ヘ短調作品34

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シュタットラー

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今日のドイツ語の詩はシュタットラーの「牧神の嘆き」である。マラルメの「牧神の午後」は1876年作である。その後ドビュッシーが1894年に「牧神の午後への前奏曲」を作曲している。シュタットラーが偶然に「牧神の嘆き」を書いたとは思われない。

それはともかく、表現主義の代表的存在だったとされるシュタットラーであるが、フランス象徴主義の影響を受けた詩人ではないだろうか。題材が「牧神」であるからではない。彼はドイツといってもアルサス出身の言語学専攻の学者であり、フランス語はお手の物だったろう。フランス語文献の翻訳もしている。未来派やプロレタリア文学を予感させる表現主義の詩とは明らかに違う。

今回全単語の性を調べたつもりであるが、朦朧たる「牧神」の笛の音のせいではないが、我ながら納得のいかない部分が多かった。随分時間を費やしたので、ひとまず投稿してみることにした。マラルメの「牧神」とはことなり韻文詩であり、脚韻は英雄韻である。


Pans Trauer

Die dunkle Trauer, die um aller Dinge Stirnen todessüchtig wittert,
Hebt sachte deiner Flöte Klingen auf, das mittäglich im braunen Haideröhricht zittert.
Die Schwermut aller Blumen, aller Gräser, Steine, Schilfe, Bäume stummes Klagen
Saugt es in sich und will sie demutsvoll in blaue Sommerhimmel tragen.
Die Müdigkeit der Stunden, wenn der Tag durch gelbe Dämmernebel raucht,
Heimströmend alles Licht im mütterlichen Schoß der Nacht sich untertaucht,
Verlorne Wehmut kleiner Lieder, die ein Mädchen tanzend sich auf Sommerwiesen singt,
Glockengeläut, das heimwehrauschend über sonnenrote Abendhügel dringt,
Die große Traurigkeit des Meers, das sich an grauer Küsten Damm die Brust zerschlägt
Und auf gebeugtem Rücken endlos die Vergänglichkeit vom Sommer in den jungen Frühling trägt –
Sinkt in dein Spiel, schwermütig helle Blüte, die in dunkle Brunnen glitt . . .
Und alle stummen Dinge sprechen leise glühend ihrer Seelen wehste Litaneien mit.
Du aber lächelst, lächelst . . Deine Augen beugen sich vergessen, weltenweit entrückt
Über die Tiefen, draus dein Rohr die große Wunderblume pflückt.

Stadler


牧神の嘆き

暗き嘆き、死を求める全ての表情に嗅い

真昼の褐色のヒースの野に響きわたる、汝の優美な笛の音を打ち消す。

陰鬱なる気分、沈黙して嘆く、ありとあらゆる花、草、石、葦、樹

葦笛はその全てを吸い込み、青き夏空に謙虚に飛ばさんとする。

時の疲労、一日が黄昏の霧にけむり

光がすべて家路に向かい、母の膝元なる夜に沈むとき。

歌の孤独な悲しみ、乙女は夏の牧場で踊り、唄い

鐘の音を聞き、家恋しく赤い夕陽に映える丘を駆け抜ける。

海の大いなる嘆き、灰色の岸の堤防で打ち砕かれ

早春からひたすら待ちわびる夏の儚さ ―

暗き泉に滑り落ちたる悲しげなるも麗しき花、汝の奏でる調べに沈む. . .

全て沈黙せる物の魂、穏やかに輝き、いとも悲しき祈を合唱する。

汝はされど、笑い、笑う. . .汝の目は恍惚として深き水の上に注がれ

汝の葦が摘む大きなオシロイバナ。

シュタットラー

温室 -- シュタットラー

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今日のドイツ語の詩は、魅力を感じながらも投稿をためらってきた、スタットラーの「温室」である。シュタートラーの詩はこれまでも躊躇したが、今回はその比ではない。ドイツ語の単語をごく常識的な訳語に置き換えただけでは温室の光景にはならない。辞書をよく調べてみるとほとんどは植物学の訳語があるが、植物学上のイメージがわかない。

だがどうして通常牛を意味するFarren だけは辞書になかった。これは作者のその花への連想なのか、植物分類学者あるいは蘭に詳しい人なら誰でも分かる用語なのか。シュタットラーのむせ返るような植物への愛好はまだ一編の詩でしか確認していない。私の創作した訳詩であろうが、私の思い込みをひとまず書き込むことにした。


Im Treibhaus

Gefleckte Moose - bunte Flechten schwanken
um hoher Palmen fächerstarre Fahnen
und zwischen glatten Taxusstauden ranken
sich bleich und lüstern zitternde Lianen.

Gleich seltnen Faltern schaukeln Orchideen
und krause Farren ringeln ihr Gefieder
glitzernd von überwachsnen Wänden wehn
in Flocken wilde Blütenbüschel nieder.

Und kranke Triebe züngeln auf und leuchten
aus jäh gespaltner Kelche wirrem Meer
und langsam trägt die laue Luft den feuchten
traumschlaffen Duft der Palmen drüberher.

Und schattenhaft beglänzt im weichen
gedämpften Feuer strahlt der Raum
und ahnend dämmern Bild und Zeichen
für seltne Wollust - frevlen Traum.

