ヘ短調作品34

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イェーツ

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「今日の詩」はイェーツの「愛する人に捧げる詩」である。情熱を失った女性に捧げる老人の情熱の詩である。誤訳かもしれないが、年齢と共に才能の輝き、あるいは情熱を失った老人の淡々とした愛の詩である。私にはイェーツの静かな老境の心境を語る詩が心にいくように思われる。White woman をどう訳すか迷った。外韻の関係からこうなったかもしれないが、一応好んで白い服を着る女性としておいた。ただ私が選択した白衣の女性が若すぎはしないかと思う。

A Poet To His Beloved

I bring you with reverent hands
The books of my numberless dreams,
White woman that passion has worn
As the tide wears the dove-grey sands,
And with heart more old than the horn
That is brimmed from the pale fire of time:
White woman with numberless dreams,
I bring you my passionate rhyme.

William Butler Yeats


愛する人に捧げる詩

ここに謹んで白衣の君に捧げる本
書き綴られている私の限りない夢
潮が灰色の砂地を削り取るように
白衣の君から消え去った情熱です。
時とともに縁の輝きが褪せた角杯
より古き真心が込められています。
限りなき夢を抱かれた白衣の君よ
私は君に私の情熱の詩を捧げます。

イェーツ

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イェーツさんは「日本人のいう古稀」を迎えたらしい。中国の人がどういうか知らないが、餃子とラーメンは日本食、いちばん好きな日本食は炒飯だと答える人が居るから、仕方がないか。それに、この詩非常にシンプルである。彼は俳句の英訳を読んだかもしれない。

Imitated From The Japanese

A most astonishing thing --
Seventy years have I lived;

(Hurrah for the flowers of Spring,
For Spring is here again.)

Seventy years have I lived
No ragged beggar-man,
Seventy years have I lived,
Seventy years man and boy,
And never have I danced for joy.

William Butler Yeats


日本人を真似て

驚くべきことに −
70年間僕は生きてきた。

(春の花万歳
春がまたやってきた)

70年間は生きてきた
老いぼれ乞食にもならずに
70年間生きてきた
ガキの頃から70年経つが
喜んで踊ったことは一度もない。

イェーツ

写真はあと2年で70才を迎えるイェーツである。外国人としては若い風貌である。

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「今日の詩」は「マイケル・ロバーツは恋人に安らかにといった」である。マイケル・ロバーツを調べてみたが、1921年に出版された Michael Robartes and the Dancer に収録されているイェーツの詩に登場する人物とあった。この詩集には、以前翻訳したイースター1916年も含まれている。情報はそれだけである。

Michael Robartes bids his Beloved be at Peace

I HEAR the Shadowy Horses, their long manes a-shake,
Their hoofs heavy with tumult, their eyes glimmering white;
The North unfolds above them clinging, creeping night,
The East her hidden joy before the morning break,
The West weeps in pale dew and sighs passing away,
The South is pouring down roses of crimson fire:
O vanity of Sleep, Hope, Dream, endless Desire,
The Horses of Disaster plunge in the heavy clay:
Beloved, let your eyes half close, and your heart beat
Over my heart, and your hair fall over my breast, 10
Drowning love’s lonely hour in deep twilight of rest,
And hiding their tossing manes and their tumultuous feet.

Yeats


マイケル・ロバーツは恋人に安らかにといった

馬が暗闇で長いたてがみを振る音がした。
興奮しきった蹄、白く光る目。
北はゆっくり去っていく夜を示し
東は夜明け前の密かな喜びを表し
西は白露の涙を流し、ため息をつき去っていき
南は深紅の炎のバラを浴びせる。
つかの間の寝、希望、夢、無限の欲望
動揺した馬は泥に突っ込む。ねぇ目を半ば閉じ
僕の心臓の上で君の心臓を鼓動させ
髪を僕の胸の上に垂らしておくれ。
愛の孤独な時間を安らぎの曙に浸し
逆立つたてがみと乱れた足並みを隠しておくれ。

