ヘ短調作品34

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「今日の詩」の選者が送ってきたポーの詩 “The Coliseum” 「コロッセウム」である。今までポーの詩は実に綺麗に仕上がっているが、今一訳す気になれなかった。「今日の詩」も一巡し終わったようなので、訳さないのも癪だと思い挑戦してみた。意外なほど面白かった。ボードレールが崇拝した理由はまだ判然としないが、挑戦した甲斐はあったように思う。


The Coliseum

Type of the antique Rome! Rich reliquary
Of lofty contemplation left to Time
By buried centuries of pomp and power!
At length- at length- after so many days
Of weary pilgrimage and burning thirst,
(Thirst for the springs of lore that in thee lie,)
I kneel, an altered and an humble man,
Amid thy shadows, and so drink within
My very soul thy grandeur, gloom, and glory!

Vastness! and Age! and Memories of Eld!
Silence! and Desolation! and dim Night!
I feel ye now- I feel ye in your strength-
O spells more sure than e'er Judaean king
Taught in the gardens of Gethsemane!
O charms more potent than the rapt Chaldee
Ever drew down from out the quiet stars!

Here, where a hero fell, a column falls!
Here, where the mimic eagle glared in gold,
A midnight vigil holds the swarthy bat!
Here, where the dames of Rome their gilded hair
Waved to the wind, now wave the reed and thistle!
Here, where on golden throne the monarch lolled,
Glides, spectre-like, unto his marble home,
Lit by the wan light of the horned moon,
The swift and silent lizard of the stones!

But stay! these walls- these ivy-clad arcades-
These moldering plinths- these sad and blackened shafts-
These vague entablatures- this crumbling frieze-
These shattered cornices- this wreck- this ruin-
These stones- alas! these grey stones- are they all-
All of the famed, and the colossal left
By the corrosive Hours to Fate and me?

"Not all"- the Echoes answer me- "not all!
Prophetic sounds and loud, arise forever
From us, and from all Ruin, unto the wise,
As melody from Memnon to the Sun.
We rule the hearts of mightiest men- we rule
With a despotic sway all giant minds.

We are not impotent- we pallid stones.
Not all our power is gone- not all our fame-
Not all the magic of our high renown-
Not all the wonder that encircles us-
Not all the mysteries that in us lie-
Not all the memories that hang upon
And cling around about us as a garment,
Clothing us in a robe of more than glory."

Edgar Allan Poe.


コロッセウム

古代ローマの典型!高慢な意図
豪華な聖遺物は何世紀もの時間
埋没した豪奢と権力に任された!
ついに!ついに!長い日々の後に
巡礼の旅と激しい喉の渇きの後に
(汝に遺されたる言伝えへの乾き)
我は跪く、謙虚になり変わった我は
汝の影に隠れ、心中に飲み込まん
汝の壮大にして陰鬱なる姿と栄光。

広大な!古びた!大昔からの記憶!
静寂なる!孤独なる!ほの暗き夜!
我は汝を感ずる – 我は力強き汝を –
ユダヤの王がゲッセマネの園にて
教えられたる呪文より確かにして!
夢見るカダディーが静かな星から
引き下したる呪文よりさらに強力!

英雄一人倒れし所に柱一本倒れる!
模造の鷲が黄金に照り輝いた所で
真夜中の見張は黒い蝙蝠を抑える!
ローマの貴婦人が金に染めた髪を
靡かせた所に葦とアザミが波打つ!
君主が黄金の玉座にもたれた所に
気高き月の青ざめた光に照らされ
亡霊の如く大理石の家へ滑り行く
石に住み着く機敏で無口なトカゲ。

止まれ!この壁 – この蔦絡む列柱 –
この朽ちる台座 – この哀れな円柱 –
この漠たる長押 – この崩れた横壁 –
この砕けた蛇腹 – この破損 – この荒廃 –
この石 – ああ!灰色の石 – これ皆 –
朽ち果てる時間により、運命と我に
この名高きコロッセウム遺したるか?

