ヘ短調作品34

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「今日の詩」はイェーツの「すべての愛を捧げるな」である。今日のイェーツの14行の詩は奇数行と偶数行が同韻である。形式上の見事さは相変わらずだが、書かれた内容は、恋愛体験が乏しくても新聞社のコラムを担当する人物なら書けそうである。

だがイェーツが言うと、はしたないが詮索したくなる。女一般ではなく、特定の女について言ったのではないだろうか。確かに彼の詩にはしばしば女が登場する。私はイェーツをよく知らないが、彼がモード・ゴーンという、アイルランド独立運動の女闘士に振られた話は有名らしい。以前に訳した「イースター1916年」に登場する女も彼女ではないかと思われる。これ以上は英訳を限定するので控えたい。

Never Give All the Heart

Never give all the heart, for love
Will hardly seem worth thinking of
To passionate women if it seem
Certain, and they never dream
That it fades out from kiss to kiss;
For everything that's lovely is
But a brief, dreamy, kind delight.
O never give the heart outright,
For they, for all smooth lips can say,
Have given their hearts up to the play.
And who could play it well enough
If deaf and dumb and blind with love?
He that made this knows all the cost,
For he gave all his heart and lost.

William Butler Yeats


すべての愛を捧げるな

すべての愛を捧げるな。情熱的な女に
愛が真実に見えたら、女は
愛は考えるに値しないと思う。
彼女たちは夢にも思わないが
愛はキスするごとに色褪せる。
愛らしい物は全て短命であり
夢見るようで、無害な喜びである。
女達は、うまい言葉で言えば
お芝居に愛を捧げている。
愛で耳も口も目も感じなくなり
上手に芝居できる男が何処にいる?
すべての愛を棒げ、すべてを
失った男がお芝居の代償を知る。

イェーツ


写真はモード・ゴーンさんである。私の推測を支持する文献を読んだわけではない。間違っていたら、ご本人には申し訳ない。だが彼女はイェーツを振ったことで後世に名を残したアイルランド独立運動の闘士である。彼女はイースター1916年の反乱で処刑された独立運動の闘士と結婚したが、惨憺たる結婚生活だったらしく、二度と結婚しなかった。

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今日のドイツの詩はトラークルの「夢見るセバスチャン」の第13部「カスパー・ハウザーの歌」である。カスパー・ハウザーという謎の捨て子だがヨーロッパ中の話題になった。高貴の血を引く捨て子ではないかと言うのである。彼は殺されて人生を終わるのだが、その後もこの謎は人々の記憶に残った。詳しくはウィキペディアの カスパー・ハウザーを参照されたい。


Sebastian 13

Kaspar Hauser Lied

Für Bessie Loos

Er wahrlich liebte die Sonne, die purpurn den Hügel hinabstieg,
Die Wege des Walds, den singenden Schwarzvogel
Und die Freude des Grüns.

Ernsthaft war seinen Wohnen im Schatten des Baums
Und rein sein Antlitz.
Gott sprach eine sanfte Flamme zu seinem Herzen:
O Mensch!

Stille fand sein Schritt die Stadt am Abend;
Die dunkle Klage seines Munds:
Ich will ein Reiter werden.

Ihm aber folgte Busch und Tier,
Haus und Dämmergarten weißer Menschen
Und sein Mörder suchte nach ihm.

Frühling und Sommer und schön der Herbst
Des Gerechten, sein leiser Schritt
An den dunklen Zimmern Träumender hin.
Nachts blieb er mit seinem Stern allein;

Sah, daß Schnee fiel in kahles Gezweig
Und im dämmernden Hausflur den Schatten des Mörders.

Silbern sank des Ungeborenen Haupt hin.

Trakl


夢見るセバスティアン13

カスパー・ハウザーの歌

 ベッシー・ロースに

彼は確かに深紅の丘に沈む太陽
森の道、歌う黒き鳥
緑の喜びを愛した。

彼の住処が木陰にあったのも確かだし
彼の顔も純粋だ。
神は彼の心に静かな炎を語った。
ああ何と!

彼の足は夕暮れどき静かに町に向かった。
彼の暗き嘆きの声。
僕は騎兵になりたい。

藪と獣が彼を追い
白き人の王家と黄昏の庭と
暗殺者が彼を探した。

正統なる者の春と夏と早くも秋
夢見心地で暗き部屋に向かう
彼の軽やかな足取り。
夜の友は彼の星のみ。

見たのは葉落ちたる枝に降る雪と
黄昏の入口に迫る暗殺者の影。

生まれざりし者の頭は銀色に沈み行く。

トラークル

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87.エリーザベト・フォン・ヘルツォーゲンベルクからブラームスへ

