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「今日の詩」の選者が昨晩送ってきたのはブラウニング夫人の “The Weakest Thing” 「一番弱い物」である。今日のブラウニング夫人は妙に悲観的である。もっとも詩人の陽と陰は真に受けてはいけない。会心作が出来れば上機嫌になるはず。彼女は大変な技巧の持ち主である。彼女は英語で始めて成功した詩形の栄誉の持ち主である。 今日の詩の構造は奇数行が8音節、偶数行が5音節である。一詩節8行であるが韻の構造は [a, b, a, b, c, d, c, d] となっている。 The Weakest Thing Which is the weakest thing of all Mine heart can ponder? The sun, a little cloud can pall With darkness yonder? The cloud, a little wind can move Where'er it listeth? The wind, a little leaf above, Though sere, resisteth? What time that yellow leaf was green, My days were gladder; But now, whatever Spring may mean, I must grow sadder. Ah me! a leaf with sighs can wring My lips asunder - Then is mine heart the weakest thing Itself can ponder. Yet, Heart, when sun and cloud are pined And drop together, And at a blast, which is not wind, The forests wither, Thou, from the darkening deathly curse To glory breakest, - The Strongest of the universe Guarding the weakest! Elizabeth Barrett Browning. 一番弱い物 私が思い付くもので 一番弱い物は何かしら? 太陽もあの小さな雲で 暗くなるでしょう? 雲も弱い風で好きな所に 運ばてしまうでしょう? 風も枯れた葉にも 抵抗されるでしょう? 黄色い葉も緑だった頃は 私は楽しかった。 今は春に何事が起きても 私は悲しくなるばかり。 ああ!葉はため息で 私の唇を開かせる。 だから私が思い付くもので 一番弱いのは私。 そう、太陽と雲がやつれて 一緒に落ちたら 風どころか爆風一つで 森は枯れ 栄光を呪う暗き死で 汝は消える― 宇宙で一番弱い物を守る 宇宙で一番強い汝! ブラウニング夫人
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2007年12月11日
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今日のエミール・ネリガンはフランス象徴派の語彙を駆使しながらも、自分の知的人生の抱負を語っている。これが言われるように十代の作品であるとしたら、まことに早熟な少年であり、大変な読解能力と記憶力の持ち主である。彼は自分の思考が俗界から離れ、天界のアテネへと飛翔することを夢見ている。 絵はラファエロ Raffaello(1483 – 1520)の有名なフレスコ画「アテナイの学堂」である。 Clair de lune intellectuel Ma pensée est couleur de lumières lointaines, Du fond de quelque crypte aux vagues profondeurs. Elle a l'éclat parfois des subtiles verdeurs D'un golfe où le soleil abaisse ses antennes. En un jardin sonore, au soupir des fontaines, Elle a vécu dans les soirs doux, dans les odeurs ; Ma pensée est couleur de lumières lointaines, Du fond de quelque crypte aux vagues profondeurs. Elle court à jamais les blanches prétentaines, Au pays angélique où montent ses ardeurs, Et, loin de la matière et des brutes laideurs, Elle rêve l'essor aux céleste Athènes. Ma pensée est couleur de lunes d'or lointaines. Emile NELLIGAN (1879-1941) 月明かりの知性 はるか遠くに僕の思考を照らす 暗闇に沈む地下聖堂の微かな灯 太陽の光さえも届かぬ深淵から 時として妙なる命の輝きを示す。 噴水のため息に反響する公園で 快い夕暮の中、香の中で息づく。 はるか遠くに僕の思考を照らす 暗闇に沈む地下聖堂の微かな灯。 僕の思考はその情熱が燃え盛る 天使の国で空疎な見栄を張らず 物質や醜悪なる野獣とは縁遠く 天界のアテネへの飛翔を夢見る。 はるか遠くに僕の思考を照らす エミール・ネリガン
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今日のリルケは “Traumgekrönt” 「白菊の夢」である。直訳すると、「冠を戴いた夢」となるが、花は冠に喩えられるので「花の夢」とも思ったが、意地を張るわけでもないが、最初思い付いた邦題にした。季節の詩はどうしても類型化するので易しいはずだが。 Traumgekrönt Das war der Tag der weißen Chrysanthemem, Mir bangte fast vor seiner Pracht... Und dann, dann kamst du mir die Seele nehmen Tief in der Nacht. Mir war so bang, und du kamst lieb und leise, Ich hatte grad im Traum an dich gedacht. Du kamst, und leis' wie eine Märchenweise Erklang die Nacht. Rainer Maria Rilke 白菊の夢 その日に咲いた白菊の花 その華麗さで気になった... その後深夜になるとお前は訪問し 私は心を奪われた。 私は気になり、お前は優雅になり 以来私は君を夢に見た。 お前が訪れ、夜は童話のように 優しく響いた。 リルケ
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217.ブラームスからエリーザベト・フォン・ヘルツォーゲンベルクへ [ウィーン、1888年2月] 親愛なる奥様 私がフラウ・フランツより感受性に繊細さが欠けますが、あなたにとっては都合がよかったと思います。彼女にとっては、あなたの愛らしい大切な家(1)を赤の他人に貸すなどという考えは冒涜でしょうから。 私は彼女に一言いうのが遅かったと思うが、ゴンペルツ教授(2)に提案したいと思っています。彼は良い借り手だと思います。 帳尻を合わせるため、私は今まで陽気すぎる音楽(3)を送るのは不作法と考え差し控えておりました。この曲は一部の人が好んで歌いかつ聴いております。少しばかりの霊感がわけば、私はもっと真面目で鑑賞にたえるものを隠したりはしません。 でも私はあなたのお便りがいただきたいのです。私の手紙(4)はご返事を頂けるような代物ではないとは思います。 手紙を書くことで何かを得たいなどとは思ってはおりません。 もっとも誠実なあなたのJ.Br.より (1)ベルヒテスガーデンの「リスレイ」は空き家のまであった。 (2)Dr. Theodor Gomperz、ウィーンの古典言語学の教授。 (3)「四声とピアノ伴奏つきのジプシーの歌(Zigeunerlieder)、作品103」。 (4)書簡215。
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桜と日本人ですね。なぜか、三島由紀夫を思...


