ヘ短調作品34

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「今日の詩」はスティーブンソンの「見つめる人の目に触れて」という詩である。最初は「お子様向けの無害な作家」スティーブンソンとしてはお色気が感じられた。「見つめる人」が男の恋人かメイドかで意味が違ってくる。だがアレッと思うのは第一詩節だけである。要するに、19世紀の貴婦人が晴れ着を脱いだときの歓喜の開放感を描いたものである。今では人畜無害な作品だが、19世紀の親が子供に読ませたかったどうか?

一部女性下着の訳で弱った。男性のステテコのような下着を「風とともに去りぬ」のミス・スカーレットがはいていた記憶がある。あれがDutchman's breeches というものであろうか? 衣装の歴史に詳しい方の注釈がいただけたら幸いである。

今日の絵はフランス印象派の女流画家ベルテ・モリゾに登場願った。化粧室は女性のみに入室が許されるからである。


Now Bare To The Beholder's Eye

Now bare to the beholder's eye
Your late denuded bindings lie,
Subsiding slowly where they fell,
A disinvested citadel;
The obdurate corset, Cupid's foe,
The Dutchman's breeches frilled below.
Those that the lover notes to note,
And white and crackling petticoat.

From these, that on the ground repose,
Their lady lately re-arose;
And laying by the lady's name,
A living woman re-became.
Of her, that from the public eye
They do enclose and fortify,
Now, lying scattered as they fell,
An indiscreeter tale they tell:
Of that more soft and secret her
Whose daylong fortresses they were,
By fading warmth, by lingering print,
These now discarded scabbards hint.

A twofold change the ladies know:
First, in the morn the bugles blow,
And they, with floral hues and scents,
Man their beribboned battlements.
But let the stars appear, and they
Shed inhumanities away;
And from the changeling fashion see,
Through comic and through sweet degree,
In nature's toilet unsurpassed,
Forth leaps the laughing girl at last.

Robert Louis Stevenson.


見つめる人の目に触れて

見つめる人の目に触れて
君がつい曝けだした紐が
ゆっくりと滑り落ちた
武装解除した城砦。
頑固なコルセット、キューピッドの敵
裾飾りのついたダッチマンズブリーチ。
恋人が特に注意して見つめる下着と
パチパチ音を立てる白いペティーコート。

床に休憩している下着
貴婦人は下着から解放された。
名ばかりの貴婦人が横になり
本当の女に戻った。
下着は公衆の目から彼女を
囲い込み、護衛するが
今や散らばって
慎みのない話をしている
彼女の弱点や秘密。
下着は彼女を終日護衛するが
つい投げ捨てられた鞘
冷めた温もりや消えない皺が物語る。

貴婦人は二重の変装を心得ている。
まず朝起床ラッパが鳴り
花の色と香りとともに
リボン付きの胸壁に要員配置。
だが星が登場すると
非人間性をかなぐり捨てる。
おどけた可愛いい仕草で
変装したお洒落から
この上なく自然な化粧室を覗き
ついに娘になり笑い飛び跳ねる。

スティーブンソン

西洋の歌 -- トラークル

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トラークルの「死の七つの歌」より第7作「西洋の歌」である。なぜ「西洋」なのか?「東洋」を意識して、乳香とか甦りとかいう東方的な言葉が出てくる。彼の得意の暗示的な手法であろうか。


Abendländisches Lied

O der Seele nächtlicher Flügelschlag:
Hirten gingen wir einst an dämmernden Wäldern hin
Und es folgte das rote Wild, die grüne Blume und der lallende Quell
Demutsvoll. O, der uralte Ton des Heimchens,
Blut blühend am Opferstein
Und der Schrei des einsamen Vogels über der grünen Stille des Teichs.

O, ihr Kreuzzüge und glühenden Martern
Des Fleisches, Fallen purpurner Früchte
Im Abendgarten, wo vor Zeiten die frommen Jünger gegangen,
Kriegsleute nun, erwachend aus Wunden und Sternenträumen.
O, das sanfte Zyanenbündel der Nacht.

