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「今日の詩」はイェーツの詩である。長ったらしいタイトルなので、イェーツには申し訳ないが「親友の悪口を言った連中」にした。話者がイェーツかもしれないが、親友が誰かわからない。ひょっとしたらイェーツ本人かもしれない。 絵は絵描きであるイェーツの父親が描いた若き頃のイェーツである。 He Thinks Of Those Who Have Spoken Evil Of His Beloved Half close your eyelids, loosen your hair, And dream about the great and their pride; They have spoken against you everywhere, But weigh this song with the great and their pride; I made it out of a mouthful of air, Their children's children shall say they have lied. William Butler Yeats 親友の悪口を言った連中 目を半ば閉じて、リラックスして 大人物とご自慢の業績を考えてごらん。 連中は君の悪口を言いふらしたけど この詩と連中ご自慢の詩を計ってごらん。 ずばり言わせてもらうが 連中の孫たちは祖父が嘘をついたと言うはずだ。 イェーツ
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2007年11月20日
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今日のエミール・ネリガンはフランスのシャンソン風の詩 “Frisson d'hiver” tashou直訳すれば「冬の身震い」であるが、仮題「冬のガス灯」にした。パリでは信じられない寒さのケベックであるが、ガス灯など舞台道具は揃っているので、演歌にすれば「ケベック冬景色」といったところか。 困ったのは各詩節に出てくる “Gretchen” という女の子の名前をどうカタカナ表記するかである。もちろんこれはゲーテのファウスト博士が誘惑した純情可憐な乙女の名前である。移民社会のカナダで純然たるドイツ系の “Gretchen” がいてもおかしくはない。ただ彼がこのドイツ娘の名前をどう発音したのか不明である。 余談になるが、“Gretchen” はフランスで非常に有名なドイツ娘の名前だそうである。ネリガンが詩を書いていた頃の歴代のフランス政府は、反ドイツ感情を煽り、国論を統一しようとしてきた。その犠牲になったのが “Gretchen” 。彼女はデブで、無教養で、田舎くさく、さらに貞操観念のないドイツ娘のイメージを植え付けられ、ドイツ文化全体の蔑称として大いに利用された。 ネリガンがフランスで不人気な女性を登場させた意図を詮索するのは差し控えよう。一応「グルシャン」とカタカナ表記しておいた。日本人には知らなくてもロマンチックに響く「グレートヒェン」も寒いケッベクの「グルシャン」になるとくしゃみが出そうな寒い感じに響く。 Frisson d'hiver Les becs de gaz sont presque clos : Chauffe mon coeur dont les sanglots S'épanchent dans ton coeur par flots, Gretchen ! Comme il te dit de mornes choses, Ce clavecin de mes névroses, Rythmant le deuil hâtif des roses, Gretchen ! Prends-moi le front, prends-moi les mains, Toi, mon trésor de rêves maints Sur les juvéniles chemins, Gretchen ! Quand le givre qui s'éternise Hivernalement s'harmonise Aux vieilles glaces de Venise, Gretchen ! Et que nos deux gros chats persans Montrent des yeux reconnaissants Près de l'âtre aux feux bruissants, Gretchen ! Et qu'au frisson de la veillée, S'élance en tendresse affolée Vers toi mon âme inconsolée, Gretchen ! Chauffe mon coeur, dont les sanglots S'épanchent dans ton coeur par flots. Les becs de gaz sont presque clos... Gretchen ! Emile NELLIGAN (1879-1941) 冬の身震い ガス灯は消えかかっている。 僕の心を暖めておくれ 僕のすすり泣きで溢れる君の心 グルシャン! 僕の心が君に悲しい話を知らせたように 僕の神経のクラブサンは早く散った あのバラにリズムを合わせる グルシャン! 顔を見せておくれ、手を握らせておくれ 君は青春の道をいく僕の 大事な夢の宝物だ グルシャン! 霧がいつまでも消えることなく 冬にはヴェニスのガラスと よく合うとき グルシャン! 僕たちの二匹の大きなペルシャ猫が 火が音を立てる暖炉に近付き 嬉しそうにしているとき グルシャン! 夜のパーティーで震えながら 僕の慰まぬ心は驚くほど優しく 君の所へ飛んでいくよ グルシャン! 僕の心を暖めておくれ 僕のすすり泣きで溢れる君の心。 ガス灯は消えかかっている グルシャン! エミール・ネリガン
