ヘ短調作品34

ルブランの回想録の link 先はゲストブックを御覧ください。

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「今日の詩」もパソコンの故障がひびき投稿が遅れたものであるフロストの「一度だけ、何かが」である。フロストらしい詩である。この詩は1920年に月刊雑誌「ハーパー」に載った詩であり、「詩集」として出版されてはいない。どんな韻の芸当を見せてくれるのか期待したが、音節数は各行同じであるが、無韻詩であった。念のためにWebで検索してみたら、ある人物のブログにヒットした。ハイスクール時代に習って懐かしかったという。中学か高校か知らないが、ネイティブにはフロストは難しい詩人ではないみたいだ。

For Once, Then, Something

Others taunt me with having knelt at well-curbs
Always wrong to the light, so never seeing
Deeper down in the well than where the water
Gives me back in a shining surface picture
My myself in the summer heaven, godlike
Looking out of a wreath of fern and cloud puffs.
Once, when trying with chin against a well-curb,
I discerned, as I thought, beyond the picture,
Through the picture, a something white, uncertain,
Something more of the depths-and then I lost it.
Water came to rebuke the too clear water.
One drop fell from a fern, and lo, a ripple
Shook whatever it was lay there at bottom,
Blurred it, blotted it out. What was that whiteness?
Truth? A pebble of quartz? For once, then, something

Robert Frost.



一度だけ、何かが

僕は井戸端で膝をついて覗き込み
笑われるが、いつも光のかげんで
井戸は深くまでよく見えないのだ。
水はただ光る表面の僕の映像を送り返す
僕自身は神のようように
シダや雲の輪に縁取られ姿を現す。
井戸端に顎をのせて覗いたことがあるが
映像の向こうに白いものを見たような気がした。
映像を通してだから何か分からないが
深い所にある何か、そのうち見失った。
水はきれいすぎるのにいらだち始めた。
シダから一滴が落ちると、おや、波が
底にあるものをすべてかき回し、かすんで
見えなくなった。あの白いのは何だったろう?
錯覚だろうか?石英か?一度だけ、何かが。

フロスト

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30.エリーザベト・フォン・ヘルツォーゲンベルクからブラームスへ

ライプツィッヒ、1878年2月19日

 親愛なるヘル・ブラームス 

 たとえ一行でもいいからお手紙が頂けたらと思います。ニ長調のためにドレスデンに行かれる決心をなさったかどうかだけでも知らせてください。わたしたちもぜひ行きたいですから、運さえ良ければ、うまく都合をつけます。ユリウス・レントゲンがあなたはウィーンにとどまって仕事をするつもりだといったものですから、わたしたちは慌てました。いろんな試練にあっているフラウ・シューマンをさらに失望させないでください。気の毒な「魔の炎」の犠牲者!ユリウス・レントゲンはアムステルダムで夢中になった人たち話をしてくれました。ここでだれかがそうなれば。生きているうちにそれを見届けることは無理でしょうけど。

* * * * *

ルビンシュタイン(1)は、彼の道連れにはふさわしくありませんが、___(2)と一緒に、ライプツィヒの新聞記事をいれて明日送ります。このお手紙はそのパスポートです。ハインリッヒは可哀想にひどい咳をして、寝込んでいます。悪いことに、土曜日のコンサート(3)までにリハーサルを仕上げなくてはなりません。でも、「われらのもとに留まりたまえ、はや夕べとなれば」(4)は天国的な曲ですから、ハインツを回復させてくれることと思います。

 今日はさようなら。ファーベル夫妻にはどうぞよろしく。

 それから、あなたのペンを錆びつかせないでください。ところで、どう返事を書いていいか困っていらっしゃるときは、歌詞はあってもなくても構いませんが、ソルフェージを書いて送ってくれませんか。手の込んだ声楽曲が本当に少ないのです(5)。わたしは今バッハのオルガン・ソナタを歌っています。これは大変楽しいのですが、声楽のために念入りに書かれたものがあればすてきだと思います。言葉ごとにすくなくともに八つの八分音符があれば。それは素晴らしいですわ。一方ユリウス・レントゲンは、あなたのペンによる、手を固定させたままの指の練習曲を待ち望んでいます。アムステルダムではほんの小さな女の子たちもブラームスを演奏したがっているとか。この笛吹き男。

 わたしの哀れな主人からもよろしくとのことです。 

                        エリーザベト・ヘルツォーゲンベルクより 




(1)  おそらくアントン・ルビンシュタイン(Anton Rubinstein)のピアノの新曲。

(2)  ライプツィッヒの某作曲家の作品。

(3)  ヘルツォーゲンベルク指揮、夫人の伴奏と歌によるバッハ・フェライン演奏会。

(4)  バッハのイースター・カンタータ。

(5) ブラームスはこの要望には応えていない。彼女の不満に根拠がないと考えたものと思われる。彼はイタリアの昔のソルフェージュ作曲家をよく知っていた。

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