ヘ短調作品34

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「今日の詩」は昨日送られてきたブラウニング夫人の “The Lady's Yes” 「女のハイ」である。苦手の詩人だが、エミリー・ディキンソンが崇拝する詩人の一人。エミリーを読んでいたせいか、今回は訳しやすかった。ブラウニングとの関係で作詩したものかどうかは制作年が不明なので分からない。間違いなく両者に共通点がある。

今回の詩は強弱格(trochee)を意識したものである。すでに彼女は「愛してね」で試みている。その時は7音節と6音節の繰り返しで作詩している。今回は7音節で終始している。すなわち
(強、弱、強、弱、強、弱、強)で終始したかったようである。これは当然であろう。韻文であるので、最後に強が来る必要があるからである。「愛してね」の場合、6行の所で同じ単語を繰り返したのはともかく、- ing を行末に使っている。これはヴィクトリア朝では韻とみなされなかったものである。今夏の「女のハイ」も「愛してね」も命令形の行が多い。完全とはいえないが、ほぼ強弱格が成立していることを示すために、強勢のある部分を太字で表記した版を付け足した。参考になれば幸である。さらに一箇所を除き韻の対が取れており、彼女が大変な技巧の持ち主であることを証明している。韻の構造は
[a, b, a, b]である。

絵はイギリスの画家ラファエル前派の Arthur Hughes (アーサー・ヒューズ)作「長い婚約」である。


The Lady's Yes

"Yes," I answered you last night;
"No," this morning, Sir, I say.
Colours seen by candlelight,
Will not look the same by day.

When the viols played their best,
Lamps above, and laughs below--
Love me sounded like a jest,
Fit for Yes or fit for No.

Call me false, or call me free--
Vow, whatever light may shine,
No man on your face shall see
Any grief for change on mine.

Yet the sin is on us both--
Time to dance is not to woo--
Wooer light makes fickle troth--
Scorn of me recoils on you.

Learn to win a lady's faith
Nobly, as the thing is high;
Bravely, as for life and death--
With a loyal gravity.

Lead her from the festive boards,
Point her to the starry skies,
Guard her, by your truthful words,
Pure from courtship's flatteries.

By your truth she shall be true--
Ever true, as wives of yore--
And her Yes, once said to you,
SHALL be Yes for evermore.

Elizabeth Barrett Browning


"Yes," I answered you last night;
"No," this morning, Sir, I say.
Colours seen by candlelight,
Will not look the same by day.

When the viols played their best,
Lamps above, and laughs below--
Love me sounded like a jest,
Fit for Yes or fit for No.

Call me false, or call me free--
Vow, whatever light may shine,
No man on your face shall see
Any grief for change on mine.

Yet the sin is on us both--
Time to dance is not to woo--
Wooer light makes fickle troth--
Scorn of me recoils on you.

Learn to win a lady's faith
Nobly, as the thing is high;
Bravely, as for life and death--
With a loyal gravity.

Lead her from the festive boards,
Point her to the starry skies,
Guard her, by your truthful words,
Pure from courtship's flatteries.

By your truth she shall be true--
Ever true, as wives of yore--
And her Yes, once said to you,
SHALL be Yes for evermore.


女のハイ

昨晩はハイと返事し
今朝はイイエと言う。
ロウソクで見た色も
陽の光で変わるもの。

ビオールの響が良く
上にランプ下に微笑―
愛しても冗談に聞え
ハイともイイエとも。

不実と勝手と仰いな―
どんな光でも誓うわ
変心歎く貴方の表情
誰も気付きはしない。

二人ともが犯した罪―
舞って求婚するのは―
求婚者は軽率に誓う―
双方を往来する軽蔑。

女の真心を掴むには
大事なときは気高く
生死の話では勇敢に
誠実と厳粛を備えて。

女を宴から連れ出し
女に星の空を指差し
誠な言葉で安心させ
一切お世辞言わない。

女は真心には真心で
昔の妻のように応え―
一度ハイと答えたら
永久に貴方のハイに。

ブラウニング夫人

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今日のエミール・ネリガンは悪ガキである。もう一人の悪ガキと教会に忍び込み、悪ふざけをする。月が光る森の礼拝堂での悪戯。月の光もフランス語ではなんだか象徴的な意味を持つような気がしてくるから不思議である。


Chapelle dans les bois

Nous étions là deux enfants blêmes
Devant les grands autels à franges,
Où Sainte Marie et ses anges
Riaient parmi les chrysanthèmes.

Le soir poudrait dans la nef vide ;
Et son rayon à flèche jaune,
Dans sa rigidité d'icone
Effleurait le grand Saint livide.

Nous étions là deux enfants tristes
Buvant la paix du sanctuaire,
Sous la veilleuse mortuaire
Aux vagues reflets d'améthyste.

Nos voix en extase à cette heure
Montaient en rogations blanches,
Comme un angélus des dimanches,
Dans le lointain qui prie et pleure...

Puis nous partions... Je me rappelle !
Les bois dormaient au clair de lune,
Dans la nuit tiède où tintait une
Voix de la petite chapelle...


森の教会

僕たち子供二人は青ざめ
飾りの付いた祭壇の御前
聖母マリアと天使たちが
菊の間から微笑んでいた。

夕闇は無人の聖堂に降る。
黄色い矢の付いた光線を
いとも厳粛なるイコンに
霊の如き大聖人を掠める。

僕たち子供二人はあわれ
聖なる内陣の平安を飲む
亡骸安置室の灯火の下で
紫水晶が揺らぎ反射する。

白い祈願のお供えに上り
この時僕達の声は有頂天
日曜日のお告げのように
遠くでは祈りと歎く声が...

