ヘ短調作品34

ルブランの回想録の link 先はゲストブックを御覧ください。

コールリッジ

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全14ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11]

[ 次のページ ]

イメージ 1

父親のサムエルと師匠のワーズワスの大きな影から踏み出せなったハートレイ。恥ずかしがりやで非社交的な彼は世俗的な成功を放棄し、晩年は田園を散歩する日々を送っていたらしい。彼は完成度の高い「ご婦人の装飾のように美しい」詩を残した。「予感」も秋を思わせる。チャイコフスキーの「四季」を聴いているようで、時々彼と一緒に感傷に浸りたくなる。

六詩節から構成されるが、各詩節の韻の構造は

AAAb

である。最後の行は4音節でまとめている。

写真は彼が静かな晩年を送ったグラスミア(湖水地方)の風景である。


Presentiment

Something has my heart to say
Something on my brest does weigh
That when I would full fain be gay
Still pulls me back.

Something evil does this load
Most assuredly forebode,
So my experience sadly shew'd
Too well I know.

Sometimes, as if with mocking guile
The pain departs a little while,
Then I can dance and sing and smile
With merry glee --

But soon, to soon it comes again
The sulky, stifling, leaden pain,
As a black cloud is big with rain
'Tis big with woe.

All I ask is but to know
The depth and nature of the woe.
I hope not for a wind to blow
The cloud away.

I hear an inarticulate sound
Wherein no fixed sense is found
But sorrow, sorrow without bound
Of what or where.

Hartley Coleridge (1796 - 1849)


予感

僕の心が何か言いたげ
僕の胸に何かがのしかかり
僕ははしゃぎたいのに
僕を引き戻す。

この心の荷、不吉な何かの
たしかな予感
悲しい結末の体験を
僕はよく知っている。

予想を裏切り、苦しみが
しばらく去ることもあり
僕は歌い、踊り、笑い
歓声を上げる――

だが、すぐにやって来る
陰鬱で、重苦しい苦痛
黒い雲が雨と大きくなるよう
悲しみと大きくなるよう。

僕が知りたいのは
悲しみの訳と程度だけ。
風に雲を吹き飛ばせと
望んでいる訳ではない。

聞こえる音ははっきりしない
これといった意識もなく
どこまでも悲しい、悲しい
何の音か、どこの音か。

ハートレイ・コールリッジ(1796 - 1849)

イメージ 1

コールリッジ一族の最後の詩人であるメアリー・エリザベス・コールリッジの闘病の詩である。大叔母さんのサラ・コールリッジは男の名前で詩を投稿していた。彼女は本名メアリー・エリザベス・コールリッジで詩を発表したし、著作を自分の職業にした女性である。彼女は今日(9月23日)が誕生日である。

Death and the Lady

TURN in, my lord, she said;
As it were the Father of Sin
I have hated the Father of the Dead,
The slayer of my kin ;
By the Father of the Living led,
Turn in, my lord, turn in.

We were foes of old; thy touch was cold,
But mine is warm as life ;
I have struggled and made thee loose thy hold,
I have turned aside the knife.
Despair itself in me was bold,
I have striven, and won the strife.

But that which conquered thee and rose
Again to earth descends;
For the last time we have come to blows.
And the long combat ends.
The worst and secretest of foes,
Be now my friend of friends.

Mary Elizabeth Coleridge (1861 – 1907)


死と女

お入りなさいませ、と女は言った。
 罪の父であるかのように
私が憎んでいた死者の父
 親族の殺戮者。
生者の父に導かれ
 お入りなさいませ。

昔からの仇敵。お前の手は冷たく
 私の手は温かい。
私はもがき、抱擁を振りほどき
 脇のナイフを取った。
私は絶望で大胆になり
 私は闘い、ついに勝った。

お前を征服し起き上がった者は
 再び大地に降りる。
とうとうこれで決着がついた。
 長い戦闘は終った。
隠し通した憎むべき敵よ、今後は
 私の親友になるのだ。

メアリー・エリザベス・コールリッジ(1861 – 1907)

コールリッジという家名のせいか、彼女の家にはブラウニング、テニスンを始めとしてヴィクトリア朝の詩人が数多く訪れた。高尚な文化サロンのようであった。彼女は生涯独身で海外旅行を楽しんだそうである。

上の絵は「虚栄」を描いたものである。ピッタリの絵がなかった。

イメージ 1

コールリッジは死ぬ一年前にエピタフを書いている。自分の祈りを通りがかった人に繰り返して下さいと願う形式で書かれている。釈然としないのは、彼が得た「賞賛」と「名声」を赦すよう神に祈っていることである。「富」が天国への妨げになるという話は聖書にあるが、「賞賛」と「名声」も同様であろうか?いずれも「傲慢」の罪を犯しやすいが、私には始めて知る祈りであった。


Epitaph

Stop, Christian passer-by!—Child of God,
And read with gentle breast. Beneath this sod
A poet lies, or that which once seem'd he.
O, lift one thought in prayer of S. T. C.;
That he who many a year with toil of breath
Found death in life, may here find life in death!
Mercy for praise—to be forgiven for fame
He ask'd, and hoped, through Christ.
Do thou the same!

