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ヴィクトリア朝を代表する桂冠詩人テニスン卿の結構づくしの詩。静かな夕暮れの愛の歌。 無韻詩であるが、静けさを表す弱強格のお手本。各詩節を me でくくっている。 Now Sleeps the Crimson Petal Now sleeps the crimson petal, now the white; Nor waves the cypress in the palace walk; Nor winks the gold fin in the porphyry font: The fire-fly wakens: waken thou with me. Now droops the milkwhite peacock like a ghost, And like a ghost she glimmers on to me. Now lies the Earth all Dana?? to the stars, And all thy heart lies open unto me. Now slides the silent meteor on, and leaves A shining furrow, as thy thoughts in me. Now folds the lily all her sweetness up, And slips into the bosom of the lake: So fold thyself, my dearest, thou, and slip Into my bosom and be lost in me. Alfred Tennyson (1809-1892) 今や紅い花びらはねむる 今や紅い花びらはねむる、今や白も。 宮殿の杉並木も波打たず。 アラバスターの泉の金のヒレも閃かず。 目さめる蛍。汝は我とともにさめる。 白い孔雀はうなだれて霊のごとく 霊のごとく我に輝く。 大地はダナエをだまし星にささげ 汝は心をすべて我に開きたり。 静かな星は流れて、残したる 輝ける跡、汝の我への想いのごとく。 蓮はその香をすべてとじ 湖の胸にしのびこむ。 汝をとじよ、恋人よ、汝、わが胸に しのびこみ、我にきえよ。 アルフレッド・テニスン(1809-1892)
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テニスン
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テニスンの辞世の詩である。テニスンはワイト島に居していたが、死の三年前に島に渡るとき大病を患い、死を覚悟してこの詩を書いた。後にオーストラリア総督になる息子にこの詩を死後出版される詩集に最後に載せるよう遺言したそうである。この詩の話者はまさしくテニスンである。 Crossing the Bar Sunset and evening star, And one clear call for me! And may there be no moaning of the bar, When I put out to sea, But such a tide as moving seems asleep, Too full for sound and foam, When that which drew from out the boundless deep Turns again home. Twilight and evening bell, And after that the dark! And may there be no sadness of farewell, When I embark; For tho' from out our bourne of Time and Place The flood may bear me far, I hope to see my Pilot face to face When I have crossed the bar. Tennyson 船出 日くれて星ともり 私をよぶ声がする! 嘆きの声なく 船出をしたい。 眠るように満ちて 音も泡も立てず はるか深い淵をいでし 潮は帰る。 日くれて鐘がなり 暗くなる! 別れの声なく 船出をしたい。 はるか遠くいで 流れにまかし 御手に舵取られ 船出をしたい。 テニスン
