ヘ短調作品34

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In summer

There is no breeze upon the fern.
No ripple on the lake,
Upon her eyrie nods the erne,
The deer has sought the brake:
The small bird will not sing aloud
The springing trout lies still,
So darkly looms yon thunder clouds,
That swathes as with a purple shroud
Ben Ledi's distant hill:

Scott




微風はシダにも寄らず
小波は湖上にはなく
鷲は巣でうたた寝し
鹿はくさむらを探す。
小鳥は小声で鳴き、
孕み鱒は静かに横たわる。
雷雲が彼方に密かに現れ
ベン・レディ山を紫衣で覆う。

スコット

Im Sommer

Es gibt keine Brise am Forst.
Kein Kräuseln auf dem Wasser auch,
Der Seeadler einnickt im Horst,
Der Hirsch wandert und sucht den Strauch:
Das Vöglein hat kein Lied gewagt
Ist Schwimmen der Forelle leid,
Die Donnerwolken haben geragt,
Ob sie hätte Purpurs getragt
Ben Ledis Hügel meilenweit.

Scott

独訳大意

森には微風も吹かず
水面には小波も立たず
海鷲は巣で眠り始め
鹿は茂みを求めて歩く。
小鳥は歌おうともせず
鱒は泳ぐのも大儀
雷雲が沸き起こり
まるで紫衣を纏うよう
遥かなベン・レディ山。

スコット


この詩はスコットの長大な韻文叙事詩 Lady of the Lake(湖上の美人)の一節であり、以前に夏の季節に合わせて紹介したことがある。今回の訳詩でも、原詩の韻を踏んでいる箇所はそのまま韻を踏むようにした。近いとはいっても、英語とドイツ語は違う。訳しきれなかった点を挙げることにする。

彼の韻文は8音節と6音節で構成され、同韻の行は音節数も同じである。英語の場合、名詞が単数であろうと複数であろうと、音節数が変わる例は少ない。ドイツ語では形容詞が変化するし、名詞が主語の場合は特に行全体に影響する。それでも今回は韻と音節数に注意して訳した。

結果として音節数はすべて8音節にした。それによって煩わしくなった行はにないと信じている。「湖面」を「水面」にしたが、一部原作の「孕み鱒」は「鱒」にせざるを得なかった。この箇所は原作者がわざと付け加えたとは思えない。重要な情報の欠落である。今後さらに原作の6音節の部分の訳も圧縮できないか考えてみる。

写真はスコットランドの山 Ben Ledi である。スコットランドでは高地かもしれないが、雪が積もっているからには明らかに夏ではないし、雷雲もない。だがスコットの詩でさらに有名になったそうである。夏のBen Ledi を想像していただきたい。

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