僕たちは出た...覚えている!
月の光浴びて眠れる森を
生暖かい夜に響いていた
小さな教会の鐘の鳴る音。

エミール・ネリガン


Photo by Maclomhair @flickr

黄昏 -- シュタットラー

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今日のシュタットラーは “Dämmerung” 「黄昏」である。陽が暮れて暗雲が垂れ込める大都市での描写に始まり、間近い「最後の戦争」の予感へと導入される。多くの若者同様にシュタットラーも肌寒い秋の天気に武者震いしながら、戦争が不可避であると感じ、覚悟を決めたようである。

絵はHans Baluschekというドイツの画家のベルリン風景である。


Dämmerung

Schwer auf die Gassen der Stadt fiel die Abenddämmerung.
Auf das Grau der Ziegeldächer und der schlanken Türme,
Auf Staub und Schmutz, Lust und Leid und Lüge der Großstadt
In majestätischer Unerbittlichkeit.

Aus Riesenquadern gebrochen dunkelten die Wolkenblöcke
Brütend, starr... Und in den Lüften lag's
Wie wahnwitziger Trotz, wie totenjähes Aufbäumen –
Fern im West verröchelte der Tag.

Durch die herbstbraunen Kastanienbäume prasselte der Nachtsturm,
Wie wenn Welten sich zum Wachen wecken
Und zur letzten, blutigen Entscheidungsschlacht.

Trotz im Herzen und wilde Träume von Kampf und Not und
brausendem Sieg,
Lehnt' ich am Eisengitter meines Balkons und sah
Die tausend Feuer blecken und die roten Bärte flackern,
Sah den wunden Riesen einmal noch das Flammenbanner raffen.

Einmal noch das alte, wilde Heldenlied aufhämmern
In wirbelnden Akkorden –
Und zusammenstürzen
Und vergrollen
Dumpf –
Fern...
Auf der Straße Droschkenrasseln. Musik. Singende Reservisten.
Jäh fahr ich auf –
Über Türmen und Dächern braust die Nacht.

Ernst Stadler


黄昏

都市の街路に重くのしかかった黄昏。
スレート葺きの屋根や細い塔の上に
埃と塵の上に、大都市の欲望と苦悩と欺瞞の上に
尊大で容赦ない。

雲の塊は巨石を割り出でて黒ずみ
垂れ込め、硬くなり...空では
無意味な抵抗のよう、死の絶壁をよじ登るよう –
一日がはるか西に喉を鳴らして死んだ。

夜の嵐が色付いた秋栗をはためいた
世界が警備に目を覚まし
血なまぐさい最後の決定的戦闘に向かうようだ。

心中の抵抗と夢に見る野蛮な戦闘と苦難と
嵐の勝利
僕はバルコニーの鉄の格子に寄りかかり心に描いた
閃光発する千の砲と揺れる赤い髭と
燃える軍旗をもう一度取り上げる偉丈夫。

もう一度昔の猛々しい英雄の歌を
目くるめく音で鍛錬し
倒壊し
鳴り響き
ドシン
はるか彼方...
街を行く馬車のゴロゴロ。音楽。予備役兵の歌声。
僕も登るぞ −
塔と屋根に夜は鳴る。

シュタットラー

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181.ブラームスからエリーザベト・フォン・ヘルツォーゲンベルクへ

[ウィーン、1885年12月5日]

 親愛なる友へ

 あなたの幼いお弟子さんには来てもらって結構です。正直いって、私が神童に興味を持つのは演奏が愉快なときに限ります。私は神童が信じられないことをやってのけるのを何度も見てきました。――みな煙の中に消えていきました。

 でも、ある水準に到達する自信もなければ友人をも確信させられない若者を誰が世話を焼きますか。

 私が例の交響曲(1)で あなたに感謝しないなんてありえますか。とすれば、たんに「感謝」以上のことを言いたかったのです。しかしあなたと違ってその方面で達者な才が私にはあり ません。でも断言できますが、私以上に、この曲に喜んで没頭するものはいませんし、この曲に含まれている良いもの美しいものすべてを評価できるのもいませ ん。ハインツと私だけになれたら、大変結構なのだが。私の記憶が新鮮なうちに考えていることすべてを話すのですが。

 だが、この作品はとりわけ複雑なので、今詳細に検討することは不可能です。

 ハインツが最初の交響曲で聴衆に緊張を強いたことを、私は哀れで(こう言えばあなたは激怒するでしょう)仕方がないのです。弦楽三重奏や四重奏でこの点で改善されるという希望を抱かせてくれましたが。つぎには、仰々しい尊敬の念を聴衆に植えつけようなどという意図はない作品を期待しましょう。

 私は第一小節から始め、心ゆくまでしゃべりたい気がします。いつも感ずることですが、私に興味が持てるものを請求したいのです。散歩のときに持って行ってはその展開の可能性に考えさせていただきたいたいのです。

 当地でのシューマン・リサイタル以来、私はルビンシュタインがずいぶん辛抱強いと思いました。最近の演奏を聴きましたか。彼は14回のリサイタル(2)をモスクワとセント・ペテルスブルクで交互に一度に二つも開きました。ということは、14回には16時間の旅が含まれているということです。

 ここに着いたとき手紙の束がありました。ヨアヒムのものは音楽院に送りました。

誠実なるあなたのJ.ブラームス.より


(1) 彼女がこの前の手紙の最後で「わたしたちの交響曲」と言ったのを、ブラームスはヘルツォーゲンベルクの交響曲と受け取ったのである。

(2) 有名な音楽史リサイタル。あらゆる時代のピアノ音楽を年代順に演奏した。

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