イェーツ

束の間 -- イェーツ

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イェーツは「イースター1916年」のような政治的な詩を書いた。その後家庭的な詩や「 満足できる?」で老境の心情を告白した詩を書いた。生まれた男の子や女の子を主題にした詩はすでに「今日の詩」の選者が送ってきた。だがコールリッジの子供の寝息を聞きながら書いた傑作「真夜中の霜」と比較すると退屈で途中で翻訳を止めてしまった。

今日の詩はいささか感傷的な家庭内の話である。倦怠期の夫婦のことである。散文詩でもあり、イエーツの詩にはなかった内容なので訳してみた。


Ephemera

‘Your eyes that once were never weary of mine
Are bowed in sorrow under pendulous lids,
Because our love is waning.’
And then She:
‘Although our love is waning, let us stand
By the lone border of the lake once more,
Together in that hour of gentleness
When the poor tired child, passion, falls asleep.
How far away the stars seem, and how far
Is our first kiss, and ah, how old my heart!’

Pensive they paced along the faded leaves,
While slowly he whose hand held hers replied:
‘Passion has often worn our wandering hearts.’

The woods were round them, and the yellow leaves
Fell like faint meteors in the gloom, and once
A rabbit old and lame limped down the path;
Autumn was over him: and now they stood
On the lone border of the lake once more:
Turning, he saw that she had thrust dead leaves
Gathered in silence, dewy as her eyes,
In bosom and hair.
‘Ah, do not mourn,’ he said,
‘That we are tired, for other loves await us;
Hate on and love through unrepining hours.
Before us lies eternity; our souls
Are love, and a continual farewell.’

Yeats



束の間

「僕の瞳を見つめていた君の瞳
今では悲しげに瞼を伏せているのは
二人の愛情が薄れたせいだね」
彼女は答える。
「愛情が薄れたどしても、もう一度
いっしょに寂しい湖畔に立ってみない?
疲れた子供が寝静まるように
気分が落ち着いたら」

悲しそうに二人は枯れ葉の路を歩く
彼女の手を握って彼は答える。
「激しい愛で迷う心も燃え尽きてしまった」

二人は森の中、黄色い木の葉は
暗闇のかすかな流星のように落ちる。
老いた兎が足を引きずってきた路。
彼は秋を感じた。二人はもう一度
いっしょに寂しい湖畔に立った。
振り返ると、彼女は葉を黙っては集め
胸と髪に差す、葉は目のように濡れていた。
「泣くことはないよ」と彼。
「僕たちが飽いたとしても。また別の愛もあるさ。
憎み続けたらいい、とくに不満がないとき愛すればいい。
人生は無限だから。僕たちは
愛と別離の繰り返しさ」

イェーツ

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何の説明もいらない「紅灯の巷」の光景。作者イェーツの生まれ故郷ダブリンに大昔から有名な場所があるようだ。世界遺産にはなっていないようだが、今では名所として保存され、PDでは昼の写真しかない。しかも時代背景は中世である。やむを得ず今日の写真は、ドイツ旅行の時、まず通らなければならないフランクフルトの夜景にすることにした。


Crazy Jane On God

That lover of a night
Came when he would,
Went in the dawning light
Whether I would or no;
Men come, men go;
All things remain in God.

Banners choke the sky;
Men-at-arms tread;
Armoured horses neigh
In the narrow pass:
All things remain in God.

Before their eyes a house
That from childhood stood
Uninhabited, ruinous,
Suddenly lit up
From door to top:
All things remain in God.

I had wild Jack for a lover;
Though like a road
That men pass over
My body makes no moan
But sings on:
All things remain in God.

Yeats



クレイジー・ジェーンの祈り

夜歩きする男は
ぶらりと現れ
明け方に出て行く。
こちらの都合はおかまいなし
男たちは出入りする。
すべては神のおぼしめし。

軍旗は夜空にはためき
騎士たちがドヤドヤと。
甲冑をまとった軍馬は
細い小路でいななく。
すべては神のおぼしめし。

見る間に、子供の頃から
誰も住んでいなかった
家に上から下まで
灯がともる。
すべては神のおぼしめし。

昔ワイルド・ジャックという
男がいたっけ、あたしの体は
男たちが通りがかる路
でもなんともない
ただ歌い続けるだけ。
すべては神のおぼしめし。

イェーツ

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