「全てにあらず!」と我に鳴り響く声
予言の大なる声は永久に我らより
全ての廃墟より上り、賢者に届くべし
我らいとも強き人々を捉え、我ら
専制者の如く巨人の精神を捉える。
我ら – 青ざめし石は無能にあらず。

我らは力と – 名声すべてを失わず –
我らは名声の魔術のすべてを失わず –
我らをとり囲む謎のすべてを失わず –
我らにひそむ神秘のすべてを失わず –
我らにのこる記憶のすべてを失わず –
我らに栄光を上回る礼服を着用させ
汝ら衣装のごとく我らに纏わり着かん。


エドガー・アラン・ポー

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今日のエミール・ネリガンは “Caprice blanc” 。「白の戯れ」と訳した。ネリガンはランボー並みの早熟な少年であったが、20歳で精神を患い、以後回復することはなかった。

今日の詩も十代の少年ネリガンの作とすると、詩に登場する気になる女性も十代であろう。彼女はコクニー訛りの御者の馬車に乗るカナダの支配階級の「ミス」である。フランス系のネリガンには高嶺の花である。今日のネリガンはフランス象徴派のお好みの題材である、「貴婦人に叶わぬ恋心を抱く道化役者」に似ている。

絵は十代の少女とは言いがたいが、有名なクラムスコイ(Ivan Kramskoy:1837 – 1887)の作品。日本では「忘れえぬ女」と呼ばれている。


Caprice blanc

L'hiver, de son pinceau givré, barbouille aux vitres
Des pastels de jardins de roses en glaçons.
Le froid pique de vif et relègue aux maisons
Milady, canaris et les jockos bélîtres.

Mais la petite Miss en berline s'en va,
Dans son vitchoura blanc, une ombre de fourrures,
Bravant l'intempérie et les âcres froidures,
Et plus d'un, à la voir cheminer, la rêva.

Ses deux chevaux sont blancs et sa voiture aussi,
Menés de front par un cockney, flegme sur siège.
Leurs sabots font des trous ronds et creux dans la neige ;
Tout le ciel s'enfarine en un soir obscurci.

Elle a passé, tournant sa prunelle câline
Vers moi. Pour compléter alors l'immaculé
De ce décor en blanc, bouquet dissimulé,
Je lui jetai mon coeur au fond de sa berline

Emile NELLIGAN (1879-1941)


白の戯れ

冬は霜の筆で凍ったバラ園の
パステル画をガラス窓に塗る。
凍った槍は生かして家に戻す
貴婦人やカナリヤやならず者。

だがミスはセダンでお出かけ
白い外套を身に纏い、毛皮姿
吹雪にも痛い寒さにも負けず
それにあれこれ夢を見ながら。

全身白い二頭の馬と白い馬車
コクニーに御されて知らぬ顔。
馬の蹄は雪に丸い空洞を残す。
夜空は一面の粉で薄暗くなる。

彼女は巧みに瞳を僕に向けて
過ぎて行く。僕は白い装飾や
隠した花束が汚れないように
僕はセダン見送り心を投げた。

エミール・ネリガン

日没 -- シュタットラー

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シュタットラーは今日の詩は闇に向かう。華麗な夕暮れではないが、相変わらず色彩感覚が豊かである。フランス象徴派の影響を受けた繊細な詩人。表現主義というのは、ドイツの前衛芸術家を修飾する時代区分用語である。

今日の絵はちょっと問題がある。詩と絵が限定しあわないよう気をつけなければいけないが。ドイツの画家フリードリヒCaspar David Friedrich(1774 –1840)の “Der Wanderer über dem Nebelmeer” である。

Untergang

Die kupferrote Sonne im Versinken
Hängt zwischen Höhlen scharf gezackter Zweige
In harter Glut der strahlenlosen Neige,
Die feuchte Luft scheint allen Glanz zu trinken.

Die grauen Wolken, auf geschwellt von Regen,
Mit langen Schleppen, die am Boden schleifen,
Und lau umströmt von schwachen Lilastreifen,
Ergießen dünnes Licht auf allen Wegen.