イエナ・バイム・パラディース、(1)1881年7月3日

 親愛なる友へ

  昔怖い叔母がいました。彼女は素晴らしい画廊から出てきて、感動して叫びました。「なんて見事で素晴らしいのでしょう。でも救世主を愛する方がずっと重要だわ。」あなたの自発的隠遁生活にかんしてこの種のことを述べさせていただきます。イタリアに行き、目を楽しませて存分に楽しむことは見事で素晴らしいことです。でもときおり友人を思い出すことも重要なことです。あなたについてお伺いしたいことがあります。とくに現在の所在、それに夏の終わりにお会いする機会があるのでしょうか。その頃だけがわたしたちが自由にできる期間だからです。わたしたちは今年の夏不運に見舞われました。最初の災難ですが、わたしたちはここに縛られています(わたしは文字通り仰向けで(2))。ここで軽率にもある医師にかかってしまいました。彼がわたしの健康と気分を回復してくれたことは認めますが、2ヶ月後のことでした。つぎの災難ですが、健康回復のため皆が行きたがる少し涼しいアルプスかその近くの快適な森に行く代わりに、わたしたちは今やカビ臭くて魅力に乏しいヴェニスに行くことになりました。体の弱った母が夏の間はそこが我慢できると思ったからです。気管支炎と肺の病気でさらに北の方には行く勇気 がないのです。

 辛いことですが、人間母親は一人しかないことを思い、彼女のために何らかの犠牲を払うべきだと思いました。わたしは海水浴で元気を回復できたら思っています。どれだけそこに滞在できるかわかりません。――たぶん2週間ぐらいでしょう。その後、リッテン・アバブ・ボゼンに、ハインリッヒの親戚のところに行きます。空気がきれいですから、献身のために吸い込んだ悪臭を償ってくれると思います。それから9月に余裕がありますので、なんとしてもあなたに会えないかどうかは誰も分からない。いつものようにペルチャッハにおられたら、わたしたちは訪問したいと思います。イシュルがあなたを呼べば、わたしたちの行程から大きく外れることになります。あるいはあなたの九月の動きがわたしたちに好都合であれば。この場合は大歓迎です…わたしはここで閉じこめられていますので、生きている印を送ってください。最初の月はハインリッヒもライプツィッヒを出られなくて、わたし はひとり孤独でした。外からの好意は二重に歓迎です。二ヶ月の欠乏の後ですから、音楽はこれまで以上にありがたいです。それに断片でもいいですから、不用 で余った古い写本用紙をお手紙に同封して頂けたら、この上ない喜びです。数小節でいいですから、あなたの新しい作品で、わたしは回復し、何日かは早く安静 を解かれ、完治の宣言が頂けるでしょう。ヘル・クリサンダー(3)が以前発見したように、あなたは感動して「心からの真の親切心」でされることがあります。彼の巧妙な小論文には、心底からの熱狂ぶりでわたしたちを感激させた一、二の主張があります。でも彼のヘンデルや彼には一方的と思われるバッハ崇拝、あなたのことまで強引に議論に持ち込む彼の手口は楽しめました。ヘンデ ルとクリサンダーの関係は、ワーグナーとフリッチュの関係と同じで、いきなりピョコンと飛び出すびっくり箱です。(フリッチュの新聞の最近号で)一番面白かったのは、グレゴリア聖歌を議論している論文で、目に見えぬバネでワーグナーがピョコンと飛び出してきたことです。よろしければどうぞ。論点は彼の改革はコラールに基づいているというのです。ああ、なんたるものを読んでいるのでしょう(普通は読まないのでしょうが、イェナは退屈です)。クリサンダーの論文などは対照的に光っています。{意味不明}議論になっている友人が良いのでどの点でも怒りません。

 フラウ・シューマンについて何かご存じですか。わたしが知っているのは、彼女がガシュタインに行かれることだけです。シューマンの校正刷りのことで文通をして以来消息がないのですが、推敲中の別版の「ダビッド同盟舞曲集」を知らなかったものですから、これにはかなり困りました。最後かその手前の部分の楽節はどう演奏されますか。「彼方からのように(Wie aus der Ferne, ロ長調)」
{シューマンの校正刷り挿入}
このようにしますか。それとも普通にホ音ナチュラルでしょうか。ホ音で弾くように言われましたが、嬰ホ音がずっと良いように思えます。その後にホ音が入ると 非常に効果的です。キルヒナーの写本ではまた違っております。嬰ホ音はなく、へ音の前に気の重いダブル・シャープがあります。編集とはなんと大変な作業でしょう。ホ音か嬰ホ音を永遠に確定する責任者は誰でしょう。

  ハインツからよろしくとのことです。彼の部屋はわたしの部屋の上にあります。同じような学生の勉強部屋です。イェナは親しみやすい小さな所です。四つの壁 以上のものを見る機会があります。ハインリッヒは山をすべて探検し、明らかなアルプス種の植物とのどかなドイツの景色に恍惚としています。

 あなたに挨拶を。わたしたちが発つ前にお便りを下さい。あと一週間はきっちりここにいます。レントゲン一家は洗礼式でアムステルダムにいます。お幸せなご夫婦。天国のイェナはあなたの誠実なる友の住所です。

エリーザベト・フォン・ヘルツォーゲンベルクより



(1) ザールの川沿いの古びたリゾート地。

(2) この手紙は鉛筆で書かれている。

(3) フリードリッヒ・クリサンダー(1826-1901)はヘンデルの作品を編集し、彼が編集する Allgemeine Musikalische Zeitung に伝記を書いた。 この論文は16巻の22にある。

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