ヘ短調作品34

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カナダの絵と詩

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トム・トムスンのカナダの絵は ”The Pool” である。湖と紅葉した樹はトムが繰り返し描いたテーマである。これも私が好きな絵である。トムの画集だけでなく、この絵が入ったカレンダーも買ってきたが、失くしてしまった。また買って額縁に入れる機会はあると思う。

詩人はネレー・ボーシュマン。大国アメリカとイギリス系カナダ人におされ気味のケベックの詩人にはケベックの自然を賛美する詩が多くなる。今日は絵と詩が比較的合っている。

Reve Ecarlate

Trois cents arbres vetus de rouge, de jaune et d’orange
Etendus sur une plaine ou le vent brosse les feuilles.
De telles melodies comparables au chant des anges
Une telle image dont la grandeur atteint le seuil.

Les rivieres qui coulent en ce pays ecarlate
Ne refletent que nos reves embrouilles par notre etre.
Le ciel rouge parseme de nuages par strates,
Il n’est pas une reponse mais seulement une fenetre.

Ce n’est pas un monde qui nous apparait a la mort
Mais bien un ideal que la pensee nourrit,
D’y croire en ce monde ecarlate, on aurait tort
Mais d’y vivre serait une incontestable utopie.

Nérée BEAUCHEMIN (1850-1931)


真紅の夢

三百本の樹の衣、紅、黄、赤黄
平野に延び、風が葉をかすめる。
天使の歌声にも比するその調子
雄大な景観は限界に達している。

この真紅の土地を流れる河川が
写すは我らとかかわった夢のみ。
雲を幾重にも散らされた赤き空
反射するのはただ一つの窓のみ。

死して我らに現れる世界でなく
思考の結果育まれた理想であり
真紅の地での信念が誤ろうとも
この地の人生は比類なき理想郷。

メレー・ボーシュマン

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今日のトム・トムスンは “Algoquian Lake” (アルゴキアン湖)を描いたものであり、私の持っている画集の表紙になっている。彼は湖の画家であり、今日の詩のテーマである穀倉地帯の農民の生活とは無関係であるが、その雄大さに共通点がある。

詩人はすでに紹介したウィリアム・チャップマン。彼はケベック出身のバイリンギャルのジャーナリストであり、詩人である。まだ黎明期のカナダの詩人であり、カナダ賛美に終始している。余裕がない感じである。カナダのケベックにもフランス風の愛や恋を歌う詩人はいる。私はカナダでは美人より景色に見とれていた。当分自然賛美の詩でフランス語学習に専念しようと想う。当方の語学力からみて、チャップマン氏は適切な詩人である。

Le Laboureur

Derri??re deux grands boeufs ou deux lourds percherons,
L'homme marche courb?? dans le pr?? solitaire,
Ses poignets musculeux riv??s aux mancherons
De la charrue ouvrant le ventre de la terre.

Au pied d'un coteau vert noy?? dans les rayons,
Les yeux toujours fix??s sur la gl??be si ch??re,
Gris?? du lourd parfum qu'exhale la jach??re,
Avec calme et lenteur il trace ses sillons.

Et, r??veur, quelquefois il ??bauche un sourire :
Son oreille d??j?? croit entendre bruire
Une mer d'??pis d'or sous un soleil de feu ;

Il s'imagine voir le bl?? gonfler sa grange ;
Il songe que ses pas sont compt??s par un ange,
Et que le laboureur collabore avec Dieu.

William CHAPMAN (1850-1917)


農夫

二頭の大牛や二頭の重馬の後を
侘しい農地を背中曲げて進み行く
彼のたくましい手首は鋤の柄を
握り締め、大地の腹を切り開く。

光線に充ちあわれた緑の丘の麓
常に眼をこの貴重な土地に注ぎ
休耕地の濃厚な香に酔い痴れて
男は静かにゆっくりと畦を耕す。

夢見心地でときに微かに笑えむ。
男は炎の陽の下で耳にしたはず
金色の麦穂の海がざわめくのを。

男は麦が倉に溢れる光景を想う。
考えるは男の歩みを数える天使
農夫と神の協力作業に励むこと。

ウィリアム・チャップマン

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今日のトム・トムスンは ”Woodland Waterfall” である。カナダのカエデは有名だが、カエデの見頃はもう過ぎたかもしれない。カナダには人口を上回る水たまりがあるとされる。トムはカナダの特定の湖を好んで描いたが、ナイヤガラは勿論のこと滝を描いていない。珍しいのと秋も深まりつつあるのでこの絵を取り上げた。

詩人はボールガールであるが、この絵とは関係なく、巨大な川の話である。フランス名はサン・ローラン川、英語名はセント・ローレンス川である。フランス系カナダのケベック州にまず駆けつけたのは、フランスのカトリック宣教師団であり、その後の文化を形成した。カトリックの聖人の名前にちなんだ地名や町名が非常に多い。アメリカとの自然の国境になっているこの川の名前も殉教したキリスト教の聖人にちなんでいる。


La brume

Le Saint-Laurent, mordu par les souffles d'automne,
S'exaspère. Partout sur le fleuve dément
L'âme des bois brûlés flotte languissamment.
Affolé, mon canot plonge dans l'eau gloutonne.

Pas d'oiseaux. Aucun coup de fusil ne résonne.
Le vaste et lourd brouillard, gris uniformément,
De son opacité cache tout mouvement
Et dams une caverne étrange m'emprisonne.

