ヘ短調作品34

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キーツ

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「今日の詩」はキーツの「ロビン・フッド」である。イギリス・ロマン派の詩人でイタリアに行ったバイロン、シェリー、キーツの三人の中で、一番過去に目を向けたのは一番若いキーツだった。残された短い人生を思うと当然かもしれない。今日は庶民の伝説の英雄ロビン・フッドゆかりのシャーウッドの森の現状を彼女に聞かせる詩である。

Robin Hood

No! those days are gone away,
And their hours are old and gray,
And their minutes buried all
Under the down-trodden pall
Of the leaves of many years:
Many times have winter's shears,
Frozen North, and chilling East,
Sounded tempests to the feast
Of the forest's whispering fleeces,
Since men knew nor rent nor leases.

No, the bugle sounds no more,
And the twanging bow no more;
Silent is the ivory shrill
Past the heath and up the hill;
There is no mid-forest laugh,
Where lone Echo gives the half
To some wight, amaz'd to hear
Jesting, deep in forest drear.

On the fairest time of June
You may go, with sun or moon,
Or the seven stars to light you,
Or the polar ray to right you;
But you never may behold
Little John, or Robin bold;
Never one, of all the clan,
Thrumming on an empty can
Some old hunting ditty, while
He doth his green way beguile
To fair hostess Merriment,
Down beside the pasture Trent;
For he left the merry tale,
Messenger for spicy ale.

Gone, the merry morris din;
Gone, the song of Gamelyn;
Gone, the tough-belted outlaw
Idling in the "grene shawe";
All are gone away and past!
And if Robin should be cast
Sudden from his turfed grave,
And if Marian should have
Once again her forest days,
She would weep, and he would craze:
He would swear, for all his oaks,
Fall'n beneath the dockyard strokes,
Have rotted on the briny seas;
She would weep that her wild bees
Sang not to her--strange! that honey
Can't be got without hard money!

So it is; yet let us sing
Honour to the old bow-string!
Honour to the bugle-horn!
Honour to the woods unshorn!
Honour to the Lincoln green!
Honour to the archer keen!
Honour to tight little John,
And the horse he rode upon!
Honour to bold Robin Hood,
Sleeping in the underwood!
Honour to maid Marian,
And to all the Sherwood clan!
Though their days have hurried by
Let us two a burden try.

John Keats.


ロビン・フッド

いや!あの日々は遠い昔
あの時々はかすみ
あの刻々は埋れ
長い年月の草葉の陰で
すべて踏みつけられた。
貸しも借りも忘れてしまい
冬の鋏が何度も体験したのは
凍てつく北や肌寒い東
森にささやきかける白い雪の
眺めに響き渡る嵐の音。

うん、角笛はもう鳴らないし
弓を鳴らす音も聞こえない。
ヒースの野にも丘にも
牙の甲高い音も鳴り止んだ。
森の中の笑い声もなく
寂しげな木霊が微かな音を
わびしい森の深くに住み
聞いて喜ぶ妖精に届けている。

六月に気候が良かったら
出かけてごらん、太陽や月
七星が君を照らしてくれるし
北極星が道を教えてくれる。
でも君は勇敢なリトル・ジョンや
ロビンを見かけることはない。
一族の中で誰一人として
空の缶を叩きながら
狩の歌をうたいはしないけど
一人は緑の道に誘ってくれるよ
トレントの牧場のそばで
楽しいお祭り騒ぎがあるのさ。
たしかに一人は楽しいお話
強いエールの話を聞かせてくれた。

騒がしいモリスダンスはなくなった。
ガメリンの歌はなくなった。
グレン・ショウでぶらつく
頑丈なベルトの無法者はなくなった。
みんな遠い過去になり、なくなった!
ロビンが芝の墓から
突然飛び出したら
マリアンがもう一度
森の生活を始めたら
彼女は泣き、彼は狂うだろう。
ロビンは愛する樫の樹に誓うはず
造船所で下敷きになり
海の塩水で腐りはてると。
マリアンは泣くはず、蜜蜂は彼女に
歌わず ― 何と!硬貨がなければ
蜜が手に入らないなんて!

