ヘ短調作品34

ルブランの回想録の link 先はゲストブックを御覧ください。

過去の投稿日別表示

[ リスト | 詳細 ]

全1ページ

[1]

イメージ 1

「今日の詩」はフロストの詩 “The Vanishing Red” 「最後のインディアン」である。文明に染まると仕草や表現も文明的になるものだが、「ミラー」という名前で呼ばれるインディアンはよく通じない英語で、粉ひきで食べているようである。そのインディアンの話を教養のあるフロストは無教養な人の英語を駆使して物語っている。

インディアンは飯の種である「回転容器」の用語も分からず、ジョンという客人の「回転容器」を見たい要望に「親切に」応えて、「地下室」に案内し、一人で戻ってきた。ちょっと気になる幕切れである。

英語の農業用語も分からず、まして田舎丸出しの英語である。今頃文中にあるようにやはりニュー・ハンプシャーに行っても、この詩の内容がわかるかどうか。とにかく投稿する。


The Vanishing Red

He is said to have been the last Red man
In Acton. And the Miller is said to have laughed--
If you like to call such a sound a laugh.
But he gave no one else a laugher's license.
For he turned suddenly grave as if to say,
'Whose business,--if I take it on myself,
Whose business--but why talk round the barn?--
When it's just that I hold with getting a thing done with.'
You can't get back and see it as he saw it.
It's too long a story to go into now.
You'd have to have been there and lived it.
They you wouldn't have looked on it as just a matter
Of who began it between the two races.

Some guttural exclamation of surprise
The Red man gave in poking about the mill
Over the great big thumping shuffling millstone
Disgusted the Miller physically as coming
From one who had no right to be heard from.
'Come, John,' he said, 'you want to see the wheel-pint?'

He took him down below a cramping rafter,
And showed him, through a manhole in the floor,
The water in desperate straits like frantic fish,
Salmon and sturgeon, lashing with their tails.
The he shut down the trap door with a ring in it
That jangled even above the general noise,
And came upstairs alone--and gave that laugh,
And said something to a man with a meal-sack
That the man with the meal-sack didn't catch--then.
Oh, yes, he showed John the wheel-pit all right.

Robert Frost.


最後のインディアン

彼はアクトン最後のインディアンだったと
言われている。話ではミラーは笑った―
この声を笑い声というならばだが。
だがこの笑い方は真似できるものではない。
「誰の仕事?―自分でやっている
誰の仕事?―小屋か?回りくどいね―
自分でやれると思ったら、やるのさ」
ここで止めるわけにはいかない、見た通りを話そう。
説明しだすと長くなる。
そこに来て住み着くのが一番だが。
見に来ない人にはこれは
人種の違いから生じた事と思う。

途方もなく大きくてのろのろした石臼の上の
粉ひき器を突くと
喉から出たような音が出ると
声を出す権利もないのに
声を出すのでミラーはムカムカした。
「ジョン、来いよ、回転容器を見たいのだろう?」

彼はジョンを狭いたるきに案内し
床のマンホールから下を見せた。
絶望的に狭い水はまるで必死の魚
鮭かチョウザメが尾ひれを叩くよう。
彼は鈴の付いた引き戸を閉めたが
その音は普通の騒音より大きく響き
一人で上に戻り ― 例の笑い声で
袋を持った男になにやら言ったが
袋を持った男は聞き取れず−そして。
確かに彼はジョンに順調な回転容器を見せた。

フロスト

イメージ 1

今日のエミール・ネリガンの詩は "Vieux piano" 「古いピアノ」である。彼の詩によく出てくる「音楽」、「女流音楽家」が登場するが、類型としては「廃墟」に属するものであろう。以前は華やかにサロンで活躍したピアノが日陰に眠っている。

データ・ベースではエミール・ネリガンの最後にある詩であるので目に付いて今日取り上げたが、別段意味はない。このデータ・ベースはアルファベット順に配列している。フランス語では V が最後のアルファベットといってよい。別に彼の詩人としての最後の作品というわけではない。いつもの調子である。


Vieux piano

L'âme ne frémit plus chez ce vieil instrument ;
Son couvercle baissé lui donne un aspect sombre ;
Relégué du salon, il sommeille dans l'ombre
Ce misanthrope aigri de son isolement.

Je me souviens encor des nocturnes sans nombre
Que me jouait ma mère, et je songe, en pleurant,
À ces soirs d'autrefois - passés dans la pénombre,
Quand Liszt se disait triste et Beethoven mourant.

Ô vieux piano d'ébène, image de ma vie,
Comme toi du bonheur ma pauvre âme est ravie,
Il te manque une artiste, il me faut L'Idéal ;

Et pourtant là tu dors, ma seule joie au monde,
Qui donc fera renaître, ô détresse profonde,
De ton clavier funèbre un concert triomphal ?

Emile NELLIGAN (1879-1941)


古いピアノ

この古い楽器の魂は感動して震えない。
このうつむいた瞼、この沈んだ顔付き。
サロンから追われ、ピアノが眠る日陰
この人間嫌いのピアノ寂しく気難しい。

僕が忘れられないのはお母さんが僕に
弾いてくれた夜想曲、涙して思い出す
リストの回想とベートーヴェンの臨終
たそがれて過ぎて行った − ある夜のこと。

漆黒の古いピアノ、僕の人生そのまま
君が幸せなら、哀れな僕も嬉しいけど
君の懐かしい女流演奏家、僕の理想の ―

でも眠れる君こそ、僕の唯一の喜びだ
なんと惨めな君、葬送の鍵盤から君を
目覚めさせ凱旋演奏会で弾くのは誰か?

