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276.ブラームスからヘルツォーゲンベルクへ [イシュル、1896年6月] 親愛なる友へ 私は筆無精なので、さらに手紙を期待することはできませんが、互いに消息を知らないのは非常に残念です。私は夏の宛先を知りたいのです。私は軽い曲をまもなく送りたいのです。この曲は私の非キリスト教主義をあなたの新聞(1)で攻撃する種になります。他の非妥協的な曲は出版には向きませんが、ピアノ編曲版(2)で見ていただきたいのです。 あなたはオーストリアには来ませんね。ましてイシュルには。 いずれにしても宛先を知らせください。ではあなたとご同居の方にもよろしく。 J.ブラームスより (1)「四つの厳粛な歌、作品121」。ブラームスはこの歌のテキストが非教義的で内容がすごいために出版には若干気がとがめていた。 (2)おそらく死後出版された「オルガンのためのコラール前奏曲」であろう。 (3)ヘレーネ・ハウプトマン(Helene Hauptman)はモリツ・ハウプトマンの娘でヘルツォーゲンベルク夫妻の昔からの友人。夫人の死後ヘルツォーゲンベルクの身の回りの面倒を見ていた。
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ヘルツォーゲンベルク書簡集
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275.ヘルツォーゲンベルクからブラームスへ ハイデ、1895年8月11日 親愛なる友へ 私の歌曲集がこのようなすてきなお手紙を頂戴することになり、喜んでおります。私はオラトリオ(1)を 構想しておりまして、その規模と扱いのゆえに、あなたの友情的で温かく、率直かつ激励的な批評、あるいはその逆の批評をいただけるものと思っております。 しばらくはその完成に夢中になっておりました。そこへ目の炎症。辛抱して目を閉じ、内省しなければなりません。断言しますが、「世界がヤマネのようにくすんでいく」のを感じるのは愉快ではありません。 私はクラリネット・ソナタを今は見て楽しむだけです。あなたがいつものように親切に私のことを考えてくださっていたら、この傑作はベルリンにとどまっていたかもしれません。あなたのヒントがあればこちらに飛んでくるのです。 私は今年、充分に健康を回復し、イ ンターラーケンでフラウ・シューマンを訪問したいと思っています。あなたも行かれませんか。ついでにハイデに立ち寄られてはいかがでしょう。あなたをラッペルスウィルとブリュニング経由で、お忍びで彼女のところにお連れする計画を持っております。あなたが「ゆっくりと鑑賞する」のが羨ましくてなりません。 私個人としましては、私にはなすべき事があるという妄想で仕事に励みます。私のために祈ってください。 誠実なあなたのヘルツォーゲンベルクより
(1)ヘルツォーゲンベルクの「独唱、混声合唱、少年合唱、ハルモニウム、弦楽器、オーボエ、会衆歌唱、オルガンのためのキリストの誕生(Die Geburt Christi)」、作品90。 |

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274.ブラームスからヘルツォーゲンベルクへ [イシュル]1895年8月8日 親愛なる友へ 今回私は大喜びで小包(1)クラリネットとピアノのためのソナタ、作品120。を開けました。先ず、エンゲルマンからは、あなたが目を悪くしてグラーツにいると聞いておりましたからです。この手紙は家から送られており、心待ちにしたあなたの筆跡ですので、心配は無用 と思ったからです。さらに嬉しかったのは、あなたが困難な人生の最中にアイヒェンドルフ――私たちの青春時代に大変愛された詩神――を忘れていなかったこ とです。 たしかに歌曲は(音楽も歌詞も)哀愁に満ちたものですが、忘れがたい魅力と可憐さの想い出を歌っており、聴いてみて、悲しみに打ちひしがれることはないでしょう。 お元気かどうかお便りを下さい。あなたのような勤勉な方はいつも尋ねられる質問でしょうが。 ではさようなら。ゆっくりと鑑賞する様子を心に描いてください。 J.ブラームスより
(1)ヘルツォーゲンベルクの ソプラノのための「悲しき歌(Elegische Ges??nge )、アイヒェンドルフ詩、作品91」。 |

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273.ヘルツォーゲンベルクからブラームスへ ベルリン W.62、1895年1月30日 親愛なる友へ 私たちは感傷的になることを好みません。でもそれだけの理由で、より深い感情を犠牲にし、人生のきわめて高貴な時間を失ってはなりません。二つの最高潮に達したソナタの傑作(1)に関して、私は正規の愛好者の宣言をいたします。妻が好んで言いましたように、神の祝福をと申し上げます。この曲のおかげで、私は純粋に幸せな二日間を送りました。人生を再び生きていく価値があることを感じた次第です。 私 は明らかに、独創的で愛らしい春のような旋律に取り憑かれておりますが、どう発展するかは分かっておりません。現在のところ、これらの旋律に私は魅了されてはいますが、これを知り尽くし、自分の物にできる日を待望しております。またの便りをお願いします。どうか写本用紙を冷えさせないでください。ご存じのはずですが、私たちはあなたをお待ちしています。とりわけ私が。私に温かい隅を取っておいてください。――「トムは寒いよう。」(2) あなたのヘルツォーゲンベルクより (1)クラリネットとピアノのためのソナタ、作品120。 (2)「リア王」第三幕、4場。
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272.ブラームスからヘルツォーゲンベルクへ [ウィーン、1894年2月22日] 親愛なる友へ この手紙を書きましたのは、急いで お知らせしたいことがあるからです。フィレンツェに送った最初の荷がこちらに届いたという通知を受けました。配達不能郵便物として返してもらってはいませ ん。私たちに手落ちがなかったことをご了解ください。この件についてご了解いただき、この主題を(恥ずかしそうな堂々巡り風に)展開していただければ幸いです。 さてあなたには本当に初耳とすれ ば、私は本当に意志疎通が拙い男です。何をさておいても私を当地に引き留め、スイスに行かずにオーストリアで夏を過ごすのは、ビルロートのような友人がい るからではありません。くりかえしますが、何をさておいても。友人をすべて亡くした場合のことはもちろんしばしば考えております(1)。 あなたのJ.Br.より
(1)ブラームスは景色、都市そのもの、住人のせいで、オーストリアとウィーンに惹かれていた。ブラームスは他所ではこれほどまではくつろげなかった。 |

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桜と日本人ですね。なぜか、三島由紀夫を思...