だから歌おうではないか
昔の弓の弦に栄光あれ!
角笛に栄光あれ!
伐られない森に栄光あれ!
緑のリンカーンに栄光あれ!
弓の名手に栄光あれ!
機敏なリトル・ジョンと
彼が乗った愛馬に栄光あれ!
木陰の藪に眠る勇敢な
ロビン・フッドに栄光あれ!
乙女マリアンと
シャーウッド一味に栄光あれ!
連中の時代は過ぎ去ったが
さあ二人で繰り返そう。

キーツ


上の絵はリトル・ジョンとロビン・フッド


下の絵はロビン・フッドとマリアン

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「今日の詩」はキーツの「バッタとコオロギ」である。私の抱いていたキーツのイメージを変える詩である。キーツは湖畔新人ではないが、彼らの影響を受けた詩である。そういえば、今晩は秋の虫の声がする。

On The Grasshopper And Cricket

The poetry of earth is never dead:
When all the birds are faint with the hot sun,
And hide in cooling trees, a voice will run
From hedge to hedge about the new-mown mead;
That is the Grasshopper's--he takes the lead
In summer luxury,--he has never done
With his delights; for when tired out with fun
He rests at ease beneath some pleasant weed.
The poetry of earth is ceasing never:
On a lone winter evening, when the frost
Has wrought a silence, from the stove there shrills
The Cricket's song, in warmth increasing ever,
And seems to one in drowsiness half lost,
The Grasshopper's among some grassy hills.

John Keats.


バッタとコオロギ

大地の詩が絶えることはない。
鳥が太陽の熱で弱り、涼しい木陰に
隠れても、生垣の至る所から
草を刈った牧場を語る声が聞こえる。
バッタの声が ― 夏の贅沢を
リードし ― バッタはいつまでも
陽気だ。騒ぎに疲れはてたら
のんびり草の陰で休養を取る。
大地の詩が休むことはない。
わびしい冬の夜、霜が沈黙を
もたらすとき、暖炉から聞こえる
コオロギの歌、一段と暖かくなり
うたた寝してぼんやりした人には
草に被われた丘のバッタに思える。

キーツ

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「今日の詩」はキーツの「チャップマンのホメロスを始めて見る」である。チャップマンという人物を調べたら、この詩がウィキペディアに出てきた。従来イギリスの詩人はドライデンやポウプを通じてホメロスを知ってきた。

だが友人からエリザベス朝の文人チャップマンのホメロスを見せられ、夢中になり読みふけった。新しいホメロスの世界の発見である。

キーツはその感激を、天王星の発見やパナマを超えて太平洋を見つめたコルテスに擬えてすぐに詩を書いた。彼に残された短い人生を左右した大事件であった。些細なことであるがコルテスが最初に太平洋を見た征服者というのはキーツの誤解ではないだろうか。上の写真はパナマのダリエンから眺めた太平洋の落日である。


On First Looking Into Chapman's Homer

Much have I travell'd in the realms of gold,
And many goodly states and kingdoms seen;
Round many western islands have I been
Which bards in fealty to Apollo hold.
Oft of one wide expanse had I been told
That deep-brow'd Homer ruled as his demesne;
Yet did I never breathe its pure serene
Till I heard Chapman speak out loud and bold:
Then felt I like some watcher of the skies
When a new planet swims into his ken;
Or like stout Cortez when with eagle eyes
He star'd at the Pacific--and all his men
Look'd at each other with a wild surmise--
Silent, upon a peak in Darien.

John Keats.


チャップマンのホメロスを始めて見る

僕はたっぷり旅行した、黄金の国や
数多くの地方や王国を見聞した。
アポロンに仕える吟遊詩人が歌った
多くの西方の島々を巡ってきた。
これまで僕は賢いホメロスが支配した
広大な領地を聞かされてきたのだが。
チャップマンが声高く大胆に語るまで
僕は一度も純粋な静寂を吸ったことがない。
新惑星が彼の知識の中で泳ぎまわり始め
僕は空の観察者になった気分がした。
まるで大胆なコルテスが鷲の目で
太平洋を眺め − 彼の部下がともに
激しい驚嘆の念で見詰め合った −
ダリエンの頂でものも言わなかったように。

キーツ

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「今日の詩」はキーツの「ソネットに」というソネットである。シェイクスピアやスペンサー以来の伝統に梗塞感を抱いたのか、キーツはソネットの解放を訴える詩を書いたようだ。この詩自体は14行の詩であるから、ソネットの基本条件は満たしている。だが伝統的な形式美はないようである。ロマン派の若き旗手であるキーツが自ら実践した自由なソネットであろうか。当時の典型的な詩と比較してみなければわからない。


Sonnet: On The Sonnet

If by dull rhymes our English must be chain'd,
And, like Andromeda, the Sonnet sweet
Fetter'd, in spite of pained loveliness,
Let us find, if we must be constrain'd,
Sandals more interwoven and complete
To fit the naked foot of Poesy:
Let us inspect the Lyre, and weigh the stress
Of every chord, and see what may be gain'd
By ear industrious, and attention meet;
Misers of sound and syllable, no less
Than Midas of his coinage, let us be
Jealous of dead leaves in the bay wreath crown;
So, if we may not let the Muse be free,
She will be bound with garlands of her own.

