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昨日「今日の詩」から届いたメイルは19世紀イギリスの桂冠詩人テニスンの有名な The Charge of the Light Brigade を紹介している。帝政ロシアの膨張政策に干渉してイギリスやフランスがロシアに対して起こしたクリミア戦争中のエピソードである。クリミア戦争はナポレオン戦争以後ヨーロッパでの本格的な戦争である。その中で「バラクラヴァの戦い」は実に多くの兵士を犠牲にし、得るところの無かった戦闘である。現在ではイギリスの軍事史上最も愚劣な戦闘として評価が定着している。最終的にはロシアはクリミア戦争で敗北したのでイギリスは戦勝国となり、愚劣な戦闘を指揮した将軍達は部下の犠牲と引き替えに出世している。
だが騎兵隊の 突撃は大英帝国の愛国的詩人テニスンのイマジネーションをかき立てた。彼はThe Charge of the Light Brigadeという詩で兵士達を賞賛した。テニスンの詩は有名になり、イギリスの小学生は暗唱させられ、この戦闘は万人の知るところになった。
私がこの話を知ったのはテニスンの詩を読んだからではない。子供の頃エロール・フリンの映画「進め竜騎兵」を見たからである。西部劇を見飽きた私にはかなり記憶に残っているアクション映画である。
最近多額の費用をかけてリメイクが制作されたが、日本では公開されることはなかったように思う。興行成績が史実の「バラクラヴァの戦い」同様惨憺たる結果に終わったそうである。それが理由なのかもしれない。そこでリージョン1のDVDを取り寄せる他はなかった。私の語学力では、日本語字幕のない映画はなかなか大変であった。それでも内容はかなり現代的解釈に変わっているように思われた。それはともかくテニスンの詩を紹介しよう。
The Charge of the Light Brigade
1.
Half a league, half a league,
Half a league onward,
All in the valley of Death
Rode the six hundred.
"Forward, the Light Brigade!
"Charge for the guns!" he said:
Into the valley of Death
Rode the six hundred.
2.
"Forward, the Light Brigade!"
Was there a man dismay'd?
Not tho' the soldier knew
Someone had blunder'd:
Their's not to make reply,
Their's not to reason why,
Their's but to do and die:
Into the valley of Death
Rode the six hundred.
3.
Cannon to right of them,
Cannon to left of them,
Cannon in front of them
Volley'd and thunder'd;
Storm'd at with shot and shell,
Boldly they rode and well,
Into the jaws of Death,
Into the mouth of Hell
Rode the six hundred.
4.
Flash'd all their sabres bare,
Flash'd as they turn'd in air,
Sabring the gunners there,
Charging an army, while
All the world wonder'd:
Plunged in the battery-smoke
Right thro' the line they broke;
Cossack and Russian
Reel'd from the sabre stroke
Shatter'd and sunder'd.
Then they rode back, but not
Not the six hundred.
5.
Cannon to right of them,
Cannon to left of them,
Cannon behind them
Volley'd and thunder'd;
Storm'd at with shot and shell,
While horse and hero fell,
They that had fought so well
Came thro' the jaws of Death
Back from the mouth of Hell,
All that was left of them,
Left of six hundred.
6.
When can their glory fade?
O the wild charge they made!
All the world wondered.
Honor the charge they made,
Honor the Light Brigade,
Noble six hundred.
Tennyson
軽騎兵の突撃
1.
半リーグ 半リーグ
半リーグ 前進
六百騎の兵は全員
死の谷へと進む。
「軽騎兵 総員前進!」
「砲兵陣地を攻撃せよ!」
六百騎の兵は全員
死の谷へと進む。
2.
「軽騎兵 総員前進!」
怯えていた兵士はいたか?
いない 指揮官は誰かの
間違いだと分かっていたが
兵士たちは無言で
理由を聞くことなく
ただ命令に従い死地に向かう。
六百騎の兵は全員
死の谷へと進む。
3.
右に砲弾
左に砲弾
前に砲弾
弾と破片の一斉射撃が
鳴り響き 襲いかかるが
勇敢にも兵士は馬を進め
六百騎の兵は全員
死の谷へと進む。
4.
閃く兵士のサーベル
閃く宙を舞うサーベル
敵砲兵を切り付け
一軍団を襲う
全世界は驚いた。
硝煙の中に飛び込み
前線をつき破った。
コサックとロシア兵は
サーベルの一撃によろめき
打ち砕かれ 切り裂かれた。
敵は逃亡したが
六百騎の兵は後退しなかった。
5.
右に砲弾
左に砲弾
後に砲弾
弾と破片の一斉射撃が
雷鳴のごとくに鳴り響き
馬と英雄は倒れたが
勇戦した兵士は
死の顎をくぐり抜け
地獄の入り口から生還した。
六百騎の兵士の
生き残りが生還した。
6.
彼らの栄光が色あせるだろうか?
彼らの無謀な突撃!
全世界が驚いた。
彼らの突撃を称えよ
軽騎兵を称えよ
高貴なる六百騎。
テニスン
余談になるが、この戦闘に関係した将軍で後世に名を残したのが、カーディガンとラグランである。カーディガンは「カーディガン」をきていた。ラグランは「ラグラン」をきていた。二人は服飾関係の商売をしていたわけではない。私のようになりふりに無頓着な人間でもカーディガンとラグランが服飾用語であることは知っている。私はカーディガンを着ているし、ラグラン袖というのも女性が話をしているのを聞いたことがある。この二つの名前はこの戦闘を指揮した将軍の名前に由来している。とくにラグランはクリミア戦争の半世紀前ワーテルローの戦いで名誉の負傷をし片腕をなくしている。それでラグラン袖の服を着ていた。何が理由で後世に名を残すか分からないものである。無能であっても服装とか髪型で名前が残るかもしれない。ちょっと変わった服装をしてテレビに映るよう努力しよう。
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