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今日はエミリー・ディキンソンの詩型の特色とされるミーターについてすこし分かりかけたような気がする。英文科を出た方には何を今更という初歩的な知識であろう。退職後2年間、韻が分かって賢くなったつもりの私には、その他の形式美、とりわけミーターが気になっている。エミリーに関心を持ったついでに彼女の特色とされるミーターの勉強をしてみようと思う。
ミーターとはメーターと同じスペルでおそらく同じ意味の言葉である。長さを測るものである。英詩では詩の1行の長さを字数ではなく、シラブルで測る。シラブルは母音単独あるいは母音の前後に1個または複数個の子音を伴って構成する音声群である(ウィキペディア参照)・
漢字は音読みで1シラブルであり、漢詩は視覚的にもっとも長さを測りやすい。五言絶句は5・5・5・5の形式になっている。
日本の詩もひらがなひらがなで書き表せば簡単である。1文字は1シラブルである。一行の数を数えてみればよい。5・7・5・7・7のひらがなで表記される。
英詩の場合若干注意を要する。英語の場合一行の長さが文字数とか単語数とは一致しない。
今日取り上げるディキンソンの詩
I heard a fly buzz when I died;
The stillness round my form
Was like the stillness in the air
Between the heaves of storm.
The eyes beside had wrung them dry,
And breaths were gathering sure
For that last onset, when the king
Be witnessed in his power.
I willed my keepsakes, signed away
What portion of me I
Could make assignable,-and then
There interposed a fly,
With blue, uncertain, stumbling buzz,
Between the light and me;
And then the windows failed, and then
I could not see to see.
これをシラブルごとに分けるとしよう。
第1詩節
I/ heard /a/ fly/ buzz /when/ I /died
The/ still/ness/ round/ my/ form
Was /like/ the/ stillness/ in/ the/ air
Be/tween/ the/ heaves /of /storm.
第2詩節
The/ eyes /be/side/ had/ wrung/ them /dry,
And/ breaths/ were/ gath/ering/ sure
For/ that/ last /on/set,/ when/ the/ king
Be /wit/nessed/ in/ his /power.
第3詩節
I /willed/ my/ keep/sakes/, signed /a/way
What /por/tion/ of/ me/ I
Could/ make/ a/ssign/a/ble/,-and/ then
There/ in/ter/posed /a/ fly,
第4詩節
With/ blue/, un/cer/tain, /stum/bling /buzz,
Be/tween/ the/ light/ and/ me;
And/ then/ the/ win/dows/ failed/, and /then
I /could/ not /see/ to/ see.
要するに一行中のミーターは単語の数を下回らないことだけは自明である。まず母音にのみ注意すればよい。私は a, e, i. o, u にのみ注意している。二重母音は1つである。
I, a, buzz, when, the, be, of, king, his, last, light
にはa, e, i. o, u が 一つしか含まれていないので1シラブルである。またこれらが二つ連続している場合も1シラブルである。反例があるかもしれない?
ここでは
air, see
あとは -ed のように場合によって e が発音される場合とそうでない場合があるのでもう一度中学生時代に戻って確かめておく必要がある。気になる場合は辞書を開かれるとハイフンとか中ポチで区切ってある。私は電子辞書があるのでクリックするだけで単語中の区切りを確認してみた。
これ以上おしゃべりすると無知をさらけ出しそうなので今日の独学による講釈はこのくらいにしておこう。とくに assignable の辞書での分割がまだ分からなかった。
電子辞書をクリックしながら詩を / で区切ってみた。「今日の詩」は完全に釈然としたわけではないが、各詩節が8・6・8・6のミーターになっているようだ。この形式美で彼女のグロテスクな詩は音楽的なのだそうだ。
この詩の訳は 今晩中には投稿したいと思う。
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