John Keats


ソネット「ソネットに」

われらの英語が退屈な韻で繋がれ
アンドロメダのように美しいソネットが
美しくても足かせで苦しそうであり
もしわれらが拘束されるなら
上手に編み上げた上等なサンダルを見つけ
裸足の詩にぴったり合うようにしよう。
熱心に聴き、注意を集中させ
竪琴を調べ、弦の強さを測り
その効果を判断しよう。
音や音節をケチる者はまさに
金貨鋳造のミダス王、だから
月桂冠の枯れ葉をうらやもう。
ミューズが自由でなかったら
彼女の花輪で縛られてしまう。

キーツ

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ナイチンゲール頌

僕の心臓は苦しく、眠気を催す鈍痛が
僕の感覚を巡る、僕が飲んだ鎮静剤のせいか
一分前に飲み干した阿片剤のせいだろうか
忘却が降りてきた。
汝の幸運を羨むわけではないが
汝は余りにも幸せだ −
汝は軽やかに飛ぶドリュアス
麗しい旋律のような場所
緑のブナと木陰で
楽々と夏を謳歌する。

ああ地下深くに長い間冷やされた
ヴィンテージの一口が欲しい
フロラと緑の田園の味
ダンスとプロバンスの歌と陽が降り注ぐ祭!
ああ南国の熱気がこもったビーカーが欲しい
真性の赤いヒッポクレーネーが詰まり
泡の玉が縁で瞬き
真紅に染まった吸口。
僕はこれを飲み、ここをそっと去りたい
汝とともに暗き森に消えたい。

失せろ、融けろ、無視しろ
木の葉に隠れた汝が知る由もないこと
疲労、発熱、焦燥
この世で人は互いにジッとうめき声を聞く。
麻痺で哀れな残り少ない白髪が震え落ち
若者も青ざめ、痩せ細り幽霊となり、死ぬ。
思考することといえば
ただ悲しみと漠然たる絶望感
美が瞳の輝きを維持することもなく
恋が焦がれるのは遠い未来の瞳ではない。

行け!行け!僕が汝の所に
鈍き頭は混乱し、退化するとても
バッカス達の馬車に乗らず
見えざる歌の翼に乗り飛び行く。
もう汝と一緒だ!優しきは夜
偶々月の女王は玉座にいまし
お付きの星の妖精が取り囲む。
ここにも光はなく、あるのは
暗き緑とうねる苔むす道を通り
微風とともに天から来たるもの。

足元の花の何かも見えず
枝の香りの何かも見えず
草や茂みや野生の果樹に
月が季節に相応しく恵む匂いを
かぐわしき闇の中で当てるのみ。
白きサンダシと田園のバラ。
葉に覆われ早くも凋むスミレ。
五月中旬を先導する麝香バラ
今や咲かんとして甘き露を含み
夏の夜にざわめく蠅の群れ。

僕は暗がりで耳を澄ます。いく度か
安らかな死と恋をしたい気になり
瞑想的な詩で優しく呼びかけ
静かに息を吐いたものだ。
以前にも増して豪華に思えるのは
真夜中に楽に死に絶えること
その時汝は恍惚として
汝の魂を外に浴びせかけている。

永遠の鳥よ、汝は死のために生まなかった!
飢えた人々すら汝を踏みつぶしはしない。
この過ぎ行く夜、僕が聞くのは
古き時代に皇帝と道化が聞いた声。
郷里が恋しく異郷の畑で涙に暮れた
家が恋しいルツの心に届いたのは
おそらく全く同じ歌。
人里離れた妖精の国
危険な海の泡の上で魔法の扉を
開かせたのも同じ歌。

見捨てられた!この言葉は汝から
ベルのごとく孤独な我に引き戻す!
アジュー!空想では騙されない
騙す妖精はそれで有名なのだ。
アジュー!アジュー!汝の悲しげな頌歌は
最初の牧場を越え、静かな流れを渡り
丘を登り、小さくなり
次の沼地に沈み込む。
夢か幻か?
あの音楽は消えた − 覚めていたのか?寝ていたのか?

キーツ

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