ヘ短調作品34

ルブランの回想録の link 先はゲストブックを御覧ください。

過去の投稿日別表示

[ リスト | 詳細 ]

全1ページ

[1]

イメージ 1

「今日の詩」はエミリー・ディキンソンの “The Hills in Purple syllables” 「紅の山々はゆっくりと」である。彼女の詩は英語力を試すのに最適の教科書である。一つでも ”s” を見逃すと解読を間違えてしまう。

今日も自信はないが、次のように解釈した:学校が終わって子供達が分かれて、ゆっくりあたりの風景を見ながらかえって行く。行く先々で見る風景は異なる。ある通学路では花が咲きかけているかもしれないし、他のところでは満開かもしれない。また朝はツボミであったが夕方には開花しているかもしれない。

それを詳細に記述したのではエミリーではなくなる。自然がゆっくりと優しく語ると、自然を擬人化させて、逆転させた発想により、4行のバラッドに凝縮することに成功している。 “little Groups of Continents” と複数形の ”s” を追加するだけで、通学路ごとに風景が違ってくることを表現している。

なお詩によく出てくる ” purple” であるが、” pur” と ” ple” の二音節からなり、外韻が成立し、響のよい言葉である。さらに意味が「高貴な真紅」であるところから、夕陽の形容に盛んに用いられる。エミリーも例外ではない。彼女は夕陽と自然の高貴さを一語に重ね合わせて使っている。


The Hills in Purple syllables

The Hills in Purple syllables
The Day's Adventures tell
To little Groups of Continents
Just going Home from School.

Emily Dickinson


紅の山々はゆっくりと

紅の山々はゆっくり話す
その日の出来事
分かれて下校する
村の子供たち。

エミリー・ディキンソン

韻律は弱強格である。アクセントのある場所を太字にした。

The Hills in Purple syllables
TheDay's Adventures tell
To little Groups of Continents
Just going Home from School.

なお Adventures はすべて太字になっているが正しくは

Adventures である。今日に限り単独にすると直る。ウィキ文法の謎である。

Photo by frederov27 @flickr

イメージ 1

今日のエミール・ネリガンの詩は "Jardin sentimental" 「感傷の庭」である。実体験はともかく、想像力において稀に見る早熟なネリガン少年。今夜は彼女と馬に乗って暴走族になり、夜の郊外に飛び出す。行き着く先はやはりフランス象徴派好みの華やかなりし豪邸の廃墟。夢見る二人は夜空の星に航海することである。ロマンチックずくめの作品である。それでも教会の音が響くところはケベックならではである。


Jardin sentimental

Là, nous nous attardions aux nocturnes tombées,
Cependant qu'alentour un vol de scarabées
Nous éblouissait d'or sous les lueurs plombées,

De grands chevaux de pourpre erraient, sanguinolents,
Par les célestes turfs, et je tenais, tremblants,
Tes doigts entre mes mains, comme un nid d'oiseaux blancs.

Or, tous deux, souriant à l'étoile du soir,
Nous sentions se lever des lumières d'espoir
En notre âme fermée ainsi qu'un donjon noir.

Le vieux perron croulant parmi l'effroi des lierres,
Nous parlait des autans qui chantaient dans les pierres
De la vieille demeure aux grilles familières.

Puis l'Angélus, devers les chapelles prochaines,
Tintait d'une voix grêle, et, sans rompre les chaînes,
Nous allions dans la Nuit qui priait, sous les chênes.

Foulant les touffes d'herbe où le cri-cri se perd,
Invincibles, au loin, dans un grand vaisseau vert,
Nous rêvions de monter aux astres de Vesper.

Emile NELLIGAN (1879-1941)


感傷の庭

僕達は遅くまで夜歩きする
カブト虫が飛び回っている
鉛色の光りがすごく目映い

血気はやる紅の大馬に跨り
天国の芝を抜け、震えて握る
君の指、巣の中の白い小鳥。

二人とも夜の星に笑いかけ
希望の光が湧き上がるよう
黒い門閉じられた僕らの心。

古い階段が揺れ、怖がる蔦
僕らは歌い語り合う格子の
ある古い住居の石に囲まれ。

近くの教会からお告げの鐘
途切れずに細い声を響かせ
僕ら樫の下、祈る夜を進む。

蟋蟀も消えた野原踏みしめ
僕ら緑の巨船に乗る無敵の
勇者は夜の星に昇るを願う。

エミール・ネリガン


Photo by StarrGazr @flickr

女の運命 -- リルケ

イメージ 1

今日のリルケの詩は "Ein Frauenschicksal" 「女の運命」である。題の訳は不適切かもしれない。こんな運命をたどる女もいるということであり、「女」一般の運命を詩にしたわけではない。「ある」を挿入した方がいいのかどうか、題の訳はいつもまよう。仮題にしておこうか。

運命のほんの悪戯心で干からびた老嬢生活を送った女性のことにふれている。リルケが誰のことを言っているのか分からない。ある人はたまたま中国の皇帝の後宮に入ったが空しく歳を取っていった女性を思い浮かべるかもしれない。

私はこの詩を読んだ瞬間思い浮かべた絵がある。ドガの友人で、エジプトの考古物などの収集家がいた。この人物の令嬢をドガが描いている。この女性が婚期を逸した女性であることは研究者がちゃんと調べている。未婚の女性は修道院に入ったように貞淑であり、地味な存在であることが要求される。今日の肖像画の背景にある父親の収集物に注目していただきたい。彼女も家名に傷を付けないようにこのガラスのケースに入るのである。




Ein Frauenschicksal

So wie der König auf der Jagd ein Glas
ergreift, daraus zu trinken, irgendeines, -
und wie hernach der welcher es besaß
es fortstellt und verwahrt als wär es keines:

so hob vielleicht das Schicksal, durstig auch,
bisweilen Eine an den Mund und trank,
die dann ein kleines Leben, viel zu bang
sie zu zerbrechen, abseits vom Gebrauch

hinstellte in die ängstliche Vitrine,
in welcher seine Kostbarkeiten sind
(oder die Dinge, die für kostbar gelten).

