ヘ短調作品34

ルブランの回想録の link 先はゲストブックを御覧ください。

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「今日の詩」はイェーツらしき「恋人」が「彼女」に謝っている詩である。多少読者を思いやってか、24行の詩は最後に一つピリオドが来るだけである。しかも全文が if 文である。主文がない。この詩がイェーツ自身の事を語っているのか、注釈学者の記事を読んでいないので詮索を控えることにしよう。この if 文は恋人の彼女に対する過去の行動を語り、慙愧の思いを打ち明け、支離滅裂な感じを表現している。

どうして、どうして、この詩は形式的に見事である。恋人がまくし立てた謝罪が詩になっているので、切るわけにはいかないが、四行ごとに [a, b, a, b]の脚韻を踏んでいる。さらに奇数行は12音節、偶数行は6音節と徹底している。韻律については完璧ではないのか、巧妙な仕掛けがしてあるのか、私には難しすぎるので判断を差し控えたい。研究者が良く調べているはずである。


The Lover Asks Forgiveness Because Of His Many Moods

If this importunate heart trouble your peace
With words lighter than air,
Or hopes that in mere hoping flicker and cease;
Crumple the rose in your hair;
And cover your lips with odorous twilight and say,
"O Hearts of wind-blown flame!
O Winds, older than changing of night and day,
That murmuring and longing came
From marble cities loud with tabors of old
In dove-grey faery lands;
From battle-banners, fold upon purple fold,
Queens wrought with glimmering hands;
That saw young Niamh hover with love-lorn face
Above the wandering tide;
And lingered in the hidden desolate place
Where the last Phoenix died,
And wrapped the flames above his holy head;
And still murmur and long:
O piteous Hearts, changing till change be dead
In a tumultuous song':
And cover the pale blossoms of your breast
With your dim heavy hair,
And trouble with a sigh for all things longing for rest
The odorous twilight there.

William Butler Yeats


気が変わるのでと許しを乞う恋人

空気よりも軽い言葉で
点いては消える願望で
しつこい僕が君の平安を乱し
君の髪のバラを台無しにし
君の唇を芳しき黄昏でふさいだり
「風に吹かれた炎の心!
風は毎度刻々と変化しては
願い事を呟きながら到来した。
古いタブラで賑わう大理石の都から
鳩の色をした妖精の国から
女王達がチカチカの手でもぎ取った
しわしわの真紅の軍旗から
恋に破れた若いニアムが
さ迷い続ける潮の上を
離れないのを見ながら。
さ迷った侘しい誰も知らぬ所
ここは最後のフェニックスが死に
神聖な頭上の炎を包み
願い事を呟いた所から。
心変わりが死ぬまで心変わりする哀れな奴
騒がしい詩を書きては」などと言い
君の胸の白い花を
君の豊かな髪でおおい
安息を求めるため息で
芳しき黄昏を乱したとしたら。

イェーツ

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今日のエミール・ネリガンも美しい女性音楽家のお話である。フランス象徴派のカナダ版のネリガンであるし、彼の詩は彼を取り巻く現実の世界とはかけ離れてはいる。フランス象徴派の詩人たちはかなり異教的なテーマを取り上げている。やはり北米におけるカトリック教会の拠点であるケベックの詩人かなという気もする。

絵はニコラ・プッサンNicolas Poussin (1594 –1665)の聖セシリアである。詩中の大天使ではなく可愛らしいケルビンに囲まれている聖女である。


L'organiste du paradis

La belle sainte au fond des cieux
Mène l'orchestre archangélique,
Dans la lointaine basilique
Dont la splendeur hante mes yeux.

Depuis que la Vierge biblique
Lui légua ce poste pieux,
La belle Sainte au fond des cieux
Mène l'orchestre archangélique.

Loin du monde diabolique
Puissé-je, un soir mystérieux,
Ouïr dans les divins milieux
Ton clavecin mélancolique,

Ma belle Sainte, au fond des cieux.


Emile NELLIGAN (1879-1941)


天国のオルガニスト

美しき聖女が天国の奥深く
大天使の合奏団を指揮する
はるか、はるか遠き大聖堂
その壮麗に取り憑かれた僕。

聖書の処女マリアが彼女を
この神聖な席に任じてから
美しき聖女が天国の奥深く
大天使の合奏団を指揮する。

悪魔の世界から遠く離れて
神秘の夕べを迎えて、僕は
神います聖なる場所で聞く
汝の哀愁溢れる鍵盤の響き。

美しき聖女が天国の奥深く

エミール・ネリガン

高級娼婦 -- リルケ

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今日のドイツ語の詩はリルケの ” Die Kurtisane” 訳すれば「高級娼婦」である。良い日本語が浮かばない。リルケはこの短い詩で嘗ては繁栄を極めた都市国家ヴェニスを誰かと歩きながら現状を描写していると解釈した。タイトルの「高級娼婦」とは何をさすのか、誰かと歩きながら、ヴェニスを語っている。話者は「高級娼婦」とヴェニスを歩いているわけではないと解釈した。ヴェニス名産の「高級娼婦」にヴェニスを語る必要はない。文中の “du” は男でも女でも良い。アドリア海の女王と称せられたヴェニスそのものを「高級娼婦」としていると解釈した。タイトル一語ですでに詩の雰囲気を効果的に表現している。

