ヘ短調作品34

ルブランの回想録の link 先はゲストブックを御覧ください。

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「今日の詩」の選者が送ってきたのはコールリッジの “This Lime-Tree Bower My Prison” 「ライムの東屋で一人留守番」である。私が古今の名作と思う「クブラ・カーン」の作者はある時期から才能に限界を感じたとされる。健康問題があったのだろうか。以前に紹介した「希望なき労働」にはそれが感じられる。


ライムの東屋で一人留守番

みな行ってしまい、僕だけが残る
ライムの東屋に一人閉じこもる!
僕が歳を取って盲目になっても
記憶に残るような美的感受性は
もう残っていない!一方で僕がもう
会えそうもない友人たちは
健康であり、軽快に山の尾根伝いに
楽しく歩き、多分、下って行き
断崖絶壁に着く、これは話したね。
木に覆われた崖は、狭くて、深く
昼の太陽で斑点ができるだけ。
トネリコの幹は岩から岩へと
橋のように渡す。 ― 枝が落ちたトネリコ
日当たり悪くて、湿り、僅かな黄色い枝は
強風にも揺れず、滝の水にあおられて
少し揺れるだけ!そこで友人たちは
長い萎れた草の暗緑色の列が
青い粘土の岩石の
滴落ちる端の下でうなずき、したたるのを
全部一度に眺める(素晴しい景色!)。

さて友人たちは広々とした空の下に
現れ ― もう一度眺める
壮大な傾斜の多い土地
小高い野原や牧場や海を
きれいな帆船が数隻、その帆が
紅の影の島と島の間の滑らかな
滑行を目立たせる!そう!彼らは大喜びで
散策するが、思うに一番はしゃぐのが
心優しいチャールズ!君は長年
自然にあこがれ、飢えていたが
大都市に閉じ込められ、辛抱して
悪や苦悩や騒動をくぐり抜け
道を開いてきた!ああ!ゆっくりと
西の稜線に沈め、栄光の太陽よ!
沈む球体の斜光で真紅のヒースを
照らせ!見事に雲を燃やせ!
黄色い光の中で過せ、遥かなる森よ!
輝け、汝青き太陽よ!深い喜びにうたれ
友人たちは、以前の僕のように、立ち尽くし
沈黙し、めまいを感ずるだろう。
そう周囲の風景を見回し、肉体より
崇高に見えるまで眺める。全能の精神を
覆いつくしながら、精神がその存在を
示すような色調になるまで。

喜びは
僕の心に湧き上がり、僕自身が
そこにいるようで嬉しい!この東屋で
ライムの小さな東屋で、慰めには事欠かない。
太陽の光に照らされ、白く透けた葉が垂れる。
陽を浴びた幅広の葉を見詰め、夢中になって
上の葉と茎の陰の太陽の斑点を見た!
クルミの樹は色とりどりになり、輝きを
古いツタにおき、ツタは前面のニレの樹に
取って代わり、黒い固まりで、暗い樹を
遅い夕暮を通して、明るい色合いを帯びさせる。
コウモリが回転するが、ツバメは一羽もさえずらず
大人しいハチは孤独に今もなお
豆の花で歌っている!だから僕には自然が
賢明で純粋なる者を見捨てはしないと悟る。
狭い土地はなく、自然があり
空虚な荒野はない。感受性の能力を
活用して精神を愛と美に目覚めさせるのだ!          
時には、約束された善を奪われるのも良い
それで人は精神を高めて、共有できない喜びを
生命力あふれる喜びで見詰めるのも良い。
善良なるチャールズ!最後のミヤマガラスが
薄暗い大気を通り家路へまっしぐらに
羽ばたくとき、素晴しいよ!黒い翼が
(もう光で見えなくなる小さな塵)
壮大な球体の広がる栄光を横断し
君は立ち尽くして見詰める。静まり返ったときに
頭上を数羽カーカーと鳴く、魅力的だよ
君には。善良なるチャールズ!君には
人生を語る不協和音など無いのだ。

コールリッジ

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This Lime-Tree Bower My Prison

Well, they are gone, and here must I remain,
This lime-tree bower my prison ! I have lost
Beauties and feelings, such as would have been
Most sweet to my remembrance even when age
Had dimm'd mine eyes to blindness ! They, meanwhile,
Friends, whom I never more may meet again,
On springy heath, along the hill-top edge,
Wander in gladness, and wind down, perchance,
To that still roaring dell, of which I told ;
The roaring dell, o'erwooded, narrow, deep,
And only speckled by the mid-day sun ;
Where its slim trunk the ash from rock to rock
Flings arching like a bridge ;--that branchless ash,
Unsunn'd and damp, whose few poor yellow leaves
Ne'er tremble in the gale, yet tremble still,
Fann'd by the water-fall ! and there my friends
Behold the dark green file of long lank weeds,
That all at once (a most fantastic sight !)
Still nod and drip beneath the dripping edge
Of the blue clay-stone.

