ヘ短調作品34

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If it had no pencil
 
If it had no pencil
Would it try mine —
Worn — now — and dull — sweet,
Writing much to thee.
If it had no word,
Would it make the Daisy,
Most as big as I was,
When it plucked me?
 
Emily Dickinson
 
 

鉛筆がなかったなら

 

鉛筆がなかったなら

私の鉛筆使う気かな――

汝に手紙を書きすぎ

先端が丸いのが愛嬌。

言葉が話せなければ

雛菊を植えないかな?

私を摘みとる頃には

私が幼い頃の背たけ。

 

エミリー・ディキンソン

 
この詩は彼女の「師匠」のボウルズがディキンソン家の離れを訪問した時に鉛筆で走り書きをした詩である。閉じこもりの彼女は「師匠」に会わずに手紙を敷地内の離れに送っている。
 
今回も主語は it で通して書かれている。一応彼女の好きなクイズ形式である。この it であるが、手元にあったのが偶然鉛筆だったというだけである。ただ it は人との文字でのやり取りはできないことは明らかである。鉛筆はボウルズ来訪に関している。前半はほとんど無視して構わない。
 
さてアメリカの社会人学生気分の私は、今までの統計と勘から、今回は「墓」に賭けてディベイトすることにした。
 
ヒナギクは日本では仏様の花であるように、アメリカでも墓に咲く花である。ヒナギクから「墓」を、「言葉が話せなかったら」から沈黙の石、「私を摘む」から「墓」を連想せざるを得ない。
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Who has not found the Heaven — below —
 
Who has not found the Heaven — below —
Will fail of it above —
For Angels rent the House next ours,
Wherever we remove —
 
Emily Dickinson
 

地上に天国を見出せなければ

 

地上に天国を見出せなければ

彼は天上でも見出せない――

天使は我らが何処に移動しても

隣の家を借りている――

 

エミリー・ディキンソン

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Declaiming Waters none may dread —
 
Declaiming Waters none may dread —
But Waters that are still
Are so for that most fatal cause
In Nature — they are full —
 
Emily Dickinson
 
 
怒り狂う水は誰も恐れない――
 
怒り狂う水は誰も恐れない――
だが静かな水は
自然界の致命的原因であり
充ち溢れている――
 
エミリー・ディキンソン
 

この詩の内容を信じる人はいないと思う。彼女はいつも噴煙を吐いている火山は安全とする詩を書いている。エネルギーを放出しているからである。沈黙を守る火山はエネルギーを蓄積しているから怖いと言っている。

 

今回はそれの「水版」である。逆説好みの彼女の勇み足だと思う。静かで安心しきっていると急な増水で命を落とすことはあるが、今回はそういう話ではない。

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