ヘ短調作品34

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「今日の詩」は、もう1ヶ月以上前に届いた詩である。作者はブラウニング夫人である。彼女は詩人ブラウニングと熱烈な恋愛結婚をした。もちろん、恋愛結婚というからには親の猛反対があったということである。彼女生まれつき病弱であり、親も完全に見捨てた娘である。求婚者ブラウニングに不満があるというわけではない。それ以前の問題である。親にしてみれば、彼女が結婚し、子供を産むなどということは考えられない。二人は駆け落ちしてイタリアに定住した。彼女は元気になり、43才で子供を出産し、56才で死亡した。彼女は結核だったというのが従来からの説である。結核にかかったスティーヴンソンの人生は44年であった。19世紀の医療の水準から見て、結構長生きしたものである。学会でも論争があるそうである。

「今日の詩」の題名は Man's Requirements である。直訳すれば、「男性の要件」となる。それも10項目の要件である。形式としては、この10項目の要件を列挙し、全部満たしたならば愛してあげましょうということである。実際には、幸せイッパイの彼女がこの10項目をすべて満たしたブラウニングに対するノロケの詩である。そう解釈して、できるだけ英語の詩の形式に合わせたいと思ったが、苦労した。かなり誤魔化しており、まだ試訳の段階である。また「男性の要件」というタイトルには抵抗があったので低俗かもしれないが、「愛してね」にした。これも仮題である。


Man's Requirements.

I
Love me Sweet, with all thou art,
Feeling, thinking, seeing;
Love me in the lightest part,
Love me in full being.

II
Love me with thine open youth
In its frank surrender;
With the vowing of thy mouth,
With its silence tender.

III
Love me with thine azure eyes,
Made for earnest grantings;
Taking colour from the skies,
Can Heaven's truth be wanting?

IV
Love me with their lids, that fall
Snow-like at first meeting;
Love me with thine heart, that all
Neighbours then see beating.

V
Love me with thine hand stretched out
Freely -- open-minded:
Love me with thy loitering foot, --
Hearing one behind it.

VI
Love me with thy voice, that turns
Sudden faint above me;
Love me with thy blush that burns
When I murmur 'Love me!'

VII
Love me with thy thinking soul,
Break it to love-sighing;
Love me with thy thoughts that roll
On through living -- dying.

VIII
Love me in thy gorgeous airs,
When the world has crowned thee;
Love me, kneeling at thy prayers,
With the angels round thee.

IX
Love me pure, as muses do,
Up the woodlands shady:
Love me gaily, fast and true,
As a winsome lady.

X
Through all hopes that keep us brave,
Farther off or nigher,
Love me for the house and grave,
And for something higher.

XI
Thus, if thou wilt prove me, Dear,
Woman's love no fable,
I will love thee -- half a year --
As a man is able.

Elizabeth Barrett Browning



愛してね

I

愛してね!優しく、あなたが
感じ、思い、見たままの私を。
愛してね!私の良い所
私の全てを。

II

愛してね!あなたの若さで
気取らない情熱で。
あなたの誓をやさしく
静かに守ってね。

III

愛してね!あなたの青い眼
誠実で寛容な眼で。
空から頂いてきた色
天の真が足りなくならない?

IV

愛してね!初めて会ったとき
雪のように塞がるあなたの瞼で。
愛してね!あなたの心臓で
鼓動しているのが分かるように。

VI

愛してね!あなたの手
気取りなく、率直に広げた手で。
愛してね!ゆったりした足取りで ‐‐
後からでも聞こえるように。

VI

愛してね!あなたの声
私に近づくとき、静かにね。
愛してね!「愛して」とささやいたら
顔を赤らめてくれるわね。

VII

愛してね!考えていても
愛のため息をついてね。
愛してね!一生私のことを
考えてくれるわね。

VIII

愛してね!それも豪華に
あなたが冠を授けられたときのように。
愛してね!あなたが天使に
囲まれて祈りながらもね。

IX

愛してね!真心こめて
暗い森の上の女神のように。
愛してね!可愛い女として
楽しく、機敏で誠実にね。

X

たとえ遠く離れても
希望を持って勇敢にね。
愛してね!家でも、お墓でも
いと高き所でもね。

XI

これだけ私に示してくれたら
女の愛に偽りはないわ。
私はあなたを愛します ‐‐ 年の半分 ‐‐
男もそれ以上は無理でしょう。

ブラウニング夫人

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23.ブラームスからエリーザベト・フォン・ヘルツォーゲンベルクへ

[ウィーン、1877年12月 29日]

 こんなに離れたところから、ホテルやらプディングやらピアノについて議論することはできません。しかしながら、私はあなたが料理を焦がして大騒ぎされないことを希望いたします。

 私は月曜日の12時45分に到着し、リハーサルに直行します。ご主人はその間に気分転換にお風呂でもいかがですか、といわれるかもしれませんが、それは結構です。

いつまでもお風呂に入らないあなたのJ.Br.より



 オーケストラは今回の交響曲を演奏するとき葬送的効果を出すために喪章を付けていました。黒枠付の楽譜(1)で出版されることでしょう。







(1) 「ヘ短調」交響曲(書簡17)の冗談に合わせるためである。実際にはウィーンでは好評であり、一部は熱狂的に受け入れられた。


訳注

書簡集のこれまでのやり取りで、エリーザベトは料理が下手であるかのような印象を与える。実際の彼女は料理の天才であったという証言がある。

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