Now, my friends emerge
Beneath the wide wide Heaven--and view again
The many-steepled tract magnificent
Of hilly fields and meadows, and the sea,
With some fair bark, perhaps, whose sails light up
The slip of smooth clear blue betwixt two Isles
Of purple shadow ! Yes ! they wander on
In gladness all ; but thou, methinks, most glad,
My gentle-hearted Charles ! for thou hast pined
And hunger'd after Nature, many a year,
In the great City pent, winning thy way
With sad yet patient soul, through evil and pain
And strange calamity ! Ah ! slowly sink
Behind the western ridge, thou glorious Sun !
Shine in the slant beams of the sinking orb,
Ye purple heath-flowers ! richlier burn, ye clouds !
Live in the yellow light, ye distant groves !
And kindle, thou blue Ocean ! So my friend
Struck with deep joy may stand, as I have stood,
Silent with swimming sense ; yea, gazing round
On the wide landscape, gaze till all doth seem
Less gross than bodily ; and of such hues
As veil the Almighty Spirit, when yet he makes
Spirits perceive his presence.

[spacer][spacer][spacer][spacer]A delight
Comes sudden on my heart, and I am glad
As I myself were there ! Nor in this bower,
This little lime-tree bower, have I not mark'd
Much that has sooth'd me. Pale beneath the blaze
Hung the transparent foliage ; and I watch'd
Some broad and sunny leaf, and lov'd to see
The shadow of the leaf and stem above
Dappling its sunshine ! And that walnut-tree
Was richly ting'd, and a deep radiance lay
Full on the ancient ivy, which usurps
Those fronting elms, and now, with blackest mass
Makes their dark branches gleam a lighter hue
Through the late twilight : and though now the bat
Wheels silent by, and not a swallow twitters,
Yet still the solitary humble-bee
Sings in the bean-flower ! Henceforth I shall know
That Nature ne'er deserts the wise and pure ;
No plot so narrow, be but Nature there,
No waste so vacant, but may well employ
Each faculty of sense, and keep the heart
Awake to Love and Beauty ! and sometimes
'Tis well to be bereft of promis'd good,
That we may lift the soul, and contemplate
With lively joy the joys we cannot share.
My gentle-hearted Charles ! when the last rook
Beat its straight path across the dusky air
Homewards, I blest it ! deeming its black wing
(Now a dim speck, now vanishing in light)
Had cross'd the mighty Orb's dilated glory,
While thou stood'st gazing ; or, when all was still,
Flew creeking o'er thy head, and had a charm
For thee, my gentle-hearted Charles, to whom
No sound is dissonant which tells of Life.

Samuel Taylor Coleridge

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今日のエミール・ネリガンの詩は “Soir d'hiver” 「冬の夕暮」である。フランス語の詩のテキストとしては易しい方だろうが、意味不明の箇所があった。なぜ「ノルウェーへ行こう。」となるのか、韻の関係だろうか、私の無知からか。話者ははしゃいでいるのかどうかも分からなかった。年末の仕事もあり、今日からしばらくは、ネリガンとはお別れしたい。もう一度文法書を読み直す必要がありそうだ。


Soir d'hiver

Ah! comme la neige a neigé!
Ma vitre est un jardin de givre.
Ah! comme la neige a neigé!
Qu'est-ce que le spasme de vivre
A la douleur que j'ai, que j'ai.

Tous les étangs gisent gelés,
Mon âme est noire! Où-vis-je? où vais-je?
Tous ses espoirs gisent gelés:
Je suis la nouvelle Norvège
D'où les blonds ciels s'en sont allés.
Pleurez, oiseaux de février,
Au sinistre frisson des choses,
Pleurez oiseaux de février,
Pleurez mes pleurs, pleurez mes roses,
Aux branches du genévrier.

