|
「今日の詩」はたった今届いたキーツの “The Human Seasons” でる。「人の四季」と訳しておく。キーツは26誌で、結核で死亡している。この詩は彼が何歳の頃の作品であろうか。一年の四季のように短い人生でも、振り返って、静かで満ち足りたような境地に達したような気がする。この程度の詩はあっという間に書き上げたはずの天才児。 写真は四季を擬人化したローマのモザイクである。 The Human Seasons Four Seasons fill the measure of the year; There are four seasons in the mind of man: He has his lusty Spring, when fancy clear Takes in all beauty with an easy span: He has his Summer, when luxuriously Spring's honied cud of youthful thought he loves To ruminate, and by such dreaming high Is nearest unto heaven: quiet coves His soul has in its Autumn, when his wings He furleth close; contented so to look On mists in idleness--to let fair things Pass by unheeded as a threshold brook. He has his Winter too of pale misfeature, Or else he would forego his mortal nature. John Keats. 人の四季 一年間には季節が四つある。 人の心にも季節は四つある。 元気な春は、さえた想像で 美しさを難なく騙し取れる。 夏には、春が蜂蜜をかけた 若々しい気に入った思想を 反芻し、こんな夢を見ては 天国に近付く。秋の心には 静かな洞窟があり、人は翼を 閉じる。無為に霧を見詰めて 満足する。綺麗でも、村境の 小川と思い、やり過ごすのだ。 青白くて見苦しい冬もあるさ でなきゃ死ぬ機会を失くす。 キーツ
|
過去の投稿日別表示
[ リスト | 詳細 ]
2007年11月01日
全1ページ
[1]
|
今日のエミール・ネリガンの詩は “Billet céleste” 「天上の招待」と訳した。音楽会の招待も天上の音楽会は最高である。彼は夢の中で招待され、音楽家、オルガン奏者の守護聖人である聖セシリアの演奏を聴く幸運に恵まれた。詩の良さは、フランス語の韻律はおろか、発音も定かでない私には分からない。 だが今日の詩に登場する聖セシリアといえば、ヤン・ファン・アイクのゲントの祭壇画を見逃すわけにはいかない。この名画で訳の拙劣さを補っていただきたい。 Billet céleste Plein de spleen nostalgique et de rêves étranges, Un soir je m'en allai chez la Sainte adorée, Où se donnait, dans la salle de l'Empyrée, Pour la fête du Ciel, le récital des anges. Et nul garde pour lors ne veillant à l'entrée, Je vins, le corps vêtu d'une tunique à franges, Le soir où l'on chantait chez la Sainte adorée, Plein de spleen nostalgique et de rêves étranges. Des dames défilaient dans des robes oranges ; Les célestes laquais portaient haute livrée, Et, ma demande étant Cécile agréée, Je l'écoutai jouer aux divines phalanges, Plein de spleen nostalgique et de rêves étranges ! Emile NELLIGAN (1879-1941) 天上の招待 陰鬱な記憶と初めての夢で 崇拝厚き聖女を詣でた夜に 天国の大広間では天使達の 音楽会が宴に催されていた。 広間を見張るものはいなく 僕は入り、ガウン着た一団 陰鬱な記憶と初めての夢で 崇拝厚き聖女を詣でた夜に。 召使達は皆上等な制服を着用 僕の希望はセシール、皆賛同し 神聖なる指が奏でる曲を聞く 陰鬱な記憶と初めての夢で。 エミール・ネリガン
|
|