Stadler, Ernst (1883-1914)


温室

斑の苔 ― 色鮮やかな苔は
高い棕櫚に付く扇型の旗弁を揺らし
欲望に青く震えるツタは
滑らかなイチイに絡みつく。

珍種の蝶も蘭を揺らし
羽毛を曲がった唇弁に巻きつけ
きらめきながら厚い花皮から
冠毛を吹き飛ばす。

突如萼が割れ、広がる動揺の波
病む本能がきらめき、照らし
生ぬるい大気は棕櫚の湿気
夢見心地の香をゆっくり運ぶ。

弱く静かな火で
薄暗い部屋は灯され
奇妙な欲望 ― 傲慢な夢の
姿と形が見えてきた。

シュタットラー

夏 -- シュタットラー

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シュタットラーは光の詩人であろうか。トラークルとは大いに違う。夏の収穫の悦びを率直に歌っている。散文詩であるが、ドイツ・ロマン派の収穫をことほぐ詩の伝統を強く感じる。

Sommer

Mein Herz steht bis zum Hals in gelbem Erntelicht
wie unter Sommerhimmeln schnittbereites Land.
Bald läutet durch die Ebenen Sichelsang: mein Blut
lauscht tief mit Glück gesättigt in den Mittagsbrand.
Kornkammern meines Lebens, lang verödet,
alle eure Tore sollen nun wie Schleusenflügel offen stehn,
Über euern Grund wird wie Meer die goldne Flut der Garben gehn.




わが心は黄金の収穫の光を浴びている。
夏空の下収穫間近の畑のよう
やがて平原中に刈り取りの歌声が響く。
わが血は幸福に満たされて聞き入る。
わが命の穀物倉庫、ながく放置された扉は
すべて水門のように開けられ
黄金の束の流れが海のように床に注ぐ。

シュタットラー


絵はゴッホの「刈る人」

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今日のドイツの詩は、シュタットラーの詩「きらめくツタの葉」である。ウィキペディア・ドイツによれば、シュタットラーは文学における表現主義運動の代表絵的存在だったという。没年はトラークルと同じ1914年。はたして彼は「地上から戦争を一切無くすための最後の戦争」で一兵士としてベルギーで戦死したのである。大学で教職を得たばかりだった。

シュタットラーの詩は幻想的で、異教的と思われる都市の夏の光景を描いている。カンマがあって欲しいところに無くて困った。カンマやピリオドが無い詩はシュール・レアリストの詩で読んだことはある。むせ返るような暑さと眩暈しい光と匂いを表現する手法なのか、私の語学力の不足による誤訳なのか?


Die Efeulauben flimmern

Der Sommermittag lastet auf den wei??en
Terrassen und den schlanken Marmortreppen
die Gitter und die goldnen Kuppeln glei??en
leis knirscht der Kies. Vom m??den Garten schleppen
sich Rosend??fte her - wo l??ngs der Hecken
der schlaffe Wind entschlief in roten Matten
und geisternd strahlen zwischen Laubverstecken
die G??tterbilder ??ber laue Schatten.
Die Efeulauben flimmern. Schw??ne wiegen
und spiegeln sich in grundlos gr??nen Weihern
und gro??e fremde Sonnenfalter fliegen
traumhaft und schillernd zwischen D??fteschleiern.

Stadler, Ernst (1883-1914)


きらめくツタの葉

夏の真昼がのしかかる
白きテラスと細き石段
きらめく格子と金色のドーム
きしむ玉砂利。疲れた庭から
引きずられたバラの匂い − 生垣に沿い
赤き絨毯にまどろむゆるい微風と
葉影から亡霊のごとく生暖かき影を
照らす神々の像。
きらめくツタの葉。底なしの緑の沼に写る
揺れ動く白鳥の姿と
夢のように、かすみに光り輝き飛ぶ
初めて見る大きな蝶。

シュッタットラー

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今日のドイツの詩はドイツ表現主義の詩人シュタットラーの「庭のバラ」である。咲き誇るバラの花に、萎み行く姿を想ってしまうのは古来のテーマである。だがボルトの詩にもあるように、おおよそ詩的とは思われぬ言葉や近代の科学的知識に由来する言葉が詩に登場している。

すでにロマン派の詩人の中にも科学的新発見を恨む詩人と新発見を詩に取り入れ、新しい詩の分野を開拓しようとする詩人に割れていたが。シュタットラーの詩の主題は咲き誇るバラでも、はかなきバラでもない。彼が第一次世界大戦の開戦早々に戦死したことを知った上で言っているのだが、何か不気味な自身の崩壊を予測しているみたいである。


Die Rosen im Garten

Die Rosen im Garten blühn zum zweiten Mal.
Täglich schießen sie in dicken Bündeln in die Sonne.
Aber die schwelgerische Zartheit ist dahin,
mit der ihr erstes Blühen sich im Hof
des weiß und roten Sternenfeuers wiegte.
Sie springen gieriger,
wie aus aufgerissenen Adern strömend,
über das heftig aufgeschwellte Fleisch der Blätter.
Ihr wildes Blühen ist wie Todesröcheln,
das der vergehende Sommer
in das ungewisse Licht des Herbstes trägt.

Stadler, Ernst (1883-1914)


庭のバラ

二度目のバラが庭に咲いている。
毎日陽を浴び束で咲いても
豪奢な優しさも残り
一番星の赤や白の輝きに
合わせて庭で揺れる。
どっと咲く出るバラ
逞しい木の葉の肉体に
流れ出る血液のよう。
バラの激しい開花は
あてにならぬ秋の光を浴び
過ぎ行く夏が持ち来る
臨終のうめき声。

シュタットラー

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