Ah! comme la neige a neigé!
Ma vitre est un jardin de givre.
Ah! comme la neige a neigé!
Qu'est-ce que le spasme de vivre
A tout l'ennui que j'ai, que j'ai...

Emile NELLIGAN (1879-1941)


冬の夕暮

ああ!雪が降った!
僕の窓は霜の庭だ。
僕の、僕の苦痛に
耐えて生きる衝動。

池は凍り、憂鬱!
どこに?どこへ?
希望は凍りついた。
金色の空が去った
ノルウェーへ行こう。
泣け、二月の鳥よ
この凍える寒さに
泣け、二月の鳥よ
泣け、涙とバラよ
ネズの枝に向かい。

ああ!雪が降った!
僕の窓は霜の庭だ。
僕の、僕の苦痛に
耐えて生きる衝動。

エミール・ネリガン

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今日のリルケはパリのルクサンブール公園を訪れて、回転木馬(メリー・ゴウラウンド)に興ずる子供たちと親と思われる人の様子を描写している。"weißer Elefant" という語が々出てくるが通常「無用の長物」と訳されている。誰も乗っていない動物と訳した。ところがウィキペディアを調べているうちに、「白象」があった。 よく見慣れた光景であるし、自分にも体験があるが、やはりリルケは難しい。誤訳の自信だけはある。


Das Karussell - Jardin du Luxembourg

Mit einem Dach und seinem Schatten dreht
sich eine kleine Weile der Bestand
von bunten Pferden, alle aus dem Land,
das lange zögert, eh es untergeht.

Zwar manche sind an Wagen angespannt,
doch alle haben Mut in ihren Mienen;
ein böser Löwe geht mit ihnen
und dann und wann ein weißer Elefant.

Sogar ein Hirsch ist da, ganz wie im Wald,
nur daß er einen Sattel trägt und drüber
ein kleines blaues Mädchen aufgeschnallt.

Und auf dem Löwen reitet weiß ein Junge
und hält sich mit der kleinen heißen Hand
dieweil der Löwe Zähne zeigt und Zunge.

Und dann und wann ein weißer Elefant.

Und auf den Pferden kommen sie vorüber,
auch Mädchen, helle, diesem Pferdesprunge
fast schon entwachsen; mitten in dem Schwunge
schauen sie auf, irgend wohin, herüber -

Und dann und wann ein weißer Elefant.

Und das geht hin und eilt sich, daß es endet,
und kreist und dreht sich nur und hat kein Ziel.
Ein Rot, ein Grün, ein Grau vorbeigesendet,
ein kleines kaum begonnenes Profil -.
Und manchesmal ein Lächeln, hergewendet,
ein seliges, das blendet und verschwendet
an dieses atemlose blinde Spiel ...

Rainer Maria Rilke


メリー・ゴーラウンド(ルクサンブール公園)

日よけと影が一緒になり
一団の色とりどりの馬が
回転する、みな宙に浮き
上がり、ためらい下がる。

車に繋がれるのもあるが
みな表情は元気あふれる。
獰猛なライオンも一緒に
時々は騎手がいないのも。

鹿も森にいるとき同様に
ただサドルを付け、青い
服の少女は手綱を持たず。

ライオンには少年が乗り
小さく熱い手で手綱とり
ライオンは牙と舌を出す。

時々は騎手がいないのも。

馬に乗って近付いて来て
少女も元気に馬の跳躍に
慣れる。跳躍の最中に皆
得意そうにこちらを見る―

時々は騎手がいないのも。

最後まで急いで通り過ぎ
ただ回転しゴールがない。
赤、緑、灰色が通り過ぎ
乗り始めたばかりの横顔―。
なんども振り向く笑いと
息つく暇ない遊戯に夢中
になり無駄使いする幸せ。

リルケ

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230.エリーザベト・フォン・ヘルツォーゲンベルクからブラームスへ

[ニース]1888年10月13日

  ふたたび親切な手紙がありました。わたしはこれで幸せです。親切なお言葉すべてに口では表せないほど感謝いたします。明白な事実は用心深く避けてはならないのです。このことがいかに重要であるか、あなたは認識できていないのです。すでに多くの人が採用しているこの貯蓄計画をすべての人が実行したら、人生は 貧困になります。この人気のある方式をあなたは何度も何度もためらわずにご自身の芸術に採用しておられるのです。だから、人間の交際にも簡潔熱が蔓延するから、わたしのように執拗なおしゃべりになろうとする勇気みたいなものが必要になってくるのです。ですから、わたしは再度あなたの雄弁なお手紙とわたしたちを「少数派」に数えていただいたことを感謝します。信じてください。あなたの信念は見当違いではありません。