Samuel Taylor Coleridge (1772-1834)


エピタフ

通りがかりの神の子、キリスト教徒の方々
思いやりの心でお読みください。この芝の下に
詩人あるいはかっての詩人が休んでいます。
長い年月、呼吸で苦しんでいまして
生に死を見、死に生を見てきました
このS.T.Cの祈りに思いやりを下さい。
賞賛に寛恕を――名声に赦しを与えられんことを
キリストにより彼は願いかつ望みました。
おなじ祈りをお願いします!

サムエル・テイラー・コールリッジ(1772-1834)


彼は現在聖マイケル教区教会、ハイゲイト(St. Michael’s is the Parish Church, Highgate)の聖堂に眠っている。その墓石 には彼のエピタフが刻んである。一緒に眠るのはコールリッジの妻と娘である。

イメージ 1

この詩は Representative Poetry Onlineの注釈によれば、 1823年に書き始め、その後何度も修正を続け、脱稿は早くとも1832年であるという。彼が死ぬ2年前である。遅々として進まぬ詩作で老いを痛切に感じたのであろう。内容はなんともわびしいものになっている。最後の詩節で歓迎されざる客に触れているが、これはコールリッジ自身である。彼は人生の最後の19年をロンドンの外科医の世話になって過ごしている。


Youth And Age

Verse, a Breeze 'mid blossoms straying,
Where HOPE clung feeding, like a bee--
Both were mine! Life went a-maying
With NATURE, HOPE, and POESY,
When I was young!

When I was young?--Ah, woful WHEN !
Ah ! for the Change 'twixt Now and Then !
This breathing House not built with hands,
This body that does me grievous wrong,
O'er æry Cliffs and glittering Sands,
How lightly then it flashed along :--
Like those trim skiffs, unknown of yore,
On winding lakes and rivers wide,
That ask no aid of Sail or Oar,
That fear no spite of Wind or Tide !
Nought cared this Body for wind or weather
When YOUTH and I lived in't together.

FLOWERS are lovely ; LOVE is flower-like ;
FRIENDSHIP is a sheltering tree ;
O ! the Joys, that came down shower-like,
Of FRIENDSHIP, LOVE, and LIBERTY,
Ere I was old !

Ere I was old ? Ah woful ERE,
Which tells me, YOUTH'S no longer here !
O YOUTH ! for years so many and sweet,
'Tis known, that Thou and I were one,
I'll think it but a fond conceit--
It cannot be that Thou art gone !
Thy Vesper-bell hath not yet toll'd :--
And thou wert aye a Masker bold !
What strange Disguise hast now put on,
To make believe, that thou art gone ?
I see these Locks in silvery slips,
This drooping Gait, this altered Size :
But SPRINGTIDE blossoms on thy Lips,
And Tears take sunshine from thine eyes !
Life is but Thought : so think I will
That YOUTH and I are House-mates still.

Dew-drops are the gems of morning,
But the tears of mournful eve !
Where no hope is, life's a warning
That only serves to make us grieve,
[Image][Image]When we are old :

That only serves to make us grieve
With oft and tedious taking-leave,
Like some poor nigh-related guest,
That may not rudely be dismist ;
Yet hath outstay'd his welcome while,
And tells the jest without the smile.

Samuel Taylor Coleridge (1772-1834)


若さと老い

詩、花の中をさまようそよ風
「希望」が蜂のようにまとい付く――
二つとも私の物だった。人生は
「自然」、「希望」、「詩」と戯れながら
過ぎて行った。若かりし時!

若かりし時?――ああ嫌な「時」!
ああ!今と昔を取り替えたい!
ただ息をしている、この悪い造りの「家」
今は私を苦しめているこの体
そびえる断崖ときらめく砂をこえて
ひらめいた、その軽やかなこと。――
以前にはなかった、こざっぱりした
あの小船のように、曲がりくねる湖や川で
帆にもオールにも援けを求めはしない
風や潮の悪ふざけにも恐れはしない!
「若さ」と私が一緒に生活していたとき
この体は風や気候を気にしなかった。

花は愛らしい。愛は花のようだ。
友情は雨宿りの樹。
ああ!にわか雨のようだった喜び
友情と愛と自由の喜び
私が老いる前のこと!