O, ihr Zeiten der Stille und goldener Herbste,
Da wir friedliche Mönche die purpurne Traube gekeltert;
Und rings erglänzten Hügel und Wald.
O, ihr Jagden und Schlösser; Ruh des Abends,
Da in seiner Kammer der Mensch Gerechtes sann,
In stummem Gebet um Gottes lebendiges Haupt rang.

O, die bittere Stunde des Untergangs,
Da wir ein steinernes Antlitz in schwarzen Wassern beschaun.
Aber strahlend heben die silbernen Lider die Liebenden:
E i n Geschlecht. Weihrauch strömt von rosigen Kissen
Und der süße Gesang der Auferstandenen.

Trakl


西洋の歌

ああ魂の夜の羽ばたき。
羊飼い、われら夕闇迫る森に入りたる
赤き鹿、緑の花、ざわめく泉
謙虚に続く。コオロギの古き調べ
生贄の石台に花咲く血
池の緑の静寂の上に叫ぶ孤独な鳥。

汝ら十字軍の戦士にして肉体の
燃える拷問、真紅の果実の落下
夕暮れの庭、昔敬虔なる弟子が歩きたる
今は戦士、傷と星の夢から目覚めたる
ああ、夜のシアンの柔らかき包帯。

ああ、汝は静寂と金色の秋の時
われら穏やかなる修道僧は真紅の葡萄を搾り
丘と森は一面光り輝いた。
汝狩と城、夜の安息
部屋で正義を沈思し
沈黙の祈りで神の生ける頭脳を得んとする時。

転落の苦き時間
われら黒き水面に石の顔を覗く。
だが恋人たちは輝きて銀色の瞼を上げる。
ばら色の枕より流れる性の乳香と
甦る者の甘き歌。

トラークル

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111.エリーザベト・フォン・ヘルツォーゲンベルクからブラームスへ

〔ライプツィッヒ〕1882年5月18日

 親愛なる友へ

 早々のご返事ありがとうございました。わたくし請願者とご愛顧を賜りましたエセル・スマイスはあなた様のご親切に大変感銘を受けました。でもどこで紹介の手紙を書く素晴らしい体験をされましたか。この優雅さと出来映え。――あなたはフランスの男性ですよ…いつもの自我の叫び(1)。

 でも、わたしがハレ(またイェナと思うでしょう)に行くと思い込まないでください。わたしは釈放され、フランクフルトに行くと言いましたでしょう。その後は、つぎからつぎへと果たさなければならない義理があります。ボヘミアのハインリッヒの親戚訪問とグラーツで病気のW.の家の訪問。それから山の片隅、たぶんケルンテンか、近いのでティロルで短期間休養します。ペルチャッハに宿泊されるならば訪問させていただきます。でもイシュルとなると。――倹約から夏の計画は駄目になるかもしれません。

 聖霊降臨節まではここで連絡は取れます。歌曲集でわたしたちをからかわないでください。もしし続けると、いつまでも「黒々とした木々」と「さらに黒くなった空」が続くように祈りますよ。

 エセルからよろしくとのことです。ご存じでしょうか。彼女は今年の冬にはフィレンツェで独り立ちして仕事を始めます。そちらで彼女とお会いするかもしれませんね。彼女はフーガの本場で非の打ち所のないフーガを完成させるのが念願です。わたしは彼女がどこまで成功するか非常に興味があります。利点はブラームスを聴く機会があまりないことです。

 ではさようなら。美しい作品を数多く生み出すであろう、居心地の良い冬営地から、わたしたちを感銘させるものを創ってください。

エリーザベト・ヘルツォーゲンベルクより







(1)ブラームスがエセル・スマイスの名前を記憶する前に彼女の名前が表紙に載るといったことで、フラウ・フォン・ヘルツォーゲンベルクはこれを将来性ある作曲家の出版者への推薦と解釈した。

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