カー ル・シュピッテラーはわたしの友人ではありません。どうして彼を例に出してくるのですか。わたしは彼とは関係ありません。その点について礼儀が必要である事は認めます。でもヴィッテルスバッハでの暗い日々に、表面上のことには気が行きません。ただ余裕と精神力は真の友達にのみ取っておきます。話を元に戻しますと、わたしはバーゼルで彼の家に立ち寄りましたが、彼は外出していました。彼が訪問に応じたとき、わたしはどうやって彼に合わせたらいいのか困りまし た。わたしはあんなカメレオンのような人にはほとんど会ったことがありません。話に洗練されたところが全くないようでした。それでも彼の著作には高度の教養が伺えますが。

 あなたの嬉しい大きな包みが今日到着し、すぐに一通の返事を生むことになるでしょう。手紙では最初に浮かんだことをわたしが感じたとおりに書きます。この山を全部見て自分の物にできたら、どんなに素晴らしいでしょう。「ジプシーの歌(Zigeunerlieder )」は普段着のときに見たときの二倍評価します。この楽しみをしばしば下さればねえ。

 アマンダ・レントゲン(1)はこの家の一員です。彼女は上の部屋にいて、ブラームスのお祭り騒ぎに加わるはずです。このいたいけな女性は病んでいる肺をここで、いずれオスペダレッティで直したいのです。ミュンヘンで診てくださったシュミット博士(2)が今こちらに見えて、彼女を検査しました。不幸なことに彼も、他の医師たちの不利な報告を確認する結果になりました。可哀想に。この若い幸福の上に立ちこめる雲を見るのはおそろしく悲しいことです。救いようもないほど人生の実際面に無知なまま、彼女は見捨てられたのです。種をまいたと思ったら、たちまち切り取られる野の百合です。彼女をわたしの翼の下に庇うことを許されてよかったのです。事実、わたしは驚くほどたくましくなりましたから、危険を覚悟でどんな悩み事にも苦労にも挑戦できます。

  ニースが華やかですって。それはそうです。料理人に暇がなくて、わたしが毎朝空のかごを持って市場に行きますが、見事な野菜と果物を抱えて戻ります。いつもではないのですが、その下から鶏のたくましい足が覗いています。ニースですか。それは華やかですわ。この厳しいながらも温暖な空気の中でわたしも元気になり、それに慣れましたし、さらに慣れるでしょう。以前は1ポンド持っても喘ぎました。わたしは描写が下手ですから、界隈の美しさを長々と話しませんが、一言、これに匹敵する物は見たことがありません。グルックのオペラの場面みたいでしょうか。この景色の登場人物は気品のある体格をして、豊かな衣装をまとっています。あるいは裸のキューピッドかバッカスの一行――自然な絵になる風景をさらに美しくするものはなんでも――ここでは鈍くて抑圧された種族には会いません。本当の人口、観光客の流入はまだのようです。わたしたちは町を通りがかりますが、誰にも会いません。それでも人は隠している奇形や変形には気付いています。それを思うとやりきれない気がします。この土地のまばゆいばかりの不滅の美はすっかり夢中にさせてくれます。ですから当面、わたしたちは口を開けたままはしゃいでいます。たしかにわたしたちはほとんど幸せといえますが、ハインリッヒは半ばびっこです。彼の状態が変化しなければ、陽気であり続ける理由はほとんどないのです。シュミット博士は、わたしの慰め役ですが、軽い、場合によっては強い治療でもっと回復するはずだそうです。首と左手の変形はなくなるはずとのことです。シュミットからもっと確実な話が聞 けると思います。

 信じてください。耐えがたいのです。夜の惨めな話もできますが、わたしたち自身の話はできる限り明るい面だけに留めたいと思います。

 今日のところはさようなら。今晩わたしがあなたの曲に没頭するとき、ピアノの上でアウフヴィーダーゼーンしましょう。

 折にふれわたしのことを考えてください。

傾倒するあなたのリーズル・ヘルツォーゲンベルクより

 あの気のいいフラウ・フランツの宛先を教えてください。



(1)ユリウス・レントゲンの妻。彼女の病は不治であることが分かった。

(2)Dr. Adlof Schmid、宮廷顧問官。

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