ゴットフリート・ケラーの詩である。日本でも「緑のハインリッヒ」でおなじみの作家の詩である。絵描きになろうとした人だけあって、彼の自然描写は気に入った。だがこんな短い詩でも最後の詩節の類似用例が見付からなかった。気掛かりである。 詩の構造は各詩節ともに[A, B, A, B]と美しい。 Am fliessenden Wasser Ein Fischlein steht am kühlen Grund, Durchsichtig fliessen die Wogen, Und senkrecht ob ihm hat sein Rund Ein schwebender Falk gezogen. Der ist so lerchenklein zu sehn Zuhöchst im Himmelsdome; Er sieht das Fischlein ruhig stehn, Glänzend im tiefen Strome! Und dieses auch hinwieder sieht Ins Blaue durch seine Welle. Ich glaube gar, das Sehnen zieht Eins an des andern Stelle! von Gottfried Keller (1819-1890) 流れ 川底に一匹の小魚 流れ行く澄みし小波。 その真上を旋回し 滑空する一羽の隼。 天空高く舞い上がれば 隼も小さな雲雀のよう。 隼は深き川に横たわる きらめく魚を見付けた! そして逆にこの小魚も 波間から青空を見上げた。 本気で思う、狙う獲物と 私が入れ替われるなら。 ケラー Photo by dolphinlink @flickr
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149.ブラームスからエリーザベト・フォン・ヘルツォーゲンベルクへ [ウィーン、1885年1月] 親愛なる友へ 半クラウンとその他すべてにたいする私の深甚なる感謝をお受けください。手紙を大幅に節約するために、私の持っているスカルラッティの標本(1)を送ることにしましょう。それに興味を持たれると思います――私はそれに魅せられました。 あなたのビショッフ教授に関するご命令は直ちに聞き入れられるでしょう。 私はシューベルトの第一巻(交響曲の最初の4曲) (2)をあなたにお約束します。だが、ヘルテルが一部しか送ってこなかった。でも買うのは考えない方がよいでしょう。本当に欲しくなったときには私に言ってください。たしかに見る機会だけを提供します。これを全部持って、余分なものを並べておく必要はないと思われます。同じ理由でご希望の歌の駄作を送るのはいやです。 ところで、ヴィースバーデンに行くことになりそうです。私はそこに住むつもりはありません。エンゲルマン夫妻(3に会われると思いますが、彼がすべてを話すでしょう。 今日は以上です。――では失礼します。 あなたのJ.Br.より (1) スカルラッティの稀なチェルニー版以外にも、ブラームスはソナタの原典版を所有していた。さらに300以上のピアノ曲の古い写本を所有し、そのうち172はアバーテ・サンティーニ(Abbate Santini)のコレクションで、未公刊であった。 (2) ブラームスはブライトコップフ・ヘルテルのシューベルト交響曲の完全版の改訂の仕事を引き受けた。あとで引き受けたことを後悔している。凡作の死後の発表は、作曲者がもはや弁明できないために反対であるとするブラームスの意見は、マリー・リプシウス(Marie Lipsius)すなわちラ・マラ(La Mara)宛ての1885年5月の手紙で率直に述べられている。(ラ・マラのMusikerbriefe aus f??rnf Jahrhunderten, ii.348 参照。)しかし、マンディチェフスキー編集の歌曲集10巻が登場したときには、内容を見ないで仕事を分担したことを悔やんだ。同様に彼は、作曲者の成長過程の若い時代の例を出版するのは無意味であると表明したことを後悔した。 (3) 書簡130の注記。
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桜と日本人ですね。なぜか、三島由紀夫を思...



