ヘ短調作品34

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若き馬 -- ボルト

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今日のドイツの詩はパウル・ボルト(1885―1921)の「若き馬」である。ウィキペディア・ドイツ語版によれば、ドイツ表現主義の詩人とある。ということは2年後に生まれたトラークルと同じ世代に属し、ドイツ語圏の両者は第一次世界大戦に召集されている。ボルトは病で兵役からはずされ、トラークルは自殺している。

表現主義といっても、未来派や超現実主義のように党派宣言したわけではない。評論家の分類概念であり、二人に党派意識があったわけでないし、出会ってもいないようである。トラークル同様絵画的であるが、ボルトの言葉に近代性とダイナミズムを感じる。今日の詩はグーテンベルク・プロジェクトから得られる詩で、彼が注目を浴びた作品である。形式的には1詩節が4行の4詩節から構成されている。一行は厳格に8音節で韻文である。脚韻の構造は[a, b, a, b]である。

Junge Pferde

Wer die blühenden Wiesen kennt
Und die hingetragene Herde,
Die, das Maul am Winde, rennt:
Junge Pferde! Junge Pferde!

Über Gräben Gräserstoppel
Und entlang den Rotdornhecken
Weht der Trab der scheuen Koppel,
Füchse, Braune, Schimmel, Schecken!

Junge Sommermorgen zogen
Weiß davon, sie wieherten.
Wolke warf der Blitz, sie flogen
Voll von Angst hin, galoppierten.

Selten graue Nüstern wittern,
Und dann nähern sie und nicken,
Ihre Augensterne zittern
In den engen Menschenblicken.

Paul Boldt


若き馬

花咲き誇る牧場に
放たれた家畜に気付き
風に口を開けひた走る
若き馬!若き馬!

墓の草を吹き抜ける風
赤き棘の生垣に沿い
鞭に怯え駆け抜ける馬
茶、黒、白、斑!

夏の早朝、たなびく白
馬はいななき
雲は稲妻を放ち、馬は
おびえて急いで逃げた。

灰色の鼻から吸わず
鼻を寄せて、上下させ
馬の瞳孔は人間の
狭き目の中で震える。

ボルト


絵はドイツ表現主義の画家マルクが好んで取り上げた馬の絵である。

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120.エリーザベト・フォン・ヘルツォーゲンベルクからブラームスへ

[ライプツィヒ]1883年5月5日

 親愛なる友へ

 この「新ドイツ音楽協会」(1)の集会の日々、あなたのことやあなたのお誕生日が間近いことを考えながら、わたしたちは「音楽協会」よりはあなたに帰属しているのだと思ったら、急に元気になり、爽やかな気分になりました。わたしたちにはリーデルの修道会の印(V.M.)が押されていますが、このイニシャルはワーグナーの戦没者名簿にも栄誉を与えるものです。あなたは3日からわたしたちが体験したことからすべてから逃れることができて、幸せというものです。M.フォーゲルとH.ゾップの歌を経て、ドレセケの「怒りの日(Dies Irae )」、ロシアの交響曲と四重奏曲(2)からパルシファルの輸入・加工商売に至るまで。ええたしかに、真の才能や精神力の証拠(ボロディンの交響曲のように)がたまたまありました。でもこんな趣味の悪く素人臭いのといると、「新ドイツ音楽協会」はブッシュのあの聖アントニウスのお話にならってきたような気がします。

  大きな羊が数多く入ることを許されたからには、
この可愛い子豚に駄目とはいえない。

こんなコンサートで、あなたのパルツェン・リードを聞くのは腹が立ち、あまり嬉しくない気がするというものです。平等の権利というのは芸術に適用されては気の毒な原則です。芸術というものは貴族的なものですし、今後もそのはずです。今日クリスタル・パレスであなたの「パルツェン・リード」(3)を聴いていて、スペインの大公殿下が居酒屋に迷い込まれたような気がしました。

 ビュルナーがわたしたちの隣に座っていたのがせめてもの慰めでした。マイスター(4)とパルツェンについて議論しなくてもすみました。三つの鼻がこのすてきなスコアに釘付けになり、三つの心がそれぞれの流儀でしたが、誠実に感謝しました。

