ヘ短調作品34

ルブランの回想録の link 先はゲストブックを御覧ください。

モリス

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全3ページ

[1] [2] [3]

[ 前のページ ]

イメージ 1

アーサー王の命であろうか、六人の乙女と六人の騎士が帆船に乗り、不気味な伝説の島アヴァロンに向かう。ヴィクトリア朝で流行った中世趣味の詩である。短いながら、各詩節が維持する構成、含まれる言葉の反復、脚韻のみならず外韻の多用は、彼のタピストリーをつい連想してしまう。この話アーサー王の伝承から来ているのか、モリスが創ったアーサー王風の話なのかどうか、私にはよく分からなかった。


Near Avalon

A ship with shields before the sun,
Six maidens round the mast,
A red-gold crown on every one,
A green gown on the last.

The fluttering green banners there
Are wrought with ladies' heads most fair,
And a portraiture of Guenevere
The middle of each sail doth bear.

A ship with sails before the wind,
And round the helm six knights,
Their heaumes are on, whereby, half blind,
They pass by many sights.

The tatter'd scarlet banners there
Right soon will leave the spear-heads bare.
Those six knights sorrowfully bear
In all their heaumes some yellow hair.

William Morris (1834-1896)

アヴァロン島へ

陽をさえぎり進む一艘の船
帆柱を囲む乙女が六人
みな赤や金の冠を被り
一人は緑の衣装を着ける。

はためく緑の旗は
美しき貴婦人方の意匠
ギネヴィアの絵姿が
帆の中央にある。

順風を進む一艘の帆船
舵には騎士が六人
兜を着け視界が狭く
途中の景色を見逃す。

赤い旗はやがて引き裂かれ
剥き出しの槍先が残るはず。
六人の騎士は悲しげに
金髪を兜に収める。

ウィリアム・モリス(1834-1896),

イメージ 1

モリスの四部格の詩である。この詩に対応する装飾的な工芸作品があるのか?調べ切れなかったので、今日の絵はボッティチェッリから拝借することにした。モリスもボッティチェッリを意識しているであろう。

FLORA.

I am the handmaid of the earth,
I broider fair her glorious gown,
And deck her on her days of mirth
With many a garland of renown.

And while Earth's little ones are fain
And play about the Mother's hem
I scatter every gift I gain
From sun and wind to gladden them.

William Morris (1834-1896)

フローラ

私は母なる大地の召使
大地の豪華な衣装に刺繍し
大地の祭りの日には
評判の花輪で飾り立てる。

大地の子らがはしゃぎ
母のまわりで戯れるとき
私は太陽や風からの恵みを
撒き散らして子らを喜ばせる。

ウィリアム・モリス(1834-1896)

イメージ 1

前回に引き続きモリスの詩。モリスの思想は伝記で要領よく理解できるかもしれないが、その前に彼の詩を読んでおきたい。最近とみに読解力と記憶力が衰えた私にはかえって効果的な方法なのである。今日はランダムに選んだ「所有」に関する社会主義的な詩である。

Mine and Thine

Two words about the world we see,
And nought but Mine and Thine they be.
Ah! might we drive them forth and wide
With us should rest and peace abide;
All free, nought owned of goods and gear,
By men and women though it were
Common to all all wheat and wine
Over the seas and up the Rhine.
No manslayer then the wide world o'er
When Mine and Thine are known no more.

Yea, God, well counselled for our health,
Gave all this fleeting earthly wealth
A common heritage to all,
That men might feed them therewithal,
And clothe their limbs and shoe their feet
And live a simple life and sweet.
But now so rageth greediness
That each desireth nothing less
Than all the world, and all his own,
And all for him and him alone.

William Morris (1834-1896)


「俺の物」と「貴様の物」

世界には二つの言葉がある。
「俺の物」と「貴様の物」の二語。
ああ!この二語で我らが進出したら
「安息」も「平安」も追随できない。
すべては無償、まるで
海外の小麦もラインのワインも
万人の共有物であるかのように
男も女も財産を所有しないはず。
「俺の物」と「貴様の物」が無くなれば
広い世界から殺人は無くなる。

そう、神は我らの健康を思い
つかの間の世俗の富には
万人の相続を認めた。
人が直ちに食を取り
身体と足を覆い、質素で快適な
生活ができるようにと。
だが「貪欲」が猛威をふるい
各人が全世界を欲し
全てを自己の物に
己独りのために全てを欲する。

ウィリアム・モリス(1834-1896)

イメージ 1

「アーツ&クラフツ展―ウィリアム・モリスから民芸」を見てきた。私はウィリアム・モリス William Morris(1834-1896)の盟友であるジョン・ラスキン John Ruskin (1819-1900)の「ヴェニスの石」の圧縮版を読んだことはあるが、モリス自身についてはほとんど知らない。ルネッサンス以降の偉大な芸術家の作品よりも名もなき職人たちの仕事に感銘を受けるという彼らの主張は理解できる。また近代的生産様式により失われつつある職人の作品に価値を見出したのも理解できる。今回も世界の民芸品の展示があり、それなりに興味深かった。とくにフィンランドの工芸家の野性的な土器が私の記憶に残っている。

肝心のモリスの作品は私には面白くないのである。またバーン・ジョーンズBurne-Jones(1833 –1898)には元々興味がなかった。モリスの音頭の下で製作されたイギリスの職人の工芸品も展示された物に限れば、正直つまらなかった。また職人の工芸品は結局、文化を破壊し、近代的生産様式で財をなした資本家の収集品になる。その皮肉な運命はともかくとして、私が興味を抱くのはカール・マルクスに傾倒した「社会主義者モリス」の主張とその時代背景である。今後意識して彼の著作を読むようにしよう。

一際目立つ、紛れもないモリスの装飾画「果樹園」に文字が書き込まれている。人物と字体は明らかに中世回帰である。今回は絵をそっちのけにして、彼のロマンティックな主張を書いた詩を解読するのに時間を費やしたという次第。

上の写真は今回展示されたものの最初の部分である。以下の詩の第一詩節に対応している。


The Orchard

Midst bitten mead and acre shorn,
The world without is waste and worn,

But here within our orchard-close,
The guerdon of its labour shows.

O valiant Earth, O happy year
That mocks the threat of winter near,

And hangs aloft from tree to tree
The banners of the Spring to be.

William Morris(1834-1896)


果樹園

傷ついた牧場と畑は刈り取られ
外の世界は荒れ果てているが

ここ果樹園のあたりには
目に見える労働の報酬。

勇ましき大地!幸運の年
冬の接近をものともせず

樹々に吊るされるは
来るべき春の旗じるし。

ウィリアム・モリス(1834-1896)

全3ページ

[1] [2] [3]

[ 前のページ ]


.
fminorop34
fminorop34
非公開 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

過去の記事一覧

検索 検索

スマートフォンで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

スマートフォン版Yahoo!ブログにアクセス!

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

数量限定!イオンおまとめ企画
「無料お試しクーポン」か
「値引きクーポン」が必ず当たる!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事