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「今日の詩」はエミリー・ディキンソンの “The Hills erect their Purple Heads” 邦題は「丘は紅い頭を上げ」にした。おおよそ「叙情的」とは言えない。「警句」を四行詩の形式にまとめたものである。彼女がこだわるバラッド形式。8音節と6音節から成立している。 内容は、丘は頭を上げて見ようとする。川は身を屈めるようにして流れて行く。これは好奇心が旺盛だからである。万物の霊長たる人間に欠けるのはこの好奇心というものである。英語では結構音の響きが良いし、”lean” には好奇心の含意もある。私が訳すと非常につまらない。詩の翻訳などあり得ない、ただ解説があるだけだという吉川幸次郎先生の意見に同意したくなる。 The Hills erect their Purple Heads The Hills erect their Purple Heads The Rivers lean to see Yet Man has not of all the Throng A Curiosity. Emily Dickinson 丘は紅い頭を上げ 丘は紅い頭を上げ 川は見聞に下る 人間にだけない 好奇心。 エミリー・ディキンソン 最後にアクセントのある部分を太字で表した。素人であるから間違いがあるかもしれない。 The Hills erect their Purple Heads The Rivers lean to see Yet Man has not of all the Throng A Curiosity. Photo by Star Lisa @flickr
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2007年11月09日
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今日のエミール・ネリガンはショパンと題する詩。彼はショパンを愛しているのか、ショパンを弾いている女流ピアニストを愛しているのか。どうも曲はショパンの「葬送行進曲」らしい。 この女性のブドワールから流れてくるな曲ならなんでも好きになりそうなネリガンの心情を感じて、タイトルはショパンだけれどルノアールの女流ピアニストの絵を選んだ。 Chopin Fais, au blanc frisson de tes doigts, Gémir encore, ô ma maîtresse ! Cette marche dont la caresse Jadis extasia les rois. Sous les lustres aux prismes froids, Donne à ce coeur sa morne ivresse, Aux soirs de funèbre paresse Coulés dans ton boudoir hongrois. Que ton piano vibre et pleure, Et que j'oublie avec toi l'heure Dans un Eden, on ne sait où... Oh ! fais un peu que je comprenne Cette âme aux sons noirs qui m'entraîne Et m'a rendu malade et fou ! ショパン 僕の尊敬する女流ピアニスト! 完璧な指捌きで国王達を恍惚 とさせた愛撫であの行進曲を もう一度泣かせて欲しいのだ。 冷たきプリズムの輝きを通し 哀愁の酩酊をこの心に与えよ ハンガリー風ブドワールから 気だるい追悼の夕暮に流れよ。 汝のピアノは揺れては泣きて 汝とともに僕は時間を忘れて 誰も知らぬエデンの園の中に... ああ!少し、分かっているよ 僕はこの黒き音に魅了されて 病にかかり、気が狂ったのだ! エミール・ネリガン
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シュタットラーはまたしても夕闇を舞台に設定する。彼は暗い夜に輝く花ではない。絢爛たる夕陽を浴びて、遥か遠く「聖杯」を拝みに大聖堂に詣でる。贅を極めながら、神聖にして恐怖の大聖堂の夜。「聖杯」を安置する櫃を暗闇に拝観し、突然金色の滴と音を頂く所で締めくくっている。まさに色彩の詩人シュタットラーらしい。前から気付いていたのが、シュタットラーは "•" を使う。私には初めての経験である。これにより "und" 等を省き、韻律を保ちながら、修飾句を挿入できる場合がある。ちょっと悪趣味と思えるくらいの装飾効果を出すことも可能である。おそらく"," より弱く、連続性を保たせているような気がするが、これは彼に聞いて見なければ分からない。 Vom Gral Nun schreiten wir in Abends leisem Leuchten den Wiesenhang von Blumengold umschüttet den Schatten zu• die von erloschnen Hügeln hinsinken über das entflammte Tal. Uns ward die Mär von fernen Tempels Zinnen: Gold sind die Türme• silbern strahlt das Tor• weiß schimmern seine Alabastersäulen aus schwarzem Lorbeer vor und Rosenbüschen. Im Glühen und Verrieseln dunkler Dolden bebt zag der Schritt durch die verwunschnen Beete• der Stufen Glanz von rotem Licht umflattert• wo tief in klingender Gewölbe Schauern von Purpurnacht der Decken überströmt auf runder Schale schläft der heilige Kelch. Schon tropft das Dunkel über uns wie Tau. Wann rinnt es golden durch umflorte Wipfel? Wann lockt durch schwüle Stille süßer Ton? Ernst Stadler 聖杯 快き黄昏の光の中、我らには 黄金の花降り注ぐ緑の傾斜も 視界から消えた丘から燃える 渓谷へと沈み行く陰に過ぎぬ。 話は我らの遥かな寺院の胸壁。 塔は黄金・銀色に光り輝く扉・ 黒き月桂樹とバラの茂みから 白く煌めくアラバスターの柱。 暗き散形花序の輝きと滴の中 忌々しい草を震えて行く足取・ 赤い光に揺られる階段の輝き・ 反響するドームに天井を覆う 深紅の夜の恐怖が円形の櫃に 溢れ出る所に聖なる杯は眠る。 一瞬暗闇が我らに滴り落ちた。 いつ霞む樹頂から金色の滴が? いつ熱き静寂から甘美な調が? シュタットラー
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185.ブラームスからヘルツォーゲンベルクへ [ウィーン、1886年2月24日] 親愛なる友へ ベートーベン自筆のもの(1)をお持ちかどうか知らせてください。もしお持ちでなかったら、私はあなたのシューベルトをお返しするついでに一枚同封します。私はとくにお伝えしておきたいのですが、ヴィッケンブルク伯爵夫人(2)が彼女のシューベルトを売りに出しています。私が知る限り、彼女は序曲の二重奏版を多少と変ホ調のトリオ以外に移調した「ミューラー歌曲(Mullerlieder )」を数曲持っています。――では失礼します。 あなたのJ.Br.より (1) ブラームスの自筆原稿収集の中には、ベートーベン自筆のソナタ作品106の30ページ分の楽譜と雑記帳があった。 (2) ウィルヘルミーネ・フォン・ヴィッケンブルク-アルマジー伯爵夫人(Gr??fin Wilhelmine von Wickenburug-Almasy)、女流詩人。
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桜と日本人ですね。なぜか、三島由紀夫を思...



