ヘ短調作品34

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Emily Dickinson

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"My Life had stood - a Loaded Gun - " はすでに訳出したが、釈然とはしていない。この詩はエミリー・ディキンソンの難詩中の難詩とされ、学会でも決定的な結論が出ていない。今回の投稿は改訂版である。

正解はないのに試験問題になっている。その方がアメリカ人好みのディベイトのネタにはなるのだろう。この詩に関しては珍しく多くの教養豊かな学者先生の評論がネットを賑わしている。ざっと目を通したが、共通しているのは Gun という言葉にとらわれてか、不遇な女の「怒り」について触れている。

私は素人であるが、この詩は彼女の好きな「火山」について学のある所を披露した詩ではないかと思った。

a Loaded Gun :噴火寸前の側火山、Owner:主火山と解釈してみた。

身近な例としては富士山を主火山とすると、宝永山は側火山である。

火山の主火山と側火山の関係について記述した詩と考えると簡單である。彼女は悪戯っぽいが、意外に単純な詩を書いた人ではないかと最近思うようになった。学者先生が彼女の詩を論文ネタにし、意識的に難解にする。そのため不可解な評論が多数出てきたと思う。

いつものように「憧れの死」の問題が最後に出てくるが、あとは当時の「火山学」の知識に従って、読者をからかう詩にしたに過ぎないのではないか。


My Life had stood - a Loaded Gun - 

My Life had stood - a Loaded Gun - 
In Corners - till a Day 
The Owner passed - identified -
And carried Me away -

And now We roam in Sovereign Woods -
And now We hunt the Doe -
And every time I speak for Him
The Mountains straight reply -

And do I smile, such cordial light
Opon the Valley glow -
It is as a Vesuvius face
Had let it’s pleasure through -

And when at Night - Our good Day done -
I guard My Master’s Head -
’Tis better than the Eider Duck’s
Deep Pillow - to have shared -

To foe of His - I’m deadly foe -
None stir the second time -
On whom I lay a Yellow Eye -
Or an emphatic Thumb -

Though I than He - may longer live
He longer must - than I -
For I have but the power to kill,
Without - the power to die -


Emily Dickinson


私は噴火寸前の側火山――

私は弾込めた銃――(私は噴火寸前の側火山)
主人が通りかかり――(主火山が通りかかり)
私に気付く迄立ちっぱなし――(噴火の機会を与えられず)
彼は私をさそった――(同時に噴火しようと誘った)

一緒に王家の森を探し回り――(溶岩はともに流れ)
狙った牝鹿を狩る――(狙った村を破壊する)
主人に声をかけると――(私が爆音を発すると)
山々は直ぐに応える――(山々はこだまする)

私が微笑むと谷間の (私が噴火すると)
光は暖かく輝く――
ヴェスヴィウスが満面の
笑みを浮かべたよう――

大成功の狩りを終えた夜――(大爆発で村々を破壊した夜)
主人の頭を守る――(主火山に代わり私が噴火する)
白鴨の枕をともにするより (白い火山灰で一緒に寝るより)
この方がずっと良い――

私は主人より恐ろしい――(若い側火山は主火山より恐い)
私が黄色い目を向け―― (黄色い火を放ち)
親指を突き出すと―― (噴煙を向けると)
誰もが凍りつく――

私は主人より長生きだろうが―― (若い側火山は主火山より活動的だろうが)
主人は私より長生きしてほしい――(主火山は私より永く活火山であってほしい)
私は主人を殺せるが(私は主火山を死火山にできるが)
死ぬことはできない――(私は死火山になれず、安息の日はこない)

エミリー・ディキンソン

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When I hoped I feared
 
When I hoped I feared
Since I hoped I dared
Everywhere alone
As a Church remain
Spectre cannot harm
Serpent cannot charm
He deposes Doom
Who hath suffered him
 
Emily Dickinson
 

望が湧くと怖かった――
 
望が湧くと怖かった――
望が湧くと私は独り
独り何処でも行った――
朽ち果てた教会が――
亡霊に怯むことなく――
蛇をも誘わぬように――
運命に悩みたる者は
運命を恐れはしない――
 
エミリー・ディキンソン
 
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Count not that far that can be had,
 
Count not that far that can be had,
Though sunset lie between —
Nor that adjacent, that beside,
Is further than the sun.
 
Emily Dickinson


両隣の星の間に陽が沈むと

 

両隣の星の間に陽が沈むと

星の距離の計測は不可能

最接近した星が太陽よりも

遠方ならばやはり不可能

 

エミリー・ディキンソン

 

視覚上は接近していても星の遠近が分からないと、エミリーの主張しているように思える。この詩を論じたブログや本は何の訳にも立たなかった。「愛」とか「性」の難しい議論はエミリーには無縁であるということである。文法を徹底的に解析して、半年後にまた考えてみることにしよう。

 
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Delayed till she had ceased to know—

Delayed till she had ceased to know—
Delayed till in its vest of snow
Her loving bosom lay—
An hour behind the fleeting breath—
Later by just an hour than Death—
Oh lagging Yesterday!
 
Could she have guessed that it would be—
Could but a crier of the joy
Have climbed the distant hill—
Had not the bliss so slow a pace
Who knows but this surrendered face
Were undefeated still?
 
Oh if there may departing be
Any forgot by Victory
In her imperial round—
Show them this meek apparreled thing
That could not stop to be a king—
Doubtful if it be crowned!
 
Emily Dickinson
 
彼女は知るのが遅れた――
 

今日を知るのが遅れ――

白雪の衣装に可憐な

胸を包むのが遅れた――

最後の吐息の一時間――

死に遅れたる一時間――

昨日の苛立つ遅れ!

 

今日の成行きを察し――

ただ歓声を上げて

遙かなる丘を登れば――

喜びが遅れなければ

この諦め切った顔も

悲嘆に暮れてないが。

 

天への旅立ちであれば

彼女の勝利の凱旋式に

全てを忘れていたはず――

哀れな装束の男を見よ

彼は今もなお王者なり――

だが王冠に相応しきか?

 

エミリー・ディキンソン

 

この話はシェイクスピアの悲劇「リア王」の最後を語っている。今や狂気の父親に一番忠実な娘コーデリアの救援が遅れ、絶望の表情で天国へと向かう話である。父親の無事を確かめ安堵して天国に向かえば幸せだったというのはエミリーらしい脚色である。

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Once more, my now bewildered Dove

Once more, my now bewildered Dove
Bestirs her puzzled wings
Once more her mistress, on the deep
Her troubled question flings —
 
Thrice to the floating casement
The Patriarch's bird returned,
Courage! My brave Columba!
There may yet be land
 
Emily Dickinson
 
 

もう一度方角を見失った鳩は

 

もう一度方角を見失った鳩は

たたんだ翼を拡げて

もう一度難問題の回答を得る

ため遠方へ飛び立つー―

 

三度目も浮いた方舟に族長の

鳩は戻ってきた、

何たる勇気!わが勇敢なる鳩!

陸はやはりある。

 

エミリー・ディキンソン

 

正統な聖書ではノアの鳩は三度目には帰らなかったことになっている。ノアは餌の豊富な陸地を発見したものと解釈した。エミリーはノアの鳩の外典を二作書いている。以前紹介した詩では鳩は三度目の探検飛行で遭難死しているが、今回は三度目に戻ってきている。


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