エミール・ネリガン

イメージ 1

今日のリルケの詩は “Tränen, Tränen, die aus mir brechen” 「流れる僕の涙また涙」である。結局題名はなかったのであろう。リルケがこの時期に死に瀕するような病気になったという記述にはであっていない。死にそうな人は「死」を語らないものである。元気だったのだろう。

短いから選んだし、韻文を書く人の手の内は多少とも分かりかけてきたつもりであるが、ドイツ語の語彙は相変わらずお粗末である。たとえば” Mohr” であるが、辞書を引けば「ムーア人」である。すなわち色が黒く、異教のイスラム教徒をさす。この頃は罵倒語として使っていいのか、私には分からない。”schwarz” では韻律を損なうが。私の辞書では判断できない。

二度目になるかもしれないが、ブルーゲル父の「死の勝利」である。


Tränen, Tränen, die aus mir brechen
Paris, Spätherbst 1913

Tränen, Tränen, die aus mir brechen,
Mein Tod, Mohr, Träger
meines Herzens, halte mich schräger,
daß sie abfließen. Ich will sprechen

Schwarzer, riesiger Herzhalter.
Wenn ich auch spräche,
glaubst du denn, dass das Schweigen bräche?

Wiege mich, Alter.

Rainer Maria Rilke


流れる涙また涙

パリ、1913年晩秋

流れる僕の涙また涙
嫌らしい死、僕の心臓を
握る死、その時は涙が流れるように
僕を傾けておくれ。僕はしゃべるからな

心臓を止めるこの嫌な大男に
僕がしゃべれば
死んではいないことに気付くだろう?

僕に優しくな、爺さん。

リルケ

イメージ 1

214.エリーザベト・フォン・ヘルツォーゲンベルクからブラームスへ

ミュンヘン、ヘス・シュトラーセ 30

1887年12月30日

 親愛なる友へ

 これはご挨拶にすぎません。見知らぬはるか遠い町から、ライプツィッヒ(1)の 皆さんを想い、心の内をあかす憂鬱な挨拶です。おお、フンボルト・シュトラーセ。おお、ツァイター・シュトラーセ。「汝の梢のなんと暗きことか。」ああそ うです。幸福の日々は若き勇気とともに消え去りました。今わたしたちは日々のパンを得んがために、希望にすがり、忍従と諦観で生きております。時々、再び 元に戻ることはないと思うことがあります。頭を抱えると、いつもは抑えられる涙がしたたります。もしあなたが幸福になれる、陽気になれる、さらには再び若くなれると感じる限りは、人生の良きことすべてを放棄することはありません。陰鬱な治療の契約を結ぶには早すぎます。

  願わくはわたしたちも良き日が見られますように。わたしは時々体力の衰えと、あなたはわたしの生来の陽気と言われましたけど、もう失われて再び呼び戻せない気がします。わたしの病人さんは逆に痛みが和らぐとびっくりするほど元気です。彼の精神も明晰です。先日、彼は下属音とその代用について凝った講義をし ましたし、あなたのコンチェルトのスコアを楽しそうに読んでいました。スコアは時々ベッドの上に広げてあります。あなたに言いましたが、彼はけっしてノイ ヴィッテルスバッハで良くなってはいません。ですから、いろんな理由を言っては彼が快方に向かっていることを信じさせています。それどころか、実際の病気 は――ここが肝心なところですが――悲惨なことに変化がないのです。覚悟はできていますが、医師は冬から何も良い変化がないというはずです。その後また彼 には訊くつもりでいますが、これでも良く見込みはあるのでしょうか。

  いうまでもなく、わたしはあなたやライプツィッヒの友人のことを考えてきました。彼らはあなたとあなたの新曲をどんなに待ちわびたことでしょう。たとえ ば、エンゲルマン夫妻やレントゲン夫妻。明日のリハーサルが聴けたら、コンチェルト全体の着想が理解できるのですが、今はほんの一部だけです。一番愛らしいアダージオは全体の把握が容易ですが、他の楽章はきちんと研究する時間がありません。今日ライプツィッヒに集まっておられる友人すべてに書くとしたら、 わたしは運動が(医師の厳命です)できなくなりまし、フィリュ(2)にも助けて頂いたお礼を言わなければなりません。彼女はクリスマスからこちらにいてくれましたが、あいにく明日出発します。

 さようなら、親愛なる友。ライプツィッヒでは、あなたの訪問日はわたしたちの赤字記念日でした。その日の喜びが大きかっただけに、とくにこの状況では今回の欠席は二重に辛く感じられます。あなたの旧友からも哀れなわたしのハインリッヒからもよろしくとのことです。

エリーザベト・ヘルツォーゲンベルク



(1)ヨアヒムとハウスマンは1月1日にゲバントハウスで二重協奏曲を演奏した。指揮はブラームスであった。

(2)フロイライン・マリー・フィルンガー。

全1ページ

[1]


.
fminorop34
fminorop34
非公開 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31

過去の記事一覧

検索 検索

スマートフォンで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

スマートフォン版Yahoo!ブログにアクセス!

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

CMで話題のふるさと納税サイトさとふる
毎日お礼品ランキング更新中!
2019年のふるさと納税は≪12/31まで≫
数量限定!イオンおまとめ企画
「無料お試しクーポン」か
「値引きクーポン」が必ず当たる!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事