ヘ短調作品34

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昨日、私の親友の奥さんの訃報を受け取った。「今日の詩」の選者が送ってきた詩は偶然であるが、エミリー・ディキンソンの「彼女は誇をもって死に」であった。今日はお通夜に出かけるので、不充分な訳詩であるが、投稿することにした。随分充実した人生を送られた女性であった。


So Proud She Was To Die

So proud she was to die
It made us all ashamed
That what we cherished, so unknown
To her desire seemed.

So satisfied to go
Where none of us should be,
Immediately, that anguish stooped
Almost to jealousy.

Emily Dickinson.


彼女は誇をもって死に

彼女は誇をもって死に
一同恥じ入った。
私達に貴重なものには
全く無欲らしかった。

満足して行った所に
誰一人行けそうもない。
途端に苦痛は卑しい
嫉妬へと転落した。

エミリー・ディキンソン

温室 -- シュタットラー

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今日のドイツ語の詩は、魅力を感じながらも投稿をためらってきた、スタットラーの「温室」である。シュタートラーの詩はこれまでも躊躇したが、今回はその比ではない。ドイツ語の単語をごく常識的な訳語に置き換えただけでは温室の光景にはならない。辞書をよく調べてみるとほとんどは植物学の訳語があるが、植物学上のイメージがわかない。

だがどうして通常牛を意味するFarren だけは辞書になかった。これは作者のその花への連想なのか、植物分類学者あるいは蘭に詳しい人なら誰でも分かる用語なのか。シュタットラーのむせ返るような植物への愛好はまだ一編の詩でしか確認していない。私の創作した訳詩であろうが、私の思い込みをひとまず書き込むことにした。


Im Treibhaus

Gefleckte Moose - bunte Flechten schwanken
um hoher Palmen fächerstarre Fahnen
und zwischen glatten Taxusstauden ranken
sich bleich und lüstern zitternde Lianen.

Gleich seltnen Faltern schaukeln Orchideen
und krause Farren ringeln ihr Gefieder
glitzernd von überwachsnen Wänden wehn
in Flocken wilde Blütenbüschel nieder.

Und kranke Triebe züngeln auf und leuchten
aus jäh gespaltner Kelche wirrem Meer
und langsam trägt die laue Luft den feuchten
traumschlaffen Duft der Palmen drüberher.

Und schattenhaft beglänzt im weichen
gedämpften Feuer strahlt der Raum
und ahnend dämmern Bild und Zeichen
für seltne Wollust - frevlen Traum.

Stadler, Ernst (1883-1914)


温室

斑の苔 ― 色鮮やかな苔は
高い棕櫚に付く扇型の旗弁を揺らし
欲望に青く震えるツタは
滑らかなイチイに絡みつく。

珍種の蝶も蘭を揺らし
羽毛を曲がった唇弁に巻きつけ
きらめきながら厚い花皮から
冠毛を吹き飛ばす。

突如萼が割れ、広がる動揺の波
病む本能がきらめき、照らし
生ぬるい大気は棕櫚の湿気
夢見心地の香をゆっくり運ぶ。

弱く静かな火で
薄暗い部屋は灯され
奇妙な欲望 ― 傲慢な夢の
姿と形が見えてきた。

シュタットラー

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133.ブラームスからヘルツォーゲンベルクへ

[ウィーン、1884年3月28日]

 親愛なる友へ

 一度になんとたくさんの贈り物。――奥さんの良い知らせと献呈。献呈された作品と献呈そのものに、これ以上嬉しく思ったことは憶えていません。いずれも期待を上回るものでした。私は自分の名前が四重奏曲に載るのを待ちこがれていました。――それに三曲すべてに。

  この音楽をいずれ楽しめることは知っておりましたが、楽しみが大きいので、ここですぐに述べることを躊躇します。私はすぐにも賞賛いたします。あなたが疑うと困りますので。確実にいえることは、この作品はなたの最高傑作です。奥さんが演奏し通すことに情熱のはけ口を見出されるというならば、私は喜んで最初から最後まで彼女に従います。

 ああ、あの大事な奥さん。もしも、いつものように回復してくれなかったら、一体この献呈も何になりましょう。

 それは、あなたにとってすべてを失うことになり、その他の人たち、彼女の友人にとっても人生の最高のものを失うことになります。

 あなたがお元気で、差し支えなければお手紙を下さい。温泉を勧められませんでしたか。それとも新築の家に行けますか。私はイシュルに行くことを考えております。夏にはそこで会いましょう。

 この机の上にこの五十年間誰の目にもふれなかった二曲のベートーベンのカンタータがあります。――1790年に書かれて以来ほとんど―― 一曲はヨーゼフ二世の死去のさいに、もう一曲はレオポルド二世戴冠式のさいに書かれています。この二曲はライプツィッヒの骨董市であなたが手に入れていたかもしれません。レオノーレのフィナーレのへ長調が前者に導入されています(1)。

 もう一度心から感謝します。私は今それをピアノでもっと効果的に弾くつもりです。お二人のことを真心込めて思うでしょう。

いつまでもあなたのJ.ブラームスより



(1) ベートーベン時代の写譜職人によるカンタータがエードゥアルト・ハンスリックからブラームスにプレゼントされた。これはハンスリックが崇拝者のアルミン・フ リードマンから受け取ったものである。フリードマンはライプツィッヒの古本商から手に入れている。ハンスリックはカールスバードに保養に出かけた。ブラームスの返事は彼としては異例の長文であり、公表されることを意識していたことは明らかである。これは有名人の名義で発表するブラームス独特の流儀であり、1889年のハンスリックの論文集(379−389ページ)に An Ende des Jahrhunderts という題で掲載されている。


訳者注

ブラームスが手放しでハインリッヒの新作を「賞賛」したことはこの書簡で確かである。だが言うのはタダ。私には本気で褒めたとは思えない。エリーザベトに強要されて「賞賛」したに過ぎないように思える。ブラームスは「ハインリッヒは作曲さえしなければとっても良い人」と評した人物である。ブラームスのハインリッヒ評価には色々な解釈がある。ブラームスは最下層の平民出身であるのに、ハインリヒは貴族出身である。彼には過ぎた才色兼備の女性と結婚している。等々嫉妬説も有力である。

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