話者はヴェニスの暑さを語りながら、情景を描写している。最後に子供がいないことに触れている。これは退廃の都の出生率低下を言っているのであろうか。同性愛に走る若者や売春婦では子供は生まれてこない。希望も信仰心も失い、子育てに関心が無いヴェニスを語っているのだろうか?


Die Kurtisane

Venedigs Sonne wird in meinem Haar
ein Gold bereiten: aller Alchemie
erlauchten Ausgang. Meine Brauen, die
den Br??cken gleichen, siehst du sie

hinf??hren ob der lautlosen Gefahr
der Augen, die ein heimlicher Verkehr
an die Kan??le schlie??t, so da?? das Meer
in ihnen steigt und f??llt und wechselt. Wer

mich einmal sah, beneidet meinen Hund,
weil sich auf ihm oft in zerstreuter Pause
die Hand, die nie an keiner Glut verkohlt,

die unverwundbare, geschm??ckt, erholt -.
Und Knaben, Hoffnungen aus altem Hause,
gehen wie an Gift an meinem Mund zugrund.

Rainer Maria Rilke(1875 – 1926)


高級娼婦

ヴェニスの太陽は僕の髪を
金にしてくれる。錬金術の
究極の成果。あの橋に似た
僕の眉毛に君は気付くはず

知らぬ間に目を痛めぬ方に
向けている。静かに替わる
運河の水に目を閉じて海の
満ちては引き入れ替るのに。

出合った人が羨ましがった
僕の犬は所々で休むけれど
どんな熱にも火傷しないし

逞しく、姿が良くて、元気だ―。
旧家の希望、子供達は街から
吐かれた、口にした毒のよう。

リルケ

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192.エリーザベト・フォン・ヘルツォーゲンベルクからブラームスへ

ベルリン、1886年12月2日(1)

 …さて話題を変えましょうか、ヘル・マカールト(2)。 美しいソナタに感謝の意を表させていただきます。わたしは徹底的にこの曲を研究してみたいと思っています。ハウスマンとおそるおそる二度弾いたぐらいでは 到底満足できません。この曲は新しくて、聴いた時の興奮が強烈で理解されないでしょう。このくらいの新しさにすぐに真面目に取り組めというのは無理な話で す。沸き返る興奮、感情の激発、それ自体の輝かしさにどうしても魅入られてしまうからです。今のところ、わたしは第一楽章に非常に興奮しています。作曲技 法の熟達度、迸る進行、簡潔な展開、一方、第一主題が戻るところでの拡張は大いなる驚きです。言うまでもありませんが、優美な旋律的なアダージオに感銘を 受けました。とくに嬰へ長調への美妙な復帰の響きの美しいこと。わたしは本来活気のあるスケルツォをあなたが――あなたが鼻息を出して演奏する(3)――弾くのを聴きたいのです。わたしの心にかなった演奏をする人はほかに誰もいないでしょう。不安と勢いにもかかわらずlegato で、急かされずに、揺 れ動いてなければなりません。わたしはこの楽章を修得できたら、さらに最終楽章も熟練の域に達したいと思います。ここには擬似叙情的な主題があり、他の楽章の「偉大な」様式と強烈な対照をなしています。しかし、言いましたように、再び聴いてみて演奏の仕方を学びたいと思います。

  わたしはあいにくハウスマンが戻ってから以来彼とは会っていませんが、彼がいつソナタを受け取れるかは聞きだせます。それからバイオリン・ソナタはどう なっているのですか。なぜ来ないのですか。ウィーンにいる知り合いが多すぎて、数日間でもこちらに回せないというのですか。ヨアヒムにすぐには弾かせたくないのですか。彼がひそかに願っていることを知らないのですか。わたしが今話しているのはわたしの懇願ではありません。懇願でしたらわたしは誰にもひけを取りません。彼はその曲に一番の権利があるのに、彼、ヨアヒムをなぜそんなに待たせるのですか。それは残酷というものです。あなたは急いで大きな包み紙を 探して彼に送るべきです。

