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シェリーはシシリー島で不慮の水難で死亡している。キーツよりは長生きしてはいるが、キーツはすでに死を宣告されていた。だから死の直前まで次々に書いて身辺を整理した。シェリーはまだ生きるつもりで、大きな構想を暖めていたはずである。覚悟の死と不慮の死を遂げた詩人とでは残された断章の量が違うだろう。事実未完成の断章が数多く発見された。発見者で編集者であるのは「フランケンシュタイン」で有名な彼の夫人のメリー ・シェリー (Mary Shelley1797-1851) である。断章は残された情報が少ないだけ想像の幅が広く、素人でも妄想を逞しゅうして議論に参加できる。大よそ詩的ではないが、きわめてシェリー的な断章である。見栄えのしない月と老醜の貴婦人を対比させている。だから私も「大よそ詩的ではない醜い月と醜い老婆。フランス革命の熱烈な支持者であり、秩序の破壊者のシェリーが暗示した貴族社会の終焉の詩である」。なんて生意気なことを言うことができる。 The Waning Moon Who totters forth, wrapped in a gauzy veil, Out of her chamber, led by the insane And feeble wanderings of her fading brain, The moon arose up in the murky east, A white and shapeless mass. Percy Shelley (1792-1822) 下弦の月 まるで、薄い紗を纏い、よろめく 狂った薄弱な脳が命ずるままに 部屋を出ようとする貴婦人__ 青ざめ痩せ衰え死に瀕している。 月はいまくすんだ東から立ち昇る__ 不鮮明な輪郭の白い物体 パーシー・シェリー
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2009年03月23日
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桜と日本人ですね。なぜか、三島由紀夫を思...