私が老いる前?ああ!嫌な「前」
「若さ」はもういないことになる!
ああ「若さ」!長く良き歳月にわたり
明らかに、君と私は一体だったが
これからは勝手な思い込みと考えよう――
君が去ってしまったなんて!
君の晩鐘はまだ鳴ってはいない。――
君はいつも大胆に仮面をかぶっていた!
君は何と言う奇妙な仮装をして
君が去ったと私に思わせたいな?
私は見ている、細い銀色の巻き毛
よぼよぼした足取り、変わった寸法。
だが春が君の唇に咲いているし
涙が君の目から太陽の光を奪っている!
命は観念にすぎぬ。だから思おう
「若さ」は依然として私の同居人。

朝には露の雫は宝石だが
夕暮れにはいたましい涙!
希望なければ、人生はただ
悲しませるだけの警告
我らが老いたる時は。

何度も何度も暇乞いしながらも
ただ悲しませるだけの警告
哀れな近い親類のよう
無下にもできないお客さん
ほどよい時間を過ぎても長居し
笑いさそわぬ洒落を話している。

サムエル・テイラー・コールリッジ (1772-1834)

イメージ 1



すべての思い、情熱、喜び
どれもがこの骨格をかきたて
すべてが愛を司式し
  神聖な炎をたく。

夢から覚めるうちに
この幸せの時を思い出し
僕が山の中腹で横たわる
  廃墟の塔のそば。

月光はこの景色にしのびより
夕べの光と混じりあった。
彼女がいた、僕の希望、喜び
  僕の愛しいジェナヴィエーヴ !

彼女がもたれる武装した男
甲冑まとった騎士の像。
彼女は立って、僕の歌を聞く
  あたりは夕べの余光。

彼女に悲しいことはない
僕の希望と喜び、僕のジェナヴィエーヴ!
彼女が好きなのは涙の出る歌を
  歌うときの僕。

僕はやさしく悲しい曲を奏でる。
僕が歌う哀れもよおす古い物語――
この古い荒れはてた廃墟に合う
  粗野な古い歌。

顔赤らめて聞き入る彼女
しとやかに目を伏せながら。
僕は顔を見つめずにいられない
  彼女はよく知っていた。

僕は彼女に語って聞かせる
騎士が盾につけた燃える紋章。
十年もの長い間彼に求愛された
  高貴な貴婦人。

僕が語る騎士の想いのほど。ああ!
うったえるように低く深い調べで
僕は別人の愛を歌う
  僕自身のこと。

彼女はサッと顔を赤らめて聴く
しとやかに目を伏せながら。
僕は彼女の顔に見とれていたが
  彼女はゆるしてくれた!

さらに僕は語る、むごい蔑みで
勇敢にして高潔なる騎士は
正気を失い、山の森を通りぬけ
  昼も夜も休まなかった。

時には荒れ果てた洞窟から
時には陰鬱な日影から
時には眩い緑の空き地から
  彼は出かけた。

そこに彼の顔を覗きこんだのは
輝くばかりに美しい天使。
だが彼は悪魔であると知る
  なんと哀れな騎士!

そして彼は無我夢中で
凶悪な一味の中に躍りこみ
耐えがたい辱めから救う
  高貴なる貴婦人を。――

彼女は彼の膝を叩いて泣いた。
彼女は空しく介抱し――
必死に償おうとする
  彼を狂わせた蔑みを。――

さらに彼女は洞窟で彼を看病した。
狂気が去っていったときには
黄色い森の枯葉の上に横たわる
  死に瀕した男。――

彼の最後の言葉――歌の中でも
もっともつらい節にさしかかり
僕は口ごもり、ハープは止まり
  彼女の心は悲しみで乱れる!

心と感覚の衝動で震える
僕の純真なジェナヴィエーヴ。
音楽と悲しい物語
  芳しい豪華な夕べ。

希みか、希みに点火する怖れか
いずれか見分けもつかず
静かな願いは久しく抑えられ
  抑えられ抱かれて久しい!

彼女は哀れみと喜びで泣き
愛と処女の恥じらいで顔を赤らめた。
そして夢のうわ言のように
  口からもれる僕の名前。

胸はふくらみ――彼女はよけた
僕の視線を意識してか、よけた――
おずおずと見つめながら、いきなり
  彼女は僕に駆けより、泣いた。

彼女は半分ほど僕に腕をまわし
彼女は僕を優しく抱きしめた。
頭をのけぞらせて見上げ
  さらに僕の顔をみつめた。

なかば愛から、なかば怖れから
内気な愛の技でもあったが
僕が見ないで感じようとした
  彼女の心のふくらみ。

彼女の恐れをしずめ、彼女も落ちつき
乙女の誇りをもって彼女の愛を語った。
こうしてジェナヴィエーヴは僕のもの
  僕のかがやく美しい花嫁。

サムエル・テイラー・コールリッジ

全14ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11]

[ 次のページ ]


.
fminorop34
fminorop34
非公開 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

過去の記事一覧

検索 検索

スマートフォンで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

スマートフォン版Yahoo!ブログにアクセス!

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

数量限定!イオンおまとめ企画
「無料お試しクーポン」か
「値引きクーポン」が必ず当たる!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事