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今日のリルケの詩は “Liebeslied” 邦題は「愛の歌」である。詩中 “Tiefen” という言葉が出てくるが、この意味がどうしても分からなかった。形容詞“tief” 「深い」が名詞化したものか?私の辞書も文法書もその解釈を肯定していない。とりあえず「心(の奥底)」と誤魔化した。そのせいか、訳が混乱している。 つい「君」のことを考えてしまう「僕」は「君」以外のことを考えるようになりたい。これを「僕の心」を移転させたいと表現している。ここまでは理解できる。巧妙な愛の告白である。後半はバイオリンの二本の弦のようにともに一つの音を奏でることの難しさを述べている。前半で現在の心境を述べ、後半でその心境になったことの説明を語っているのであろうか。釈然とはしないが、一応投稿する。 Liebeslied Wie soll ich meine Seele halten, daß sie nicht an deine rührt? Wie soll ich sie hinheben über dich zu andern Dingen? Ach gerne möcht ich sie bei irgendwas Verlorenem im Dunkel unterbringen an einer fremden stillen Stelle, die nicht weiterschwingt,wenn deine Tiefen schwingen. Doch alles, was uns anrührt, dich und mich, nimmt uns zusammen wie ein Bogenstrich, der aus zwei Saiten eine Stimme zieht. Auf welches Instrument sind wir gespannt? Und welcher Spieler hat uns in der Hand? O süßes Lied. Rainer Maria Rilke 愛の歌 僕の心が君に感じぬためには どうしたらいいか?僕の心が 君以外に移るにはどうすれば? 僕の心を移転させたい、どこか 暗くて孤独な地方の初めての 静かな所、君の心が揺れても 二度と揺れない所がいいのだ。 君と僕、二人が感動する物なら バイオリン演奏の様に二本の 弦から出てくる音は一つだけ。 僕たちをどの楽器に張ろうか? そして僕たちを演奏する人は? ああ美しい歌曲 リルケ
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196.エリーザベト・フォン・ヘルツォーゲンベルクからブラームスへ [ベルリン]1886年12月31日] 親愛なる友へ わたしたちがヨアヒムと一緒に夕食をしておりましたら、あなたの書留小包が二つ到着しました。わたしたちは当然食事を急ぎ、ソナタに取りかかりました。試演は決して不満足ではありませんでした(1)。フラウ・フォン・B__が手紙で言っていたほどの難曲ではなくて助かりました。リズムで厄介だったのは最終楽章だけです。曲はすべて愛撫したくなります。わたしはどんなに喜んで第一楽章でクラウス・グロートの歌(2)に会い抱きしめたことでしょう。第一楽章は太陽のように明快で、第二楽章のパストラールは 愛らしく、第三楽章は弾き終えたときには、すっかりわたしのお気に入りでした。いいですか、あなたは大変な喜びをわたしたちに与えたのです。でもああ、なぜ、なぜ、トリオのパーツを送らずに、わたしたちを悲観させるのですか。あなたが新年を気持ちよく迎えたければ、すぐに送ってください。ヨアヒムが懇願し ています。 この短い手紙で我慢してください。この手紙はベルリンW.で、今月31日、午後8:30に受領の証書です。まだ新曲を知り、初演奏した興奮の温もりが残っています。 どうか、どうかトリオのパーツを送ってください。わたしたちには時間がありますので、すべてあなたの手許に早く戻ります。 あなたの曲は愛すべきものです。あなたもそうでしょう。トリオ・パーツでわたしたちを幸せにしてください。 感謝し、幸せなあなたのエリーザベト・ヘルツォーゲンベルクより (1) 書簡193。 (2) イ調のソナタ(作品100)の第2主題は「メロディーのように」の主題の変奏であり、クラウス・グロートの追想である。この歌曲はソナタの前に作曲され、「雨の歌」とト調のバイオリン・ソナタと同じ関係にある。イ長調ソナタにはさらに追想がある。すなわち、最終楽章には「教会の墓地で(Auf dem Kirchhofe)、作品105第4曲」の感触がある。
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桜と日本人ですね。なぜか、三島由紀夫を思...



