ヘ短調作品34

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「今日の詩」の選者が送ってきた詩はエミリー・ディキンソンの “There Is No Frigate Like Book” 「こんなに速い軍艦はない」である。8音節と6音節の繰り返しによるバラッド形式が守られている。韻律は弱強格といっていいだろう。帆船、馬、馬車と乗り物が出てくるが、それぞれ本の特徴を描写に活用している。相変わらずよく計算された詩ではあるが、彼女は日本語にすると詰らない詩人の筆頭かもしれない。


There Is No Frigate Like A Book

There is no frigate like a book
To take us lands away,
Nor any coursers like a page
Of prancing poetry.

This traverse may the poorest take
Without oppress of toll;
How frugal is the chariot
That bears a human soul!

Emily Dickinson


こんなに速い軍艦はない

こんなに速い軍艦はない
本でどこでも行ける
こんなに逸る駿馬はない
頁めくれば詩がある。

越境したって貧乏人から
税を取りはしない。
こんなに安い馬車はない
人情があふれている。

エミリー・ディキンソン

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今日のエミール・ネリガンの詩は "Lied fantastique" 「幻想の歌」である。「象徴派」と評論家から名付けられたフランスの前衛詩人の影響を受けたネリガン少年。彼の詩は「象徴派」好みのテーマや語彙は盛んに使っているが、象徴的な表現は一向に現れなかった。今日始めて彼の象徴的な表現の一端を垣間見た気がする。彼には実験的なのか、ソネットという厳格な形式から難解になったのか私には分からない。私の語学力と私の持ち合わせるフランス語の辞書を総動員しても最初の第一詩節は誤訳の可能性は大いにある。

第一詩節の「全員みな麦の軍帽をかぶり」は、「瓦葺でない屋根」があり、「旧い銃」は煙突の象徴的表現であろうか。夕暮れ時のパリの風景描写であると同時に「銃」と「軍帽」という軍隊用語から危険な夜をになったことを暗示しているのであろうか。エミールの詩では始めての体験である。

第二詩節以降は、危険な連中がうろつく夜、彼と彼女の描写である。音節数と韻の関係からか、取って付けたような気がするが。まずはネリガン流の内容である。いつものネリガンではないことは確かである。

Lied fantastique

Casqués de leurs shakos de riz,
Vieux de la vieille au mousquet noir,
Les hauts toits, dans l'hivernal soir,
Montent la consigne à Paris.

Les spectres sur le promenoir
S'ébattent en défilés gris.
Restons en intime pourpris,
Comme cela, sans dire ou voir...

Pose immobile la guitare,
Gretchen, ne distrais le bizarre
Rêveur sous l'ivresse qui plie.

Je voudrais cueillir une à une
Dans tes prunelles clair-de-lune
Les roses de ta Westphalie.

Emile NELLIGAN (1879-1941)


幻想の歌

全員みな麦の軍帽をかぶり
ヴィエール並みに旧い銃を
持ち、冬の夕暮に高い屋根
立ち並び、パリは外出禁止。

並木道には幽霊が這い回り
灰色の細い小道に入り込む。
真紅の愛で、二人で休もう
こうして黙り、見ないでね。

ギターはそっと下において
グルシャン、注目されるよ
妙な奴が酔って夢見ている。

僕は君の瞳から集めたいよ
月の光をね、一つ、一つと
ウェストファリーのバラよ。

エミール・ネリガン

生け贄 -- リルケ

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今日のリルケは “Opfer” 「生け贄」である。私は最初黒ミサかなと思い、ウィキペディアで「黒ミサ」を参照した。キリスト教の教儀にすべて反し、悪魔を崇拝する儀式だそうである。ぶどう酒の代わりに処女の血を飲み、十字架を逆さまにした祭壇で執り行われるミサだそうである。その可能性もあるが、リルケはそんな猟奇的な殺人事件を新聞で読んだのかもしれない。それはリルケ研究者に任せるとしよう。10音節の強弱格が強い、韻文詩である。

「生け贄」と訳すのべきか、猟奇的な事件の「犠牲者」なのかは判断できなかったが、写真だけは気持ちのいい「お供え」にした。「黒ミサ」に興味がある方は日本語ウィキペディアを参照していただきタ。

Opfer

O wie blüht mein Leib aus jeder Ader
duftender, seitdem ich dich erkenn;
sieh, ich gehe schlanker und gerader,
und du wartest nur-: wer bist du denn?

Sieh: ich fühle, wie ich mich entferne,
wie ich Altes, Blatt um Blatt, verlier.
Nur dein Lächeln steht wie lauter Sterne
über dir und bald auch über mir.

Alles was durch meine Kinderjahre
namenlos noch und wie Wasser glänzt,
will ich nach dir nennen am Altare,
der entzündet ist von deinem Haare
und mit deinen Brüsten leicht bekränzt.

Rainer Maria Rilke


生け贄

お前を知ってから、わしの体は
血管の隅々から気分よく燃える。
ほら、痩せて、背が高くなるぞ
少し待てよ。えーお前の名前は?

ほら、わしは変わって行くのを
感じている。年々若返っていく。
お前の笑みは澄んだ星のようで
お前の上、すぐにわしの上に来る。

わしの少年時代に名前がなくて
水のように光り輝く物すべてに
祭壇でお前の名前を付けてやる
お前の髪の毛で火を点してあり
お前の胸が優しく捧げてあるぞ。

リルケ

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224.ブラームスからエリーザベト・フォン・ヘルツォーゲンベルクへ

[トュン、1888年6月7日]

 あなたはまだこの住所(1)ですか。ハインツはいかがですか。先の手紙を書いてから、私はイタリア、両海岸とローマ(2)で非常に美しい時を過ごしました。こんなに多くの手紙や物が目の前になければ、どんなに見事であったか書くところですが。私はお二人の健康について知りたいのです。少しでも時間の余裕があれば(宛先はトュンだけで)書いてください。私はいつものきれいな部屋に落ち着いていますが、あなた用に建てた家に思えます。

いつも誠実なあなたのJ.Br.より



(1) 葉書の宛先はミュンヘン、ヘス・シュトラーセになっている。

(2) ブラームスは5月をイタリアで過ごした。彼の6度目のイタリア訪問である。彼はウィドマンとヴェローナでおちあった。ウィドマンはこれまで行っていない町の案内役を務めた。ブラームスは彼と一緒に夏の休暇のためにトゥンに戻った。ウィドマンの「ブラームスの想い出(Brahms Erinnerungen(pp.144-158))」にはボローニャ、リミニ、サン・マリノ、アンコーナ、ロレート、ローマ(フラスカーティ、ティヴォリ、ダンチオ)、フィレンツェの旅行の出来事を魅力的に描写している。

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