今日のドイツ語の詩もシュタットラーの詩 “Aus der Dämmerung” である。「黄昏に」と訳した。話者は教会の廃墟に入り、嘗ては華やかだった教会を偲んで感慨に耽る。黄昏の詩が続くが、彼は廃墟にも色彩を散りばめている。 Aus der Dämmerung In Kapellen mit schrägen Gewölben• zerfallnen Verließen und Scheiben flammrot wie Mohn und wie Perlen grün und Marmoraltären über verwitterten Fliesen sah ich die Nächte wie goldne Gewässer verblühn: der schlaffe Rauch zerstäubt aus geschwungnen Fialen hing noch wie Nebel schwankend in starrender Luft• auf Scharlachgewirken die bernsteinschillernden Schalen schwammen wie Meergrundwunder im bläulichen Duft. In dämmrigen Nischen die alten süßen Madonnen lächelten müd und wonnig aus goldrundem Schein. Rieselnde Träume hielten mich rankend umsponnen• säuselnde Lieder sangen mich selig ein. Des wirbelnden Frühlings leise girrendes Locken• der Sommernächte Duftrausch weckte mich nicht: Blaß aus Fernen läuteten weiße Glocken . . Grün aus Kuppeln sickerte goldiges Licht . . Ernst Stadler 黄昏に 教会のドームが傾いて破片が一面散乱し ガラスが燃える赤いケシや青真珠の如く 雨に晒された床の大理石の祭壇を見ると 腐敗した金色の沼地の夜を見る気がした。 高く見下ろす大気に揺れ行く霧の如くに 緩やかな煙は弓なりの尖塔より飛び散り 青みがかった匂いの海底の神秘の如くに 琥珀色のスカーフに真紅の織物を縫った。 暗い壁龕に愛らしいマドンナの古い肖像 優雅な金の姿でか弱く祝福して微笑んだ。 流れるような夢が僕をしっかり包み込み 囁くように僕を祝福する聖歌が聞こえた。 僕は目くるめくような春の快い誘惑の声 夏の夜の香る陶酔からも目覚めるはなく はるか遠き方より虚ろに鳴り響く白き鐘 爽やかにドームから洩れ出る金色の光。 シュタットラー Photo by demos1967 @flickr
|
|
177.ヘルツォーゲンベルクからブラームスへ [ベルリン(?) 、1885年] 親愛なる気高い慈善家へ 昨日のわたしたちの交響曲(1)の記憶が生々しいうちに胸襟を開かなくてはなりません。心からあなたの善意のみならず、良き交響曲に感謝いたします。私は親愛なるヴォルフ(2)にピアノの伴奏部を任せました。彼は私よりずっと身に着いていまして、おかげでもっぱら聴く楽しみに浸ることができました。私は最初から私たちの理解の過程を述べる必要はないと思います。あなたは私の妻の発言は二部の対位法の練習と見なすのに慣れておられたからです。ここでは私は堅実な cantus firmus に貢献し、妻は判断力を雄弁で弾力的な contra punctum floridum に活かしておりました。しかしながら、二人は一体であり、もう一度あなたの足下にひれ伏して、あなたが一撃を喰らわせた手に接吻する用意ができております。 私たち夫婦に与えた志気への効果が有益であることは実証されました。真実、あなたが振り回された棒ですべての批判が沈黙したのです。以前私を悩ませたパート(主としてピアノをきつく叩いていた結果)が、私には偉大で特別な魅力のあるものになりました。マイニンゲンの演奏に行けなくて言葉では表せないほど残念です。しかし私はもはや自由な身分ではありません。こんなに不幸だとしたら――どうしてなのかは思い当たりあたりません――自分の不運を呪います。 さて、当地では誰がこの籤を引くのでしょう。タウベルト、カデッケ、ヨアヒム、クリントヴォルト、それともマンシュタットでしょうか。あなた自身は誰に引かせたいのですか。 私は真剣にお願いしますが、あわただしい訪問で私たちをはぐらせないでください。古き良き茶色のコートをしかるべき衣紋掛けに吊していただきますようお願いします。 私の妻はこのことをずっと言ってきたのは明らかです。私独自には何も申し上げることはありませんが、ただ私の心からの配慮をお送りするものです。 あなたのヘルツォーゲンベルクより (1) ヘルツォーゲンベルクの家で2台のピアノで演奏された。 (2) C.L.ヴォルフ。書簡151。
|

- >
- エンターテインメント
- >
- 音楽
- >
- 洋楽
全1ページ
[1]

桜と日本人ですね。なぜか、三島由紀夫を思...

