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今日はウェッブで目に付いたスイスの作家フォン・ゴットフリート・ケラーの詩である。日本でも「緑のハインリッヒ」でおなじみの作家の詩である。絵描きになろうとした人だけあって、彼の自然描写は気に入った。だがこんな短い詩でも最後の詩節の類似用例が見付からなかった。気掛かりである。 詩の構造は各詩節ともに[A, B, A, B]と美しい。 Am fliessenden Wasser Ein Fischlein steht am kühlen Grund, Durchsichtig fliessen die Wogen, Und senkrecht ob ihm hat sein Rund Ein schwebender Falk gezogen. Der ist so lerchenklein zu sehn Zuhöchst im Himmelsdome; Er sieht das Fischlein ruhig stehn, Glänzend im tiefen Strome! Und dieses auch hinwieder sieht Ins Blaue durch seine Welle. Ich glaube gar, das Sehnen zieht Eins an des andern Stelle! von Gottfried Keller (1819-1890) 流れ 川底に一匹の小魚 流れ行く澄みし小波。 その真上を旋回し 滑空する一羽の隼。 天空高く舞い上がれば 隼も小さな雲雀のよう。 隼は深き川に横たわる きらめく魚を見付けた! そして逆にこの小魚も 波間から青空を見上げた。 本気で思う、狙う獲物と 私が入れ替われるなら。 ケラー Photo by dolphinlink @flickr
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独詩和訳
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偶然見付かったカフカ初期の詩である。彼の小説を読み、人生についても多少の知識を持っているが、今日の詩は珍しいのと(少なくとも表面的な)意味は分かりやすかったので投稿する。今後ともこの程度の難易度のカフカの詩が見つかれば紹介しようと思うが、はたしてあるのだろうか? In der abendlichen Sonne sitzen wir gebeugten Rückens auf den Bänken in dem Grünen. Unsere Arme hängen nieder, unsere Augen blinzeln traurig. Und die Menschen gehn in Kleidern schwankend auf dem Kies spazieren unter diesem großen Himmel, der von Hügeln in der Ferne sich zu fernen Hügeln breitet. Franz Kafka (1883-1924) 夕暮れの太陽を浴び 夕暮れの太陽を浴び われらは新緑のベンチに 背をかがめて座っている。 腕をダラリと下げ 目は悲しげに瞬いている。 砂利を踏み着込んだ 人たちが散策している。 上には大空が はるか遠くの丘から 丘へと広がっている。 カフカ
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今日のドイツ語の詩はガイベルという詩人の詩である。悲劇の分野で活躍した人物だそうだが、今日の詩は特にどうということもない。夏の季節を賛美する詩である。 Sommerlied O Sommerfrühe blau und hold! Es trieft der Wald von Sonnengold, In Blumen steht die Wiese; Die Rosen blühen rot und weiß Und durch die Felder wandelt leis' Ein Hauch vom Paradiese. Die ganze Welt ist Glanz und Freud, Und bist du jung, so liebe heut Und Rosen brich mit Wonnen! Und wardst du alt, vergiß der Pein Und lerne dich am Wiederschein Des Glücks der Jugendsonnen. Geibel 夏の歌 おお、青く美しき夏の朝よ! 森は黄金の日を浴び、 牧場は花につつまれ 赤と白のバラが咲き 野原一面に 天国の微風が渡る。 世界は輝きと喜びに満ち 今日の汝は若く愛らしい 喜びバラを開かすべし! 時が経つも、苦しみを忘れ 若き太陽の再度の耀きに 恵まれる幸を忘るな。 ガイベル
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今日のドイツの詩はビアバウムという詩人の夏を祝福する、典型的な季節の詩である。形式も綺麗であり、時候の挨拶によい詩である。 なお「夢見るセバスティアン」の15編の詩の単語帳を作成したばかりだが、「夢見るセバスティアン」という詩集の中の「夢見るセバスティアン」というシリーズだった。全部で五部から構成されているが、第二部「孤独の秋」は韻文形式でだいぶ趣が変わっている。また折を見て訳詩に挑戦したいと思っている。 Wenn im Sommer Wenn im Sommer der rote Mohn wieder glüht im gelben Korn, wenn des Finken süßer Ton wieder lockt im Hagedorn, wenn es wieder weit und breit feierklar und fruchtstill ist, dann erfüllt sich uns die Zeit, die mit vollen Massen misst. Dann verebbt, was uns bedroht, dann verweht, was uns bedrückt, über dem Schlangenkopf der Not ist das Sonnenschwert gezückt. Glaube nur, es wird geschehn! Wende nicht den Blick zurück! Wenn die Sommerwinde wehn, werden wir in Rosen gehn, und die Sonne lacht uns Glück! Bierbaum 夏になれば 夏になり、赤いケシの花が 再び黄金色の畑を彩るなら フィンチが愛らしい調べで サンザシの木から叫ぶなら 快晴で果実が揺れなければ われらの願いは叶えられ わざわざ測らなくても済む。 われらの恐れも消え去り われらの心配も吹き飛び 飢饉の蛇の鎌首には 太陽の刀がきらめくさ。 そうなることを信じろ! 後ろを振り返るな! 夏の風が吹いたなら われらに良いことがあり 太陽がわれらに幸運を恵む。 ビアバウム ドイツ版ウィキペディアによれば、ビアバウムという人はドイツで最初に自動車旅行記を書いた人物である。幌付き自動車で奥さんと1902年にドイツからプラハ、ウィーンを経由してイタリアに自動車旅行し、帰りはスイスからドイツに戻った人である。 |
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今日のドイツ語の詩の作者はブッシュという人物である。詩の形式で漫画を描いた歴史上有名な人だそうだ。知る人ぞ知るマックスとモーリッツと言うキャラクターを作った人である。題名は「夏の風呂屋」である。Sommerbäder直訳すると夏の風呂屋である。昔は理髪師と外科医をかねていたそうである。「歯医者が医者ならトンボも鳥」だった時代の名残だろう。 たしかにドイツの温泉場にはドクターと称する処方箋を書いてくれる人物がオフィスを並べている。体験したわけではないし、聞いたわけでもないが、何度の泥に何分つかり、肩や腰に湯を何分噴射してもらえとかいう処方箋を書くものと思われる。現在では国家試験をパスし「温泉療養医師」とかいう肩書きを持っているのだろう。 Im Sommerbäder In Sommerbäder Reist jetzt ein jeder Und lebt famos. Der arme Dokter, Zu Hause hockt er Patientenlos. Von Winterszenen, Von schrecklich schönen, Träumt sein Gemüt, Wenn, Dank ihr Götter, Bei Hundewetter Sein Weizen blüht. Busch 夏の風呂屋 夏の風呂屋に みな出かけ 快適に過ごす 患者がいなくて 哀れな医者 家に引きこもる。 医者が夢見る 素晴らしい 冬の光景 ありがたや 悪天候で 商売繁盛。 ブッシュ 絵はブッシュの肖像画である。
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桜と日本人ですね。なぜか、三島由紀夫を思...



