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Alfred Cortot & Jacques Thibaud - Beethoven Violin Sonata No.9 in A Op. 47 "Kreutzer" 知人のコレクションでベートーベンはこれ以上なかった、と言った途端に思い出したのは、バイオリン・ソナタ第九番作品47である。ドイツ的な響きがするが、ドイツ系フランスのバイオリニスト、ロドルフ・クレゼール(ロドルフ・クロイツェル)に献呈された由来から「クロイツェル・ソナタ」と呼ばれている。ついでにバイオリン・ソナタ第五番の「春」の記憶も蘇ったが、今日は「クロイツェル」に話を絞ることにする。どちらが好きかといえばやはり「クロイツェル」である。知人のSPからNHKのクラシック番組に夢中になった時代によく聴いた記憶がある。とりあえず私の記憶をネット上の解説と照らしあわせてみたが、ロマン派時代の伝記作家や評論家に脚色された話もなかった。 ただトルストイが「クロイツェル・ソナタ」という小説を書いていることは承知していたが、興味は持ちながらまだ読んではない。今回ネット上で「クロイツェル・ソナタ」で検索したが、ベートーベンに劣らずトルストイが目についた。 貴族の主人公は妻がバイオリンの上手な友人と不貞を働いたということでカットなり刺してしまい、妻は死んでしまう。だが主人公は世間の物笑いにはなっても罪人になってはいないみたいである。私はそこに興味がある。19世紀ヨーロッパで進歩的であるとされたナポレオン法典ですら、不貞を理由で配偶者殺した場合、妻は殺人罪に問われ得るが、夫は家系を守ろうとする行為であるから殺人罪にはならない。フランス革命の影響を受けなかったロシアでは当然のことであろう。 さてトルストイの「クロイツェル・ソナタ」という題名であるが、他の音楽の題名はなかっただろうか。ロシアの貴族はフランス語の家庭教師、フランス人の料理人は雇っていただろうが、音楽の教師はもはやイタリア人ではなく、ドイツ人だったろう。やはり情熱的な音楽である「クロイツェル」かな。恋の季節だから「春」という題名はあまりに安易な想であろう。 話がそれたのは、私には懐かしさはあるものの、ベートーベンにあまり思い入れがないからであろう。演奏者は全く記憶がない。YouTubeで探してみると、ティボーとコルトーの演奏が出てきた。ひょっとしたらこのコンビかも知れない。知人のコレクションの時代と演奏時期はほぼ一致はしている。 戦後ティボーが「カザルスもコルトーも政治家になってしまった」と嘆いていたそうだが、上の写真を見る限り、その後の二人の破局は感じさせるものは全くない。カザルス・トリオの破局はこの二人の仲違いが直接の原因である |

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