|
「今日の詩」はフロストの Design である。タイトルの訳に迷ったが神学的な内容と判断して「設計」とか「計画」ではなく、神の計画すなわち「摂理」とすることにした。これには異論があるかもしれない。 話者は白い花にひそんでいた白い蜘蛛が、白い蛾を捕捉する。いずれも善を象徴する「白」の生物の間で暗黒の夜に繰り広げられる光景は、生物学者から見ればなんでもない話である。話者はここに神の「摂理」を見る思いがする、という話と解釈した。 Design I found a dimpled spider, fat and white, On a white heal-all, holding up a moth Like a white piece of rigid satin cloth-- Assorted characters of death and blight Mixed ready to begin the morning right, Like the ingredients of a witches' broth-- A snow-drop spider, a flower like a froth, And dead wings carried like a paper kite. What had that flower to do with being white, The wayside blue and innocent heal-all? What brought the kindred spider to that height, Then steered the white moth thither in the night? What but design of darkness to appall?-- If design govern in a thing so small.
Robert Frost.
摂理太って白いギザギザした蜘蛛が 白い薬草の上で純正の白サテン のような蛾を持ち上げる ― 死と害虫の似合いの役者が そろい正に朝の始まり 魔女の釜の中身のよう ― 純白の蜘蛛、泡のような花 吊りあげられる羽はまるで凧。 道端の青い無害な薬草がなぜ 白くならなければならない? 白い蜘蛛があそこまで下り 白い蛾を夜ここに誘ったものは? 恐るべき暗黒の摂理以外に? ― 摂理がかくも小さき物に及ぶとしたら。 フロスト この詩は14行の詩、すなわちソネット形式である。あと一歩で非常に珍しい構造のソネットになったのだが。この14行の詩の脚はたったの4韻で構成されている。まさに名人芸である。 なおこの蜘蛛であるが、網を張って虫を捕捉するタイプの蜘蛛ではなく、花に隠れて虫を取るタイプと思われる。たまたまこのフロストの詩はあるアメリカの英語の先生のブログで、「課題」になっていた。私が学生ではないので、IDやパスワードを要求するこの先生のブログに入ることは断念したが、このブログと写真は参考になると思う。 上の写真は白い「カニグモ」である。残念ながら、虫は蛾ではないし、植物も薬草かどうかは知らない。ウィキペディアでカニグモを調べると、黄色い花に黄色くなった「カニグモ」が見られておもしろい。
|
フロスト
[ リスト | 詳細 ]
|
「今日の詩」はフロストの「火と氷」である。実は、この詩も何日か前にメールで届いたものである。宿題に悩むアメリカの学生たちの投稿を見ているうちに、勝手な解釈というか想念(妄想?)がわいてきた。釈然とはしないが、ひとまず試訳を投稿してみる。 フロストは昔からの地球の最後は「火」か「氷」かという論争の形式に乗る形で詩を書いている。「火」と「氷」という物理学の概念から議論しているようにみえるが、人間の心にある野望(欲望)とか憎悪(冷淡)による破滅を語っているような気がしてきた。「火」とは「野望」であり、「氷」とは「憎悪」である。 world も世界と訳すべきか地球と訳すべきかまだ確信があるわけではない。彼は巧妙に「地球」の話からいつの間にか「世界」に切り換えているように思える。 気を付けなければいけないのは、この詩が書かれた年代である。諸帝国の野望から起き、「火」による世界の滅亡の危機に瀕した第一次世界大戦終結後の1923年にこの詩を書いている。 フロストは第二次世界大戦後しばらく生きた詩人であるが、「氷」の「冷戦時代」を予言していたとすれば、彼はたしかにアメリカの「賢人」である。 Fire and Ice Some say the world will end in fire, Some say in ice. From what I've tasted of desire I hold with those who favor fire. But if it had to perish twice, I think I know enough of hate To say that for destruction ice Is also great And would suffice. Frost 火と氷 地球は火に包まれて終わるという意見と 氷で覆われて終わるという意見がある。 私が野望の結果を体験しているから 私は火説に賛成である。しかし 二度滅亡しなければいけないとすれば 私は憎悪を充分理解しているつもりである。 氷の破壊能力もすさまじく 地球の滅亡に充分だと断定できる。 フロスト ヴォランティア団体の LibriVox の提供するFIRE AND ICE の朗読である。ヴォランティア団体であるので、朗読の質の保証はないが、何といってもネイティヴである。 これも韻文である。繰りかえしもあるが、9行の詩を3韻で処理していいる。まさに名人芸である。 [fire, desire, fire], [ice,.twice, ice., suffice],[ hate, great] 上の絵は「氷の海」と訳されているが、「希望号の難破」ではないだろうか。
|
|
ここ数日「今日の詩」の選者は星にこだわっている。今日は大犬座である。阪神タイガースを underdogというのは知っていたけど、その反対が overdogというのは知らなかった。勉強になった。 |
|
「今日の詩」はフロストの「絆と自由」である。「拘束と自由」という訳も考えたが、そこまで愛を否定的に捉えていないと思う。いずれにしても「思考」の自由性を大宇宙に瞬く星の光にたとえている。彼らしい韻文詩である。 |
|
「今日の詩」はフロストの「種を埋める」である。自然と共に過ごす喜びを19世紀以前の田園詩人とはひと味違う手法で描いている。フロストは労働者の目線で眺めて書いている。今回も10音節の韻文である。 |

桜と日本人ですね。なぜか、三島由紀夫を思...



