ヘ短調作品34

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「今日の詩」の選者が送ってきたのは久しぶりにエドガー・アラン・ポーの詩 “Elizabeth” 「エリザベス」である。エリザベスという女性を賛美する詩かと思いきや、エリザベスを巻頭に持ってくることを正当化する論を述べている。例によってきれいな韻文である。実際にこんな詩集がでたのかどうか知らない。ただこのありふれた女性の名前はポーの母親の名前であるが、ポーの奥さんの名前もVirginia Eliza Clemm Poeである。これ以上は研究者に任せよう。

写真はエドガー・アラン・ポーである。

Elizabeth

Elizabeth, it surely is most fit
[Logic and common usage so commanding]
In thy own book that first thy name be writ,
Zeno and other sages not withstanding;
And I have other reasons for so doing
Besides my innate love of contradiction;
Each poet - if a poet - in pursuing
The muses thro' their bowers of Truth or Fiction,
Has studied very little of his part,
Read nothing, written less - in short's a fool
Endued with neither soul, nor sense, nor art,
Being ignorant of one important rule,
Employed in even the theses of the school -
Called - I forget the heathenish Greek name
[Called anything, its meaning is the same]
"Always write first things uppermost in the heart."

Edgar Allan Poe


エリザベス

エリザベス、汝の名を最初に書くのが
[論理的にも慣用的にも]
汝を書いた本に相応しいし
ゼノンや賢者も認めてくれよう。
生来のへそ曲がりからでなく
私にはそうする理由があるのだ。
詩人はみな ― 詩人なら ― 真実であろうと
虚構であろうとミューズを追いかけ
自分自身のはたした役割を追求せず
無学であった ― 要するに愚者であり
魂にも感覚にも技巧にも恵まれず
ある学派の主要命題にもなっている
重要な規則を知らなかったのだ―。
その名―異教のギリシャ人の名前を失念したが
[名前はどうあれ、意味は変わらぬ]
「書くべきはまず心に浮かんだこと」。

エドガー・アラン・ポー

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267.ヘルツォーゲンベルクからブラームスへ

ローマ、ピアツァ・ディ・ピエトロ、パラツォ・チーニ、

1892年3月12日

親愛なる友へ

ペータースはあなたの最新作ソロ四重唱(1)をサン・レモ(2)に、しかもこの時期に送付しました。私が曲を見ていないことをお許しくださるでしょう。二、三週間内にはフィレンツェに戻りますが、その時の楽しみができました。結局私はいらいらしながら、一人寂しく引き返し、ローマに一週間前に着きました。ここでは義姉(3)の家族が私を優しく迎えてくれました。

先日、フライシュル医師(4)の家でビルロートのお嬢さんと知り合いにならずじまいでしたが、彼女とそこに居合わせたフラウ・クイッデと会うつもりです。大きくて暗い、大勢の人がいる部屋で、夢の中にいる様な気分でした。

ジムロックがちょうど三重奏曲と五重奏曲を送ってきました。今日はもう手紙を書きませんので、トラのように曲を貪るつもりです。私を気にかけていただき感謝します。あなたは親切な方です。

あなたのヘルツォーゲンベルクより







(1)ソプラノ・アルト・テノール・バスのための6つの四重唱、ピアノ伴奏つき(作品112)。

(2)夫人が死去したのはサン・レモであった。

(3)フラウ・ヘンリー・ベネット・ブリュースター(Frau Henry Bennet-Brewster)。

(4)フロイライン・エルセ・ビルロート(Fr??ulein Else Billroth)は才能のあるアマチュア音楽家でシュトックハウゼンの弟子。

(5)オットー・フォン・フライシュル(Otto von Fleischl)。ローマの医師。

(6)クラリネット三重奏曲、作品114とクラリネット五重奏曲、作品115。1891年の夏イシュルで作曲された。

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