 わたしは今告白します。許して頂きたいと思いますが、シュピースのコントラアルトの歌曲(4)を写して大変惹かれています。ですが、毎度の厚かましさで、二つ反対意見を表明したいのです。嬰ハ短調の歌(5)の中で6−4の 連続した和音、とくに第二節の――ト長調、変ロ音と変ニ音が交互にそしてすべて転回、あなたはこれがお好きですか。以前にはこのようなものを書かれたこと はないはずです。あなたの音楽でこんなに粗い楽節は知りません。ここのところで、この詩の情熱的な憧憬に別の表現の仕方があるはずだと思いました。あなた が与えたい印象ははっきり理解できますが、実際の効果はいつものブラームスよりはるかに美しさで劣ります。はっきり言って悲しいです。柔らかで夢のような 歌曲をいきなりの衝撃で台無しにするのは残念です。わたしは深遠な詩(6)のついたイ長調の暖かい旋律の流れが大好きですし、歌ってみてとても楽しいのです。さらに、最後のカデンスも正しくないと思われます。何度もそれになれるまで歌ってみて、イ長調だと感じるようになりましたが、最初は馴染めませんでした。イ音がニ音の属音のように思えます。引き出しにはもっと歌曲がないのです か。そのうち一曲でも、古き良き時代にそのために取って置かれたシュトラウスのワルツで包んで頂けませんか。さあまたわたしを大事にしてください。わたし が喜ぶことをご存じのはずです。

 さようなら、お友達。わたしは何かを――ハイニの新作「ア・カペラ合唱曲」――お送りしたいと思います。この曲はすごく良いと思います。あなたは本当に見てくれるのでしょうね。

 わたしに優しい言葉と思いやりを下さい。長い、長いご無沙汰の間願っていたことです。
 昔から忠実なあなたのエリーザベト・ヘルツォーゲンベルクより

 ウィーンでのシュピースの歌唱はどうですか。彼女は少しも進歩がないように思われてなりません。わたしはフラウ・ヨアヒム(7)の 声がますます充実してくるのを思うにつけ、コンサートの仕事と私生活がこの人の場合逆にいい加減にしているように思えるのです。彼女の歌い方はまるで見ながら朗読しているようです。根は真面目で良い娘ですから、あなたのような方が警告してほしいと思います。わたしが意見しようにもほとんど効き目がないで しょう。彼女は甘やかされて、人の意見に耳を貸しません。きつく言うべきです(8)。



(1)  フラウ・フォン・ヘルツォーゲンベルクのブラームスとの文通はお節介焼きの情報のせいで1886年の3月に突然停止した。結局まったく根拠がないことが判明した。ブラームスはその事実を無視あるいはそのように振舞った。彼は「チェロ・ソナタ」を送ったが、伝言は一切なかった。

(2) 画家ハンス・マカールト(Hans Makart)は無口で有名だった。彼がある晩餐会で、そばにいたジョセフィーネ・ガルマイヤー(Josephine Gallmeyer)が長い沈黙の後、彼に向かって言った。「さて話題を変えましょうか、ヘル・マカールト。」

(3) ブラームスはしばしば鼻息を出して演奏し、聴衆に聞こえることがあった。

(4) ブラームスはヘルミーネ・シュピースにトゥーンで作曲した二つの曲を歌う許可を出していなかった。「メロディーのように(Wie Melodien zieht es)」と「わがまどろみはいよいよ浅く(Immer leiser wird mein Schlummer)」作品105の第1曲と第2曲。しかし、フラウ・フォン・ヘルツォーゲンベルクは見ることは許された。ヘルミーネ・シュピースの「回想(Ein Gedenkbuck ),3ページ」

(5) 「わがまどろみはいよいよ浅く」。

(6) 「メロディーのように」の歌詞はクラウス・グロートである。ブラームスはしばしば深遠な詩に魅力的なメロディーを付けて成功している。さらに一例を挙げれば、リュッケルト(R??ckert)の「四十歳で(Mit vierzig Jahren)」、作品94の第1曲である。

(7) アマリエ・ヨアヒム、旧姓シュネーヴァイス(Amalie Joachim nee Schneeweiss, 1839-1899)。彼女の結婚前はアマリエ・ヴァイス(Amalie Weiss)であった。彼女は女声リーダー歌手として有名になり、シューマンの歌曲の解釈では右に出るものはなかった。1863年彼女はヨアヒムと結婚。1866年にはベルリンで生活したが、1882年には別居した。(英訳者注)。

(8) ブラームスはこの要請に先んじて、11月4日 の手紙で冗談めかして書いている。「夢の中で、あなたが半小節の休止を飛ばし、八分音符を四分音符で歌うのを聞いてしまいました。」これに対して歌手が答 えた。「私の音感が悪いのを夢の中でしか気が付かれなかったのですか。なんて親切な方でしょう。私は夢の中だけではなく、長年気付いていましたのに。」

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