 ニキッシュ(5)は、 ライプツィッヒでは誰もがそうですが、大変苦労していました。ここでは、コーラスの女性はフラットなのかシャープなのかそれほどこだわりません。彼女たちは元気がなさそうで、腕組みして記憶で歌っていました。特定の楽節ではいつも調子外れで、あの天国的な楽節「そしてむなしく待つ」では、文字通り純粋の朗唱をむなしく待ちました。にもかかわらず、実際の音響効果は、わたしたちが前もって想像しなかったもので、まったく未知の作品の魅力をふれました。わたしたちがスコアを読んで、努力して理解し、好きになった箇所――たとえば、「客たちは侮られながら(So st??rzen die Gaste geschm??ht und gesch??ndet )」での荒々しい変化(わたしはあのハ短調とイ短調に関して異端であることを告白します。それとさらに「闇(Tiefen )」という言葉の残酷な箇所)――は実際に聴いて、力強くて確信に充ちたものでした。わたしたちはこの美しい必然に快く屈服しました。

 その価値の意識はともかく、すでに多くのことを聞いているはずです。わたしは楽しかったことを、あなたに解剖してさしあげる気はありません。ただ贈り物に感謝するだけです。「新ドイツ音楽協会」の混じった臭いの後で、空気の澄んだ高いところにいる気がしました。

 遅ればせながら、チョドウィエッキの本(6)を 送ります。これは苦労してやっと探し当てたものです。前に言いましたように、この版は完全に売り切れていました。この楽譜はクリスマス・プレゼントになっていたはずですが、誕生記念としてお受け取りください。ハインツは善良で正直な中世高地ドイツ人の心の底からあいさつを送ります。彼は「新ドイツ音楽協会」に辟易しています。ある日バイオリン・コンチェルト(ブロドスキー(7)の心のこもった演奏でした)を聴いた後、言いました。「あの懐かしい茶色のコートは群がった300のコートの価値がある。」わたしたちは疲れています。 「森の静寂」が待ち遠しいのです。「あなたの足元にすわる(Ich sa?? zu deinen Fu??en)」(8)ロ短調の気分はこのローゼンタール(9)の夜鶯では呼べないのです。

 さようなら。ささやかな愛情をわたしたちに下さい。わたしはまた、駄文で埋め尽くされた音楽新聞でも、8頁のシュトラウスのワルツ(10)で包んでさえあれば気にはしません。
 ダルベール(11)はかさで入院しています。こんな調子でそうなったのです。

{楽譜}(12)

どっちみち同じことさ。
  俺たちに何の関係がある。
俺たちには関係ない。(13)

今朝はわたしのペンの羽は逆なでされています。このフェスチバルは手紙書きには良くないみたいです。許してやってください。

E.ヘルツォーゲンベルクより



(1)「全ドイツ音楽協会」の集会が5月3日から6日までライプツィッヒで開催された。設立者の一人、カール・リーデルはブレンデルが1868年に死去した後、協会の会長であった。

(2) リムスキー・コルサコフの弦楽四重奏曲とボロディンの変ホ調の交響曲。

(3) 合唱と管弦楽のための「運命の女神の歌」、作品89。

(4) フランツ・リストはこの集会に特別に招待された。

(5) アルトゥール・ニキシュ(Arthur Nikisch, 1855−)。有名な指揮者。当時ライプツィッヒ・オペラの主席指揮者。

(6) おそらくチョドウィエッキの「旅行―ベルリンからライプツィッヒへ」1893年。ファクシミリ本。

(7) アドルフ・ブロドゥスキー博士(Dr. Adolf Brodsky)、バイオリニストで当時ライプツィッヒ音楽院の教授、現在マンチェスターの王立音楽学校の校長。

(8) 作品85第6曲。

(9) ライプツィッヒ郊外の森林公園。

(10) ブラームスが自筆原稿を送るときの習慣。

(11) オイゲン・ダランベール(Eugen d’Albert, 1864−)、有名なピアニストで作曲家。

(12) リストの変ホ調コンチェルトの冒頭。ダランベールは祭典の二日目に演奏した。

(13) ウィーンの街の歌。

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