ヘ短調作品34

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「今日の詩」はキーツの「チャップマンのホメロスを始めて見る」である。チャップマンという人物を調べたら、この詩がウィキペディアに出てきた。従来イギリスの詩人はドライデンやポウプを通じてホメロスを知ってきた。

だが友人からエリザベス朝の文人チャップマンのホメロスを見せられ、夢中になり読みふけった。新しいホメロスの世界の発見である。

キーツはその感激を、天王星の発見やパナマを超えて太平洋を見つめたコルテスに擬えてすぐに詩を書いた。彼に残された短い人生を左右した大事件であった。些細なことであるがコルテスが最初に太平洋を見た征服者というのはキーツの誤解ではないだろうか。上の写真はパナマのダリエンから眺めた太平洋の落日である。


On First Looking Into Chapman's Homer

Much have I travell'd in the realms of gold,
And many goodly states and kingdoms seen;
Round many western islands have I been
Which bards in fealty to Apollo hold.
Oft of one wide expanse had I been told
That deep-brow'd Homer ruled as his demesne;
Yet did I never breathe its pure serene
Till I heard Chapman speak out loud and bold:
Then felt I like some watcher of the skies
When a new planet swims into his ken;
Or like stout Cortez when with eagle eyes
He star'd at the Pacific--and all his men
Look'd at each other with a wild surmise--
Silent, upon a peak in Darien.

John Keats.


チャップマンのホメロスを始めて見る

僕はたっぷり旅行した、黄金の国や
数多くの地方や王国を見聞した。
アポロンに仕える吟遊詩人が歌った
多くの西方の島々を巡ってきた。
これまで僕は賢いホメロスが支配した
広大な領地を聞かされてきたのだが。
チャップマンが声高く大胆に語るまで
僕は一度も純粋な静寂を吸ったことがない。
新惑星が彼の知識の中で泳ぎまわり始め
僕は空の観察者になった気分がした。
まるで大胆なコルテスが鷲の目で
太平洋を眺め − 彼の部下がともに
激しい驚嘆の念で見詰め合った −
ダリエンの頂でものも言わなかったように。

キーツ

転落 -- トラークル

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トラークルの「死の七つの歌」の第四編「転落」である。いつも決まった語彙の組み合わせで語るトラークルであるが、今回はgen の一語が登場し、迷った挙句に投稿することにした。


Untergang

An Karl Borromaeus Heinrich

Über den weißen Weiher
Sind die wilden Vögel fortgezogen.
Am Abend weht von unseren Sternen ein eisiger Wind.

Über unsere Gräber
Beugt sich die zerbrochene Stirne der Nacht.
Unter Eichen schaukeln wir auf einem silbernen Kahn.

Immer klingen die weißen Mauern der Stadt.
Unter Dornenbogen
O mein Bruder klimmen wir blinde Zeiger gen Mitternacht,

Trakl


転落

カール・ボッロメウス・ハインリッヒに捧ぐ

白き池の上
野鳥が飛翔した。
凍てつく風は夜われらの星より吹く。

われらの墓の上
夜の破壊された額がかがむ。
樫の樹の下われらは銀色のカヌーに揺れる。

町の白き城壁は常に響く。
荊のアーチの下
ああ兄弟よ、われら真夜中ごろ盲目の時計針に登る。

トラークル

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108.ブラームスからエリーザベト・フォン・ヘルツォーゲンベルクへ

〔ウィーン、1882年4月〕

 親愛なる友へ

 あなたは私の歌曲「テレーゼ(Therese )」(1)を持っていると思いますが、つぎの改訂版に率直にご賛同頂けると大変ありがたいのですが。

{楽譜}

それに

{楽譜}

ある版は他の版と同じ時期のものですが、たぶんあまり歌いやすくないのですが、一般には写譜され、歌われております。どうも私にはなじめなく、どうすべきか困っています。

 お二人で歌ってみてください。ピアノで哀れな若者を思い悩ませてください。ではお手紙を下さい。
あなたのもっとも誠実なJ.Brより



(1) 作品86第1曲。

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