Da stand sie fremd wie eine Fortgeliehne
und wurde einfach alt und wurde blind
und war nicht kostbar und war niemals selten.

Rainer Maria Rilke


女の運命

王様が狩で杯を掴み何か
一杯飲んだ後に所有者の
王様が別に移して保管し
元々無かったかのように。

運命もおそらく口が乾き
女を手にし飲むであろう
まだ幼いので壊されたり
使われないよう気を付け

厳重なガラス箱に入れた。
高価な品々が入れてある
(値段に相応しい貴重品も)

借り物同様、女は特別扱い
ただ年を取り、世間知らず
高級品でも珍品でもない。

リルケ

イメージ 1

208.エリーザベト・フォン・ヘルツォーゲンベルクからブラームスへ

リセレイ、1887年7月27日

親愛なる友へ

 あなたは後悔する必要はありません。あなたのすてきなミュンヘン書簡(1)のように、あなたの不満、お世辞、その組み合わせを頂くときには、わたしたちはいつも喜んでおります。ハインリッヒが最初に「神の祝福を」と言いました。あの人ったら、あなたが一楽章にでも意見を言われたのですから、喜ぶはずです。「嬉しい。」どう違うかお判りでしょう。あなたは世間でもてはやされていますが、彼は反対です。――したがって、彼には百倍意味のあることです。しかしこれはわたしの感想です。彼の妻には述べる権利があります。彼はあなたの親切な手紙によろしくとのことです。

 うちの哀れな人についていいお知らせはできません。高名なチームスセン(2)はミュンヘン滞在中に早期の回復に若干の希望を表明されました。頑固な筋肉の病気で(彼の神経過敏はどんな病気でもそうですが、間接的なものである)、数週間ここで休養したあと、厳格な連続治療が絶対に必要との意見でした。おそらく水治療に行き、そこでハインリッヒは電気治療を受け、マッサージされたり、濡れた服を着せられたり、あらゆる種類の方法が試されるはずです。チームセンは熱い砂風呂と体操が先ず必須であると主張しました。6週間ぐらいでこのポリフォニックな クア の目に見える効果を期待しています。

 ですから10月にはとても帰れそうにありません。ハインリッヒの忍耐力はずば抜けて見事です。それを目の当たりにしてどうして愚痴をこぼせましょう。それにわたしは彼の介護に積極的にかかわれるのです。わたしはすべて計画的にこなしています。彼を介護し、電気をかけ、包帯し、この病気の坊やを着替えさせます。くよくよし考えている時間なぞありません。ああ、神に感謝します。わたしは根っからの楽天家です。これが彼とわたし自身には救いなのです。それでも楽な時間ではありません。もう終了したと言えるときには、どんなに安堵のため息をつくことでしょう。

 わたしたちもハメルリンクのテキストについてあなたと同意見です。決して好きではありませんが、節をつけてみたい気になります。作者が忘れられたら、そこが美しいと思われるのです。もしあなたが合唱曲をたまたま書きたくなり、その特殊な形式で作曲することで心の重荷を下ろしたいと感じられるとき、あなたは妥協します。あなたはいろんな理由でテキストが好きになるでしょう。音楽になるまでその詩の長所がわからない場合あります。――たとえば、あなたの「夜に彷徨う者の歌」(3)。この曲はあなたの音楽がなければ到底教訓的とは思えません。

 「雅歌」(4)をご覧になれば、あなたはきっと、わたしのハインリッヒに満足されると思います。

 ここで止めなくては。この不満足な手紙をどうか許してください。わたしには5分として自由になる時間がないのです。わたしは完全な奴隷です。人間ではなく、人綿です。悪しき友人であり、さらに悪しき文通者です。

 すぐに返事と合唱曲を送ってください。わたしはビルロートがすでに目を通した(5)ことを知ってしまいました。

L.



(1) 手紙にはトゥーンの消印があるが、フラウ・フォン・ヘルツォーゲンベルクは手紙が着いたときにはミュンヘンにいたので、彼女はミュンヘン書簡と名付けた。

(2) H.W.フォン・チームスセン(H.W. von Ziemssen)、ミュンヘンの専門家。

(3) 作品86第3曲。マックス・カルベック詩。

(4) 「四人の独唱、二重合唱、管弦楽、オルガンのための詩篇94」。

(5) 事実ブラームスは1886年8月18日に非常に吟味した合唱曲を他の新作と一緒にビルロートに送っている。彼は印刷の前に彼の作品を見る特権を有していた一人である。フラウ・フォン・ヘルツォーゲンベルクはこの情報をフラウ・ハルトマン(Frau Hartmann)から得ていたものと思われる。

全1ページ

[1]


.
fminorop34
fminorop34
非公開 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31

過去の記事一覧

検索 検索

スマートフォンで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

スマートフォン版Yahoo!ブログにアクセス!

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

数量限定!イオンおまとめ企画
「無料お試しクーポン」か
「値引きクーポン」が必ず当たる!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事