Verdâtres, turbulents, accourus du chaos,
Avec des bruits de haine autour de moi les flots
Se dressent. On dirait la fureur d'une armée.

Seul et domptant la voile où souffle un vent du nord
Je me crois égaré dans quelque monde mort
Sous l'irrémédiable ennui de la fumée.

Alphonse BEAUREGARD (1881-1924)




サン・ローランは秋風に襲われ
いら立つ。狂った河流の至る所
燃えた木の霊が気だるく揺れる。
僕の子舟は貪欲な水に突っ込む。

鳥はいない。猟銃の音もしない。
重苦しい霧が垂れ、一面の灰色
暗くて動きがまったく見えなく
未知の洞窟に閉じ込められた。

激しく走り寄る緑色の混沌が
怒号を発して僕を囲み、流れは
僕の通行を禁止する乱暴な軍隊。

北の風が吹けばひとり帆をなだめ
むせ返る空気、回復不可能な疲労
数ヶ月も死の放浪をした気がする。

アルフォンス・ボールガール

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今日はトムの暗い自然の絵である。” Early Spring” いかにも東部カナダの春である。彼の絵と組み合わせる詩はボーシュマンという人物。ケベックのお医者さんで詩を書いていた人。始めて彼の土地で詩を書いたローカルな人。仏語ウィキと英語ウィキに生没年の記述と医師を本業としていたとある。

内容が単純なせいもあるが、韻は綺麗である。イギリスの18世紀の偉い学者がフランス語に比べて何と英語のお粗末なことかと嘆いたそうである。イタリア人やフランス人の真似をしようとした人からすれば、英語は真に具合の悪い言語ではある。


Les corbeaux

Les noirs corbeaux au noir plumage,
Que chassa le vent automnal,
Revenus de leur long voyage,
Croassent dans le ciel vernal.

Les taillis, les buissons moroses
Attendent leurs joyeux oiseaux :
Mais, au lieu des gais virtuoses,
Arrivent premiers les corbeaux.

Pour charmer le bois qui s'ennuie,
Ces dilettantes sans rival,
Ce soir, par la neige et la pluie,
Donneront un grand festival.

Les rêveurs, dont l'extase est brève,
Attendent des vols d'oiseaux d'or ;
Mais, au lieu des oiseaux du rêve,
Arrive le sombre condor.

Mars pleure avant de nous sourire.
La grêle tombe en plein été.
L'homme, né pour les deuils, soupire
Et pleure avant d'avoir chanté.

Nérée BEAUCHEMIN (1850-1931)




黒い羽根の黒い烏
秋の風を追って行き
長い旅からもどり
春の空で鳴いている。

不機嫌な雑木林や藪が
陽気な鳥を待ち受けるが
陽気な名歌手に代わり
最初に到着したのは烏。

森を退屈させない点で
第一級の素人芸人たち
雪や雨の中、この晩は
一大演芸会となる。

興奮冷め、夢見る森は
黄金の鳥が待ち遠しい。
だが夢の鳥に代わり
到着する気味悪い禿鷹。

三月は泣いたり笑ったり。
雹は一夏中振り続く始末。
運の悪い男は嘆息ばかり
歌い終わって泣き止む。

ネレー・ボーシュマン

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トム・トムスンはアルゴンキン国立公園を好んで買いた画家である。もう少し長生きをしてカナダの名士になり、広大なカナダを旅してみたら、面白い絵が描けたはずである。アルゴンキンは森と湖の土地である。カナダにはまだまだ画材が豊富である。たとえばアメリカとカナダを仕切る セント・ローレンス川もそのひとつである。そのセント・ローレンス川の沼沢地ル・カップ・トュルマンテを見下ろす山もトムの画材だと思う。

言っても仕方のないことである。同じ東部カナダの芸術家ということで、トムスンとルイ・オノレ・フレシェットの詩を結びつけた。

Le cap Tourmenté

Robuste, et largement appuyé sur sa base,
Le colosse trapu s'avance au sein des flots ;
Sur son flanc tout couvert de pins et de bouleaux
Un nuage s'étend comme un voile de gaze.

Sur son vaste sommet, de merveilleux tableaux
Se déroulent devant le regard en extase ;
Et vous suivez des yeux chaque voile qui rase,
Dix-huit cents pieds sous vous, le fleuve aux verts ilote.

Autrefois c'était là presque un pèlerinage.
Un jour, il m'en souvient, collégiens en nage,
Nous gravîmes gaîment ses agrestes sentiers.

Je crois revoir encor notre dîner sur l'herbe
Qui tapisse ta croupe immense, ô mont superbe ;
Et je rêve à l'aspect de tes plateaux altiers.

Louis-Honoré FRÉCHETTE (1839-1908)


ル・カップ・トュルマンテ

土台に支えられ、幅広く頑健な
巨大な岩石は川の懐に突き出る。
側面は松と樺にすっぽり覆われ
雲は薄い紗の布のように広がる。

広々とした頂上は一幅の名画で
うっとり見とれる眺望が広がり
かすめ行く雲に視線を移しては
二千フィート下の木立をぬう川。

それ以来はまるで巡礼となり
記憶するあの日、汗に濡れた学生
僕らは田園の山道を楽しく登った。

二人でまた食事をするだろうよ
君のお尻を覆う草、素晴しい山。
僕は君の自慢のお皿を夢に見る。

ルイ・オノレ・フレシェット

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