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この詩もテニスンお得意の牧歌の類型に属している。それほど訳に苦労は無かったが、これに対応する絵に困った。リリアンはアーサー王伝説に出てくる女性ではないから、ラファエル前派の画家が描いているとも思えない。リリアンという名前の語源からユリの花を選ぶのはいかにもセンスがないが、致し方なかった。 Lilian I Airy, Fairy Lilian, Flitting, fairy Lilian, When I ask her if she love me, Claps her tiny hands above me, Laughing all she can; She 'll not tell me if she love me, Cruel little Lilian. II When my passion seeks Pleasance in love-sighs, She, looking thro' and thro' me Thoroughly to undo me, Smiling, never speaks: So innocent-arch, so cunning-simple, From beneath her gathered wimple Glancing with black-bearded eyes, Till the lightning laughters dimple The baby-roses in her cheeks; Then away she flies. III Prythee weep, May Lilian! Gaiety without eclipse Whearieth me, May Lilian; Thro' my every heart it thrilleth When from crimson-threaded lips Silver-treble laughter trilleth: Prythee weep, May Lilian! IV Praying all I can, If prayers will not hush thee, Airy Lilian, Like a rose-leaf I will crush thee, Fairy Lilian. Alfred, Lord Tennyson. リリアン I 風の妖精リリアン 軽やかに舞うリリアン 僕を愛しているかと聞いたら 可愛らしい手をたたいて 大笑いした。 彼女は答えはしないだろう 薄情な女リリアン・ 僕は夢中になって 憧れているのに ただ僕を見て笑うだけ 口を利こうともしない。 無邪気で意地悪く、狡くて素直 ひだの付いた頭巾の下から 黒々とした瞳でじっと見つめ 突然笑いだして 小さなバラの頬に えくぼを浮かべて逃げる。 III リリアン泣いておくれ! 陰りなき陽気に疲れるばかり お願いだからリリアン 赤い糸の唇から 銀色の笑い声が響くとき 僕の心はうち震える。 後生だから泣いておくれ。 IV これほど願っているのに、 笑いやまないなら 風のリリアン バラの葉のように押し潰すよ 妖精のリリアン。 テニスン
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2007年06月20日
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ヘルダーリンは発狂して以来、文学愛好家で彼の崇拝者であった大工と家族の世話になり、ネッカー川を見下ろす塔にこもって長い晩年を送った。ブリタニカでは短くて、断片的な詩を十数篇書いたとある。彼を有名にした大作よりも、世俗的には不毛の晩年の詩がトラークル等世紀末の詩人に影響を与えたそうである。彼については何も知らないが、今日の詩が晩年の一編なのかどうか。 Hälfte des Lebens Mit gelben Birnen hänget Und voll mit wilden Rosen Das Land in den See, Ihr holden Schwäne, Und trunken von Küssen Tunkt ihr das Haupt Ins heilignüchterne Wasser. Weh mir, wo nehm ich, wenn Es Winter ist, die Blumen, und wo Den Sonnenschein, Und Schatten der Erde? Die Mauern stehn Sprachlos und kalt, im Winde Klirren die Fahnen. Friedrich Hölderlin 人生の片側 梨がたわわになり 野バラ咲き乱れる 海に浮かぶ島 白鳥は口づけに酔い 愛らしき頭を沈める 動かざる聖なる水。 悲しいかな、冬になれば 何処にて花を摘み 何処にて陽光と 日陰を求めん? 無言の城壁は 風に向かい 冷ややかなる旗の音。 ヘルダーリン 写真は狂気の人生を送ったヘルダーリン・チュルム(Hölderlinturm)である。 後記 「緑の森」さんのコメントにより、明白な入力ミスに気付くと同時にヘルダーリンをかじってみた。知らないことばかりであった。ただこの詩の最初の行を入力してみると、ヘルダーリンが通ったラテン語学校が今はヘルダーリン・ギムナジウムとなり、この詩を教材にした授業の資料がウェブにあった。資料の最後に3通りの英訳があった。 私の訳詩は満足すべき物ではないが、一つ気になっていた部分がやはり誤訳であることがわかった。それは Und Schatten der Erde? である。つい木陰と訳したが、さらに冬の風を避けるための陰であるらしい。 もう一つは Klirren die Fahnen である。Klirren は相良編の独和辞典を調べたところ、カタカタ鳴る音、擬声語とあった。Fahnen は5番目ぐらいに風見旗という訳があった。布の旗は金属的な音を立てない。ここは英訳に従って風見鶏にすべきであることがわかった。風見鶏により前半の白鳥との対比が明確になり、納得できた。 そういうわけで訳詩の後半を改定する次第である。このきっかけを与えてくださった「緑の森」さんのコメントに感謝する次第である。なおこの詩は1805年にシラーが彼の主宰する雑誌に掲載されているとのこと。制作の年は分からないので、発病後の詩かどうかはまだ定かではない。 人生の片側 梨がたわわになり 野バラ咲き乱れる 海に浮かぶ島 白鳥は口づけに酔い 愛らしき頭を沈める 動かざる聖なる水 悲しいかな、冬になれば
何処にて花を摘み 何処にて陽光を求め 風を避けん? 無言の城壁は 風に向かい 冷たき風見鶏の音。 |
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44.ブラームスからエリーザベト・ヘルツォーゲンベルクへ ペルチャッハ、1878年9月14日 小売店主の妻、 クラーゲンフルト ブルクガッセ(訳注1) (パン屋のエンペルガーズ) これが郵便局長の奥さん(1)から知り得た宛先です。それではどうも。あなたのお手紙と私の楽しかった訪問に感謝します(私は若い貴婦人にも同等の感謝をしております)。 フロイライン・ポストはすすんでお手伝いしてくれますが、困ったことに、いまのところこのお茶だけはどうもいただけないです。フラウ・プックをためしてみてください。もしうまくいかなくても私を責めないでください。 J.Brより (1) フラウ・ウェルツァー、ペルチャッハのホテルと郵便局の女主人。ブラームスとは気が合った。フロイライン・ポストは彼が娘に付けた名前である。 訳注 1.ブルクガッセはハプスブルクの冬宮殿ホフブルクがあった通りである。その後カイザーガッセと名称を変更した。多くの歴史的事件の舞台となった宮殿である。ヒトラーはここでオーストリア併合を宣言した。写真は改装なった冬宮殿である。 |

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