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暇人の私は偶然テニスンの「春」という詩に出会い、訳をして投稿した。この詩がサリヴァンとテニスンによる新作の歌曲集の一編であったことを後で知った。サリヴァンやテニスンの自筆原稿の所有者でもない限り、また初版本の所有者でもない限り、現在も今後も重要とは思われない「春」という作品である。この「春」という本が出版される過程を紹介するのは、物好きといわれても仕方がない。だがポール・ホワース(Paul Howarth)なる人物が「窓の背景」と題して解説記事を書いている。それを読んでしまったので、ブログねたとして少し端折って紹介することにしよう。初版本の収集家には参考にはなるかもしれない。またヴィクトリア朝の音楽産業や出版産業を垣間見ることができるかもしれない。私が紹介した「春」の作者テニスンは高齢ではあったが、愚作を傑作と思い込むほど耄碌していなかったのである。 *************************** 「窓」の背景 サリヴァンの友人であるジョージ・グローブは、テニスンとサリヴァンに新作歌曲集の出版計画を提案した。彼の念頭にあるのはシューベルトの「美しき水車小屋の娘」のような歌曲集であった。グローブはテニスンにハイネの詩などを送っている。さらにミレイの挿絵をいれる計画であった。 テニスンの詩をシューベルトやシューマンの様式で作曲するという企画に若いサリヴァンは乗り気であり、テニスンも最初は興奮した。グローブとサリヴァンはワイト島のテニスン宅を訪問している。1866年10月17日のグローブの日記によれば 「私は[テニスンに]歌曲集を書き、サリヴァンに作曲、ミレイに挿絵を依頼したいという提案をし、サリヴァンは了承し、テニスン夫妻は大喜びだった。夜には一同音程が外れた、チンチン音を立てるピアノで音楽を楽しんだ。その後屋敷の三階にある彼の書斎へ行き、彼は三篇の詩と長編のバラードなどを朗読した。二時まで上機嫌で一同いずれ行くことになる ― 死とあの世、神と人間等について語り合った」。 時々テニスンはクレイヴァートンのサリヴァン宅を訪問しプロジェクトについて話した。サリヴァンは後年回想している。 「テニスンが最初に我が家を訪問したとき、長年家族同様になっていた住み込みのメイドがドアを開いて、客の身なりに驚いた。彼はいつも深い幅広のフェルト帽をかぶり、黒か短いマントを着ていたのでイタリアかスペインの劇に出てくる悪役のようであった。晩餐の同席者は、テニスン、ミレイ、フランシス・ビング(スタッフォード伯)、私と母ともう一人女性である。会合をもったのは、後に『窓』あるいは『ミソサザイの愛』という題で出版された合作の打ち合わせであった。メイドのケイトが『アーサー様、あの方が大詩人ですか?』(私は30歳ぐらいだった)『そうさ、服を着ているだろう』、『はいそれはもう』『詩人は服を着ているし、それに』『彼が桂冠詩人ということを忘れたね』と付け加えた。彼女は忘れたのではなく、知らなかったのである。しばらく黙った後に彼女はつくづく『奇妙な制服ですね!』と言ったものである。彼女はテニスンが制服を着た旅団の一員と思ったらしい。」 1867年2月5日テニスン夫人から次の日曜日にサリヴァンとグローブに招待の手紙が届いた。この時までにテニスンはこのプロジェクトへの自身の貢献を疑い始めていたようである。サリヴァンはテニスンの家からこのときの様子を手紙に書いている。 「私が着いてお茶を飲み、晩餐までテニスンとタバコを吸った。彼は詩(12編)を朗読した。大変愛らしかったが、彼の原稿を得るのは難しそうだと思った。非常に軽くて、名声に傷が付くと思っている。この件につき明日返事します」。 サリヴァンは原稿を手にいれたが、まだテニスンは出版を渋っていた。遅れに遅れて、テニスンはついに承諾し、1870年の11月6日にストラハン社に書き送っている。 「『隣人に誓いを立て、裏切らなかった』方に− 私の好みや判断に背くものですが、歌集の出版に同意し、その時期も貴社の要望に応じます。さらに私の好みや判断に背くものですが、クリスマスの時期に出版することにも同意します。ただし条件があります。昨日申し上げたように、四年前に書いたという事実、出版するのは貴社であるという事実を序文で書かれること、挿絵はミレイに限ることです」。 ところがミレイは挿絵を散逸させてしまう。結局1871年の新年にたった一枚のミレイの挿絵とテニスンの序文で本は出版された。 「 序文 すでに4年が経つが、サリヴァン氏が彼の芸術の幅を広げたいので、ドイツ風の連作詩集を書いてくれないかと依頼してきた。氏は「オルフェウスの竪琴」の付曲で成功を収めてきた。私は彼の依頼に応えて「操り人形」に古風な衣装を着せた。この人形の取り柄といえば、サリヴァン氏の曲に合わせて踊るくらいのものである。昨今の暗い日々に、私の四歳になる人形を舞台に登場させるのは残念であるが、音楽は完成したし、私にははたすべき約束があったのである。 1870年 12月 A. テニスン 」 「昨今の暗い日々」とは普仏戦争を意味するだろう。 この本は緑とえび茶の布表紙で金の型押で金縁という立派な製本であった。テニスンは12の詩を書き、そのうち11をサリヴァンが付曲し、詩と楽譜は別々に印刷されている。 サリヴァンはこの序文に驚き、抗議している。テニスンからの返事は: 「私はすでに『ミソサザイの歌』の序文を読んだ友人に序文の印象を訊いていたので返事が遅れました。どう読んでもあなたに失礼なことは言っていない、出版時期に遺憾の意を表し、さらにはあなたの音楽に相応しくないとさえ言っている、というのが全員の一致した意見でした」。 「これ以外の印象を読者に与えるのは私の本意ではないことを確信してください。なんでしたら早速馬車を拾われてクラブのお友達に、私の自筆で封印した手紙を見せてください」 これでテニスンとサリヴァンは仲直りした。 テニスンの死後1900年にはもう少し地味な版がジェイムス・ウィリアムスから出版された。新判の特徴はウィリー・カストナーのドイツ語訳が追加されたことである。テニスンの序文とミレイの挿絵は無かったが、サリヴァンの注記がある。 「この歌曲集は私の要請で故テニスン卿が詩を書き、私が1869年から1870年にかけて付曲したものである。故ジョン・ミレイ卿が挿絵を書く予定であり、詩と絵画と音楽の総合になるはずであった。事情があって、挿絵は完成せず、詩と音楽だけがアルバムとして1871年に出版された。 ポール・ホワース
