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王維の有名な漢詩の素材である「竹」(Bambus)を五音節の詩に登場させたかった。結果は六音節(hexasyllabic) でも無理だった。今回は六音節の訳詩で Bambus 抜きで投稿することにした。 王維 竹里館 独坐幽篁裏 弾琴復長嘯 深林人不知 明月来相照 王維 独り座す幽篁の裏 琴を弾じて復た長嘯 深林人知らず 明月来りて相照らす 独訳 Die unberührter Wald Die unberührter Wald Einsiedlerleben galt. Ich, spielend die Harfe, Einen Gruß nach dem Mond warfe. Wang Wei 竹林にて この人里離れた森が 隠遁生活に相応しかった。 私は琴を弾きながら 月に視線を投げた。 王維
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王維
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王維の「田園楽 其六」の訳詩は無理をしないで五歩格を目安に訳詩した。ほぼ原詩の意が伝えられ、翻訳原語の都合に合わせた改竄も少なかったと信じている。やはり欧米の標準的な長さ五歩が自然なのであろうか。 田園楽 其六 桃紅復含宿雨 柳緑更帯春煙 花落家僮未掃 鴬啼山客猶眠 王維 桃は紅にして 復た宿雨を含み 柳は緑にして 更に春煙を帯ぶ 花落ちて家僮掃はず 鴬啼きて山客猶ほ眠る 英訳 Peaches in red bloom drink overnight showers. Willows in green leaf loom beyond misty veil. My boy reluctantly sweeps the flowers. Warblers sing to wake me to no avail. 赤い花の桃は昨夜来の驟雨を飲み 緑の葉の柳は霧の紗から浮かび 召使はしぶしぶ花を掃き 鶯は私を起こそうとしきりに歌う。 独訳 Die Pfirsichs mit Rotblüte genießen den Regen Die Weide mit Grünblatt sind jenseits der Nebel Mein Knabe gibt dem gefällte Blume den Segen Ich schlafe ungestort vom Vogel in Jubel 赤い花の桃は雨を飲み 緑の葉の柳は霧の彼方に 童は落下した花を祝福し 鳥は歓喜するが私は眠る。 仏訳 Les pêchers à fleurs rouges buvaient de l’eau Les saule à feuille verte sont derrière la brume. Ma bonne est peu enclin à prendre sa râteau La fauvette me chante mieux que de coutume. 赤い花の桃は水を飲み 緑の葉の柳は霧の後ろに隠れ 女中は熊手を取るのをためらい 鶯はいつもより上手く歌った。 後記:仏訳において francophile さんの示唆があり三行目の<est peu enclin >を<hésite >に置き換えた。その結果2音節の節約が可能になり「bonne 女中」を原詩のように「garçon 召使」にすることができた。 Les pêchers à fleurs rouges buvaient de l’eau Les saule à feuille verte sont derrière la brume. Mon garçon hésite à prendre sa râteau La fauvette me chante mieux que de coutume. 赤い花の桃は水を飲み
緑の葉の柳は霧の後ろに隠れ 召使は熊手を取るのをためらい 鶯はいつもより上手く歌った。 |
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最後に英訳の登場である。以前に英訳で苦労したので、訳文が頭から離れない。英語が他の言語の訳に影響しているのは明らかである。それでもいきなり独訳と仏訳に挑戦するように心がけたが、いかんせん英独辞典と英仏辞典を利用している。英語臭い独語、仏語である。ともあれこの機会に英訳も改めた。漢詩七音節に対して英語十音節(decasyllabic)である。若干余裕はあった。 田園楽 其六 桃紅復含宿雨 柳緑更帯春煙 花落家僮未掃 鴬啼山客猶眠 王維 桃は紅にして 復た宿雨を含み 柳は緑にして 更に春煙を帯ぶ 花落ちて家僮掃はず 鴬啼きて山客猶ほ眠る Pastoral no.6 Peaches in red bloom drink overnight showers. Willows in green leaf loom beyond misty veil. My boy reluctantly sweeps the flowers. Warblers sing to wake me to no avail. Wang Wei 田園楽 其六 赤い花の桃は昨夜来の驟雨を飲み 緑の葉の柳は霧の紗から浮かび 召使はしぶしぶ花を掃き 鶯は私を起こそうとしきりに歌う。 王維
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王維の「田園楽−其六」の独訳である。仏語訳は五歩格を標準としてきたが、この視の独語訳は六部格で収めるようにした。ドイツ語の韻の厳格な規則では、Nebel と Jubel は完全とはみなされない。どちらも第一音節が強勢だからである。成績としては「良」であろうが、内容を大きく損なってまで完全韻を追及しなかった。 田園楽 其六 桃紅復含宿雨 柳緑更帯春煙 花落家僮未掃 鴬啼山客猶眠 王維 桃は紅にして 復た宿雨を含み 柳は緑にして 更に春煙を帯ぶ 花落ちて家僮掃はず 鴬啼きて山客猶ほ眠る Pastoral no.6 Die Pfirsichs mit Rotblüte genießen den Regen Die Weide mit Grünblatt sind jenseits der Nebel Mein Knabe gibt dem gefällte Blume den Segen Ich schlafe ungestort vom Vogel in Jubel Wang Wei 田園的 その六 赤い花の桃は雨を飲み 緑の葉の柳は霧の彼方に 童は落下した花を祝福し 鳥の歓喜にも私は目覚めない。 王維
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王維の「桃は紅にして 復た宿雨を含み」で始まる有名な七語絶句「田園楽−其六」の仏訳である。漢字の七語すなわち七音節が目標であるが、仏訳を五歩格(10音節)でまとめることにした。五歩頂けるとフラン語は俄然選択の範囲が多くなり、ずいぶん楽になるものであるし、いろんなヴァリエーションも可能になる。これを第一歩として目標の七音節にも挑戦してみたい。鶯は西欧では春を告げるめでたい鳥と思いきや、安酒場を流して歩く女性歌手のイメージだそうである。鶯を主題にした芸術は西欧では乏しい。詩に絵画にもというのは中国文化圏に固有な現象である。そこで中国に的を絞り、王維のような文人の手による鶯を探した。結局は高名な文人画家である徽宗皇帝の有名な「桃鳩図」にご登場願った。 田園楽 其六 桃紅復含宿雨 柳緑更帯春煙 花落家僮未掃 鴬啼山客猶眠 王維 桃は紅にして 復た宿雨を含み 柳は緑にして 更に春煙を帯ぶ 花落ちて家僮掃はず 鴬啼きて山客猶ほ眠る La pastorale no.6 Les pêchers à fleurs rouges buvaient de l’eau Les saule à feuille verte sont derrière la brume. Ma bonne est peu enclin à prendre sa râteau La fauvette me chante mieux que de coutume. Wang Wei 田園楽 其六 赤い花の桃は水を飲み 緑の葉の柳は霧の後ろに隠れ 女中は熊手を取るのをためらい 鶯はいつもより上手く歌った。 王維
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桜と日本人ですね。なぜか、三島由紀夫を思...