Nur in der Bäume enggedrängten Gruppen,
Die steil wie Inseln aus den grünen Matten
Des Parkes steigen, lagern dichtre Schatten,
Hinsinkend von den braunen Hügelkuppen.

Ernst Stadler


日没

沈み行く赤銅色の太陽が
鋭く開いた窪みに架かり
傾斜は鈍く光り、硬く輝く
湿気は光を飲み込むよう。

灰色の雲が驟雨で膨張し
疲れて長い裾を引きずり
藤色の細い縞に囲まれて
か弱い光が路面に洩れる。

公園の緑色した絨毯から
小島の如くにそびえ立つ
密集した樹々に忍び寄る
茶色い丘の頂から暗い影。

シュタットラー

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178.エリーザベト・フォン・ヘルツォーゲンベルクからブラームスへ

ベルリン、1885年11月4日

 親愛なる友へ

 昨日フラウ・シューマンから手紙を受け取りました。それから推察するに、どうしましょう、交響曲は日曜日の朝までに届かなかったみたいです。わたしがあなたの命令に背かなかったことを断言するために、手紙を今書いていますが、わたしは小包を29日、金曜日午後4時 に郵便局に持っていきました。フランクフルト急行はここを八時に出ますので、土曜日には着くと考えたるのは間違ってはいないと思いますが。着いてはいなくて、その結果、あなたとフラウ・シューマンがあわてていることを知って、わたしは言いようもないほど苦しい思いをしました。たぶんわたしに重大な不注意と 怠慢があると考えて、あなたは罵ったことでしょう。「これが親切と寛大にたいして私が受け取ったお礼だ」わたしはあなたの話が聞こえますし、あなたの仰せのとおりであることを認めます。わたしは特別な場合には一日の余裕を持たせるようにしてきました。木曜日に送るべきでした。でもヨアヒムとハウスマンが 交響曲をぜひ聴きたいといいますし、夜になるまで来られなかったのです。あなたは「遅くとも土曜日にはフランクフルト」と書いてこられたので、金曜日に発送するのは罪を犯すことにはならないと考えたのです。

 どうかこれ以上怒らないでください。わたしは非常に真面目に事態を考え、とくにフラウ・シューマンが演奏会(1)の前にそれを慈しむことができなかったことで申し訳ないと思っております。

 わたしを安心させる便りを下さい。この大騒ぎの中でも優しい思いやりを下さい。マイニンゲンに行かれたヘル・グロッサー(2)は――幸せな人です!――コンサートについて素晴らしい説明をしてくれました。彼によると交響曲は信じられないほど美しく響いたそうですが、その間わたしたちは黙っていました。彼が話したのはルビンシュタインの家でした。気の毒な主人(3)は まったく別の感情で聞いていたはずです。わたしたちは現在彼の演奏を当地で少しばかり聴きすぎていますので、残念ではありますが、彼とはどうしても衝突し てしまいます。彼がオーケストラをすべて知り尽くしており、音色とタッチが最高に精妙で豊かであることは否定できません。彼は演奏する曲にますます無頓着になり、リズムやその他のことで軽率な態度を取るようになりました。なんとも気の毒なことです。

 ライプツィッヒ子は交響曲が聴けるのですか。ではわたしたちも行くとしましょう。ところでベルリンはどうなりますか。

 では怒らないでくださいね。わたしの無実を信じてください。――では取り急ぎ。

E.H.より

郵便局の人たちは、小包は土曜日に着くと保証したことを付け加えます。



(1) 11月3日フランクフルトで。

(2) ユリウス・グロッサー(Julius Grosser, 1844-?)。書籍販売業者、記者。ブラームスとウィーンで知り合った。

(3) アントン・ルビンシュタインはブラームスの音楽の公然たる敵であり、聴衆の前で1曲も弾いたことはない。彼の有名な音楽史コンサートからブラームスの名前は外してあった。

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