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ついに結婚式である。テニスンはさらにもう一つ書いているのだが、サリヴァンはなぜか削除している。窓は完結したわけである。 Marriage Morning Light, so low upon earth, - You send a flash to the sun. Here is the golden close of love, All my wooing is done. - O the woods and the meadows, Woods where we hid from the wet, Stiles where we stayed to be kind, Meadows in which we met! Light, so low in the vale, You flash and lighten afar; For this is the golden morning of love, And you are his morning star. Flash! I am coming, I come, By meadow and stile and wood: O lighten into my eyes and heart, Into my heart and my blood! Heart are you great enough For a love that never tires? O heart are you great enough for love? I have heard of thorns and briers. Over the thorns and briers, Over the meadows and stiles, Over the world to the end of it Flash for a million miles! Over the thorns and briers, Over the meadows and stiles, Over the world to the end of it Flash for a million miles! 日の出が遅いね − 君がまぶしいのかな。 以上が愛情の物語 僕の求婚は成功した。− ああ、森と牧場 二人は森で雨をよけ 二人は垣根で止まる 二人が出会った牧場! 谷間の日の出は遅い 君が輝き、遠くまで照らすから。 以上が愛情物語 君は宵の明星 輝け!森をこえ、垣根をこえ、森をこえて 僕は急ぐぞ、急ぐとも。 僕の瞳と心まで照らせ 心と血まで! 飽きることない愛に 心は元気かい? 心は愛に大丈夫かい? 茨も棘もあると聞いたけど。 茨も棘もこえて 牧場も垣根もこえ 地球の果てまで 百万マイルも輝け! 茨も棘もこえて 牧場も垣根もこえ 地球の果てまで 百万マイルも輝け! テニスン |
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散々待たされた彼氏は結婚式が待ちきれない。一日も早い結婚をせがむ彼と彼女の喋喋喃喃。訳すほうとしても早くしてくれといいたい。 When Sun comes, moon comes, Time slips away. Sun sets, moon sets, Love, fix a day! A year hence, a year hence. We shall both be gray. A month hence, a month hence. Far, far away! A week hence, a week hence. Ah! the long delay! Wait a little, wait a little, You shall fix a day. Tomorrow, love, tomorrow, And that's an age away. Blaze upon her window, sun, In honour of the day! Tennyson いつ 日は出る、月は出る 時は過ぎて行く。 日は入る、月は入る 日にちを決めよう! あと一年、あと一年 二人とも憂鬱だよ。 じゃあ一月、じゃあ一月 とても待てないよ! じゃあ七日、じゃあ七日 ああ、待ちきれない! ちょっとの辛抱よ あなたがお決めなさい。 明日、ねぇ、明日 それでも長いくらい。 この日を祝って、太陽よ 彼女の窓を照らしておくれ! テニスン |

桜と日本人ですね